03.実践編_裏声の天国と地獄

2016年12月15日 (木)

3-6)まとめ

◆当時を振り返って

奇声で幕を開けた裏声でしたが、正直ここまで成長するとは想像もしていませんでした。ところで「裏声で歌えるようになった」とか「裏声が安定してきた」等の表現が出てきますが、本当は、もうこの時点で、純粋な裏声ではありません。限りなく裏声の領域に近いミックスボイスだと言えます。また、「3-5)裏声克服の第一歩」で、“声を出す場所を下げると声が低くなる”と説明しましたが、正しくは“声の質”が変わります。

あえて試したことはありませんが、現在はhi(ラ)を、地声、裏声、ミックスボイスで出すことができるかもしれません。どの声でもhi(ラ)には変わりはありませんが、声の質は大きく異なります。歌っている自分は声の質以上に、喉の使い方(声の出し方)が全く違うことをなにより感じています。

web拍手 by FC2

2016年12月 5日 (月)

3-5)裏声克服の第一歩

◆2016年5月某日

裏声で歌い始めた頃の「奇声」に比べると、か細い声ながら多少の高音なら力まずに出せるようになりました。さて、少し前から「裏声で低音を出す」ことを新たな課題としていました。裏声は低音が苦手という理由からではなく、か細く芯がない裏声では歌声としては成立せず、地声のような「張りと太さ」が必要だと感じていたからです。
極端に言えば、低音は腹の奥から、裏声は口先から出ている感覚です。従って、裏声の発声の状態で腹の奥からも声が出せたら、「裏声で低音」が可能になりますので、裏声の発声をキープしつつ、声を出す場所を少し喉に向かって下げて歌うトレーニングを始めました。

35

地声のトレーニングは「+2キー上げオク下」では物足りなくなり始めたため、次のステップとして「+4キー上げオク下」で歌うことにし、最高音のターゲットをmid2E(ミ)~mid2G♭(ソ♭)に定めました。これまでの地声のトレーニングの成果と言うより「裏声とは言え高音が出せる感覚と安心感を身に付けた」ことが大きく影響しています。また、この頃、ようやく「苦しさからの脱出」という課題を克服し、高音域を地声で歌う際、声はクリップされるものの苦しさはほぼ感じなくなりました。また、トレーナーさんがよく言う「呼吸」について、何となく意味を理解し始めた頃でもありました。

web拍手 by FC2

2016年11月26日 (土)

3-4)裏声の大きな問題

◆2016年4月某日

裏声のか細さ、強弱がない歌声は相変わらずですが、裏声自体はさらに安定してきました。ただ、前回記載した通り、裏声の楽な感覚に慣れてしまうと中音域でさえ裏声になってしまいます。「高音域をどんな形であっても歌い切れる」ようになった反面、楽な感覚が癖になり、しばらくはこの癖に悩まされました。

実はこの頃からすでに、裏声ながらもhiD(レ)が含まれる歌を歌うことができていました。「それなら女性曲はもう楽勝じゃん!」となりそうですが、裏声には前述したか細さや強弱のなさ以上に大きな問題があります。
裏声は高音域には強いのですが、音が下がっていくほど声が出にくくなり、女性の声域の最低音mid1F(ファ)付近になると全く声が出ません。つまり、裏声は高音域をカバーできますが、歌全体はカバーできません。
「裏声=女性の声」とまでは言いませんが、女性の声域mid1F(ファ)~hiD(レ)が表しているとおり、女性は低音域が苦手です。男性と言えども裏声で歌うと、経験上、女性の声に近づくことから似たような現象が起こります。

34

また、裏声で歌うことを密かに「女声モード」、地声を「男声モード」と呼んでいました。もちろん、女声になることが目標ではなかったものの、原曲キーを狙う以上、ある意味避けては通れない道でした。今後、裏声を主体とした声の出し方を女声、地声を男声と表現していきます。

web拍手 by FC2

2016年11月20日 (日)

3-3)裏声が安定し始める

◆2016年3月某日

裏声で歌い始めて1ヵ月ほど経過した頃から、まだ奇声ながらも裏声としては安定してきました。裏声は歌い慣れてくると、楽に高音が出る感覚が身に付き、高音域を極めて少ないながらもコントロールできるようになりました。
ただ、これが天国と地獄の始まりでした。裏声に馴染んでしまうと、高音を楽に出せるようになった一方で、高音ではないパートまで裏声で歌えるようになってしまい、地声の感覚を忘れるほどでした。高音をどんな形であれ出せるようになった一方で、純粋な裏声はか細く歌声としては聞くに堪えません。裏声は言わば「諸刃の剣」でした。

33

とは言え、この頃から地声にも変化が現れ始めました。「2-2.キー上げオク下に初挑戦」の頃には、最高音に達する前に息切れすると共に、喉が塞がっていましたが、それがやや軽減し、最高音は出ないまでも、声が全く出ない状態にならなくなりました。実はこれが革命的な変化点になり、ようやく「苦しさからの脱出」という課題の克服が見えてきました。

web拍手 by FC2

2016年11月12日 (土)

3-2)奇声とそのトレーニング方法

◆2016年2月某日

裏声の楽な感覚を味わったことで、更に裏声の入った曲や平均音が高い曲にチャレンジしようと考え、無謀にも一青窈さん「つないで手」、Chayさん「好きで好きで好きすぎて」を全パート裏声で歌ってみることにしました。結果、ヘタクソとかそう言うレベルではなく、一言で言えば「奇声」の何物でもありませんでした。
防音されているとは言え、ひとりカラオケでも隣の歌声は丸聞こえで、もちろん自分の歌声も隣には聞こえています。いくらトレーニング中とは言え、それをお隣さんが分かってくれるはずも無く、単にとなりに「究極のヘタクソが居る」「気持ち悪いやつが居る」という認識だったと思います。ですが、奇声であろうが、音程が超不安定であろうが、今まで出したことがないmid2F(ファ)を超える声が出せました。

でも、さすがに奇声レベルでは、悪い意味で話題になっても困るので、トレーニング方法を変えることにしました。変えると言っても手段を変えるのではなく、歌う場所を変えてみました。通勤に自転車を使用しているので、会社の行き帰りに言うなれば「自転車を漕ぎながら」歌うことにしました。
幸いなことに、比較的人通りの少ない道を選んで通勤してた関係で、多少、聞こえる程度の声で歌っても問題ありません。ただ、そうとは言え、恥ずかしい面もありますから、対策は講じることにしました。

 321 322_4

まず、冬場ということもあり、マスクを着用。さらに、後ろに気を配るために、自転車の右側にバックミラーを装備し、極力、左側通行するように努めました。この「自転車で歌う」方法を始めたと同時に、しばらく使っていなかった音楽プレーヤーを引っ張りだし、左耳だけにヘッドホンを付けて歌うというスタイルがこの頃から始まりました。また、この頃からひとりカラオケでは「キー上げオク下で」、自転車では「裏声で」歌うスタイルも始まり、「地声」と「裏声」を明確に意識したトレーニングへと変化して行きました。

web拍手 by FC2

2016年11月 3日 (木)

3-1)本格的に裏声を試してみる

◆2016年2月某日

中島美嘉さんの「雪の華」「ORION」を歌い始めてから1ヶ月ほど経過すると、裏声や裏声付近のパートは比較的スムースに声を出すことが出来るようになりました。だからと言って裏声だけをトレーニングしたわけではありません。「2-5)裏声で歌う」で書いた通り、裏声になる直前まで苦しくても喉を踏ん張らせることを意識して、トレーニングしました。スムースとは言え、mid2E(ミ)前後の苦しさは根本的には解決できていません。
それでも、ごく短いパートなら「裏声で歌える」との感触を掴み、それならば・・・と、あえて裏声を多用した曲を選び、歌ってみることにしました。当時は、どちらかと言えば興味半分であり、トレーニングの一環とは考えていませんでした。

中山美穂さんの「ただ泣きたくなるの」を、+2キー上げオク下でチャレンジしてみました。原曲キーはmid1G(ソ)~hiD(レ)であり、+2キー上げオク下で、mid1A(ラ)~mid2E(ミ)になります。これだとmid2E(ミ)が裏声になると思います。
「雪の華」「ORION」は、ごく一部しか裏声を使いませんが、「ただ泣きたくなるの」は「ただ泣きたくなるの 好から好きだけど」など、裏声がかなり採用されています。歌ってみた結果ですが・・・惨敗でした。「雪の華」「ORION」は極端に言えば、一文字(一音)だけが裏声になるので、声を吐き出せばこと足ります。一方、「ただ泣きたくなるの」は、数文字程度ですが、裏声で音程を付けて歌わなければなりません。裏声パートの音程はかなり不安定で、聞くに堪えない状態でした。

31

でも、収穫もありました。音程はかなり不安定でも、声を出すこと自体はさほど苦しくはありませんでした。裏声は地声に比べて、高い声とされているわけですから、「どんな声であれ、出すことは出来るんだ」と可能性が見えてきた時期でもありましたが、この後、裏声の「天国と地獄」を味わうことになりました。

<余談>
苦しさから脱出するのが、当時の課題でしたが、いわゆる「地声」では、苦しさから脱出することができませんでした。苦しさから脱出できたのは、裏声を覚えてからしばらく経過してからでした。

web拍手 by FC2