カテゴリー「(054)小説No.1351~1375」の27件の記事

[No.1364-1]力強い手~第一部

No.1364-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
“お父さんを頼むね”

その言葉が何度も頭をよぎる。
その度に後悔にも似た感情が押し寄せてきた。

「その言葉を俺は守れただろうか・・・」

「急だったね」
「本当は、今週末、行くつもりだったけどね」

父の容態が良くないと弟から連絡が来た。
元気ではなかったが、悪いということもなかった。

「甘く考えていたかもな」
「距離があることをいいことに」

父は4年前くらいから施設で暮らし始めた。
自ら入居を希望したからだ。

「仕方ないよ、遠いのは事実なんだから」

隣の県とは言え、施設までは3時間以上掛かる。
その距離が迷いを生じさせた。

「言い訳になるけど・・・ね」

今までも何度か容態が良くない時があった。
だから、また同じだろうとも考えていた。

「ただ、熱が下がらなくて」
「以前よりは緊迫したのも事実」

なのに都合よく考えていた。
少し違うが、“すっぱいぶどう”と同じだ。

「あれこれと考える自体、間違っている」

後先考えず行動すべきだった。
今・・・振り返るとだけど。

(No.1364-2へ続く)

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[No.1363-2]その瞬間

No.1363-2

「案外、知らないものね」
「それは言えてる」

近くに居ながら気付かない。
なんか恋愛に似ている。

「なになに、急に恋バナ?」
「ち、違うわよ」

とにかく、たまにはいい。
こうやって意味もなく遠回りするのも。

「でも、あまりのんびりしてると」
「すぐ陽が落ちるわよ」

実際、少しづつ暗くなり始めている。
まぁ、これはこれで趣があるが。

「ん?」
「どうしたの?」

近くの1本の外灯に火が灯る。
その瞬間、見たことがない場面に遭遇した。

「・・・初めてみたかも」
「私もよ」

マンションの無数の屋外灯に火が灯る瞬間を見た。
J1363
(No.1363完)
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[No.1363-1]その瞬間

No.1363-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「やっぱり明るいといいよね」
「ほんとそう!」

春が近づくにつれ、18時頃でもまだ十分明るい。
そうなると、まだ家に帰りたくなくなる。

「寄ってく?」
「もちろん!」

空が明るいと一日が長く感じる。
一日の長さは変わらないはずなのに。

「風景が変わって見えるよね」
「言えてる」

見慣れた風景が違って見える。
それだけでも価値がある。

「少し遠回りしない?」
「賛成!」

駅までの道のりを時間を掛けて歩く。
普段通らない道をあえて行く。

「なんか新鮮!」
「隠れた名店を見つけたりしてw」

その可能性はある。
これから向かう店もかつてそうだったからだ。

(No.1363-2へ続く)

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[No.1362-2]年上の女の子

No.1362-2

「女子の方が成長が早いんじゃない?」
「色々な面で」

それは否定しない。
特に精神年齢は。

「男の子は無邪気に走り回ってる反面」
「その女の子は」

他の子たちをしっかりまとめていた。
リーダーシップを発揮して。

「だから思い出したんだよ」
「そう言えば居たな・・・って」

自分が小学生の時にも居た。
口うるさい学級委員長が。

「男子がだらしないからでしょ?」
「口うるさくなるのは」

そうとも言えるし、そうとも言えない。
女子はそんなことが好きなのだ。

「全世界の女子を敵に回すわよw」
「事実だろ?」

ただ、構われて嬉しかった記憶もある。
J1362
(No.1362完)
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[No.1362-1]年上の女の子

No.1362-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
その光景を見た時、口うるさい委員長を思い出した。

朝、小学生の集団に出会った。
どうやら集団登校する直前のようだった。

「よく観察してるわね」
「逆だよ、観察せざるを得なかったんだよ」

朝から、道路上を駆け回っていた。
そこを自転車で通行する必要があるのに。

「で、徐行してたら」
「色々、聞こえてきたんだよ」

ある女の子が年下であろう男の子を注意していた。
“ちゃんと並びなさい”と。

「なんで年下と分かるのよ?」
「ランドセルの大きさかな」

もちろんランドセルが大きいのではない。
体が小さいから大きく感じるのだ。

「どう見ても1年生w」
「女の子はしっかりしてるし」

身長も頭一つ分、大きかった。

(No.1362-2へ続く)

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[No.1361-2]方言の良いところ

No.1361-2

「てか、これ見て」
「チラシだよね?さっき見たじゃん」

いわゆるデジタルチラシと呼ばれるものだ。
さっき隅々まで見たばかりだ。

「店じゃなくて・・・」
「ほら、ここ」

友人が文字を指さす。
北海道展の言わばキャッチフレーズを。

「・・・これ」
「久しぶりに見たw」

見たと言えば良いのか、聞いたと言えばいいのか。

「懐かしい・・・」
「絶対、ここでは使わないw」

ただ、つい出てしまいそうにはなる。
便利な言葉だからだ。

「方言ってさぁ」
「その言葉でしか表せない気持ちがあるよね」

他の言葉では置き換えることができない。
出来たとしても、ピッタリではない。

「そうそう!なんかしっくりこないよね」
「あー思いっ切り“わや”って言いたい」
J1361
(No.1361完)
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[No.1361-1]方言の良いところ

No.1361-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「北海道展、やってるみたいだよ」

デパートで定期的に催す北海道展。
離れて暮らす道民としては楽しみで仕方ない。

「どんな店が来てるの?」
「ほら、これ」

友人がスマホを見せてくれた。

「○○来てるね!」
「久しぶりだよね!」

帰省の度に食べてはいる。
でも、それでも食べたい地元の味だ。

「他には?」
「どれどれ・・・」

友人も道民だ。
だからこそ、親しくなれた。

「この豚丼、美味しそう!」
「初めて聞く名前だね」

地元に居ても知らない店は多い。
いや・・・地元に居るから油断している。

「油断てw」

北海道展で知った店も多い。

(No.1361-2へ続く)

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[No.1360-2]模型店

No.1360-2

「気になるわね・・・」
「まぁ、そう言うことで」

あまりにも懐かしくて、YouTubeで検索した。
そしたら・・・出てきた。

「それを早く言いなさいよ」
「焦るなって」

彼女にそれを再生して見せる。
2パターンあった・・・そこまでは覚えていなかった。

「・・・どう?」
「意味わかんないw」

もちろん、男子向きのCMだ。
キラキラ要素はひとつもない。

「いや、男子にとってはキラキラかも」
「でしょうね」

あらためてCMを見ると当時を思い出す。
よくこの店に通ったものだ。

「でも、ほとんど冷やかしかもw」
「何も買わないことがほとんど」

買った記憶がほとんどない。

「そんなもんじゃない?」

俺の部屋はコックピット・・・。
J1360
(No.1360完)
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[No.1360-1]模型店

No.1360-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
彼女がある有名和菓子店の名前を口にした。
僕が知らない名前だ。

「知らないの?」
「知らない・・・でも・・・」

ある店を思い出した。
同じ名前の店を。

「同じ名前?」
「ああ、全然、違う店だけどw」

高校生の時、学校の近くに模型店があった。
地元ではそこそこ有名な。

「模型店?有名なのは一緒なのねw」
「だなw」

有名な理由はいくつかあった。
模型店では珍しく、CMを流していた。

「地元のローカル局だけどね」
「今でも覚えてる」

店そのものよりも、CMの印象の方が強い。
印象的なナレーションがあったからだ。

「へぇ~、どんな?」
「言ってもいいけど」

よく分からないだろう。
女子には。

(No.1360-2へ続く)

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[No.1359-2]工場の音

No.1359-2

なぜ、工場から音楽が・・・と。
それもBGMではなく、J-POPなのかと。

「あくまでも推測なんだけど・・・」

その工場からは別の音も聞こえてくる。
それもそこそこ大きな音だ。

「工場と言うくらいだから・・・機械音とか?」
「そう!」

何を作っているのか、何をしているのか知らない。
けど、何かをしている機械音がする。

「ガチャン、ガチャンとか」
「だから・・・」

その機械音を打ち消すための音楽だと思う。
正確に言えば、打ち消すことはできないが。

「機械音を和らげるため?」
「多分そう」

従業員のアイデアか、はたまた社長の福利厚生か。
いずれにせよ、モチベにも影響するだろう。

「それはあるね」
「効率も上がりそう!

機械音のために、音楽に集中し過ぎることもないだろう。
適度に音楽が聞こえてくる感じだ。

「うちの会社でも導入したいと思わない?BGMだけど」
「賛成!」
J1359
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