カテゴリー「(051)小説No.1276~1300」の53件の記事

[No.1300-2]怖いものなし!

No.1300-2

「てんとう虫?」
「どうだろう?」

確かにそれっぽい大きさで丸っこい。
ただ、知っているあの模様が見えない。

「まっ黒だよね?」
「うん・・・」

正体不明の虫をつまんだりしている。
片手に中華まんじゅうを持ちながら。

「食欲より興味が優先だねw」
「あははwそうみたい」

それにしても子供は無敵だ。
何だか分からない虫でも平気で触れる。

「だよね」
「私は絶対無理!」

それは私も同意見だ。

「それに触った手で・・・」

まんじゅうを頬張る。

「あはは・・・」
「さすが・・・子供!」

少々汚れた手でもお構いなしだ。
ほんと、たくましい。

「でも私たちもそうだったよね」

そう言えば小さい頃にもここに来たことがあった。
J1300
(No.1300完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ
ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

| | | コメント (0)

[No.1300-1]怖いものなし!

No.1300-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「うまっ!」
「でしょ!」

古くからの友人が遊びに来た。
遠路はるばる。

「ここ有名な店なのよ?」
「この行列を見たら言われなくても分かるw」

確かに購入するまで少なくとも30分は掛かる。
今日はまだ行列が少ない方だ。

「ここの中華街は初めてだよね?」
「うん、横浜は行ったことあるけど」

規模こそ全然負けている。
でも、少しの時間で全てを見て回れる手ごろ感がある。

「ほんと美味しいね」
「この中華まんじゅう」

中華街の一番人気がこれだ。
私も来るたびに口にしている。

「ん?」
「どうしたの?」

それを頬張りながら友人が口を突き出す。
どうやらすぐそばの子供のことみたいだ。

「見てよw」
「何してるの・・・虫?」

座り込んで地面を凝視している。
その目線の先に一匹の小さな虫がうごめいていた。

(No.1300-2へ続く)

| | | コメント (0)

[No.1299-2]失われた言葉

No.1299-2

「えっ!?」
「ここまで盛り上げておいて違うわけ?」

確かにダイヤルする・・・も失われた言葉だ。
でも、それ以上の言葉がある。

「そりゃ、時代が変われば」
「いくつもあるんじゃない?」

そうだとしてもこれが一番だと思う。
スマホの登場でそうなったと言っても良い。

「やっぱり、なぞなぞじゃんw」
「かもしれないw」

スマホの登場で時間と距離の概念が変わった。
時間と距離はもう恋の障壁とは言えない。

「なになに!?」
「何だか壮大な展開じゃん!」

その昔は、せいぜい声が聞ける程度だ。
寂しさを紛らわすために。

「で、その言葉って?」
「教えないw」

でも、本当は失われた言葉ではない。
言いたくない・・・その言葉を。

「・・・何となく分かった」

遠く離れた彼を想う。
J1299
(No.1299完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ
ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

| | | コメント (0)

[No.1299-1]失われた言葉

No.1299-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
大袈裟だけどあえて言う。
それは失われた言葉だと・・・。

「何それ」
「なぞなぞ?」

ひと昔前の歌詞によく出てくる言葉。
ダイヤルする、ダイヤルする手を止める。

「昔は黒電話だったからよね?」
「そうだね」

もちろん、スマホでもおかしな表現ではない。
数字をタップすることもダイヤルだ。

「でも、やっぱりダイヤルと言えば」
「回すことだよね?」

数字によって戻ってくる時間が変わる。
その間が色々なドラマを生む。

「随分、ロマンティックな話をするのね」
「それも昔々のw」

戻ってくる間に色々と考える。
だから、ダイヤルする手を止めることもある。

「経験談?」
「かもねw」

でも、これが本命ではない。
失われた言葉は。

(No.1299-2へ続く)

| | | コメント (0)

[No.1298-2]すばらしい世界旅行

No.1298-2

「好奇心旺盛だろ?」
「子供ってさ」

どんどん引き込まれていったことを覚えている。
それに吸収も早い。

「わかる!」
「まるでスポンジのようだもんね」

上手い例えだ。
覚える気がないのに覚えている。

「内容もさることながら」
「実は・・・」

もちろん、懐かしいのは番組の内容だ。
でも、それ以上に記憶に残っているものがある。

「それ以上?」
「テーマ曲・・・って言えばいいのかな?」

歌ではないので主題歌ではない。
番組の冒頭に流れる音楽だ。

「番組ごとに曲があって」
「どれもこれも名曲なんだよな」

当時は何も思わなかった。

「そんなものじゃない?」
「記憶に残ってこそ名曲よ」

その曲を聞くと当時のことを鮮明に思い出す。

「ワクワク感が半端ないよ」
J1298
(No.1298完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ
ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

| | | コメント (0)

[No.1298-1]すばらしい世界旅行

No.1298-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「・・・懐かしい」

動画サイトで昔のテレビ番組を特集していた。
どれもこれも懐かしい。

「全然、知らないw」
「だろうなw」

僕が子供の頃のかなり昔の番組だ。
でも、単に昔の番組だから懐かしいわけではない。

「理由があるの?」
「あるよ」

子供向けではない。
でも、子供心をくすぐる番組でもある。

「どっちなのよw」
「どっちも正解!」

いわゆるドキュメンタリー番組だ。
動物あり、世界の不思議あり・・・の番組だ。

「なるほどね」
「それなら納得」

今と違ってテレビが全ての情報源だった。
そこで見るもの語られるもの・・・それが全てだ。

「大袈裟だけどね」
「あははw」

超硬派な番組だ。
動物番組とは言え、今のようなほのぼの系ではない。

(No.1298-2へ続く)

| | | コメント (0)

ホタル通信 No.589

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.677 今、この経験が・・・
実話度:★★★★☆(80%)
語り手:男性

タイトルだけでは思い出せなかったのですが、読み直してみると「あ~これね!」と鮮明に覚えています。

全体的な流れはほぼ実話んですが、前半、話しかけてきた女性は若い人ではなく、実はご高齢の方でした。
ですから、彼と遠距離うんぬんは創作です。実際は何らかの用事で東京に出掛けており、その帰りだったようです。ただ、私としては小説に書いてある通り、大阪までの時間、ゆっくり寝たかったのですがw

色々話している中で、その女性がご主人が好きだと言うと食パンをお土産として買った話になり、その後、小説の後半に書いてある通りの展開になりました。
当ブログの神髄のような小説です。小説のネタとしては申し分ない出会いであり、小説のタイトルの通り、この経験がまさしく小説のネタになりました。こんな出会いが毎日続けばネタには困らないでしょうね。

最後にもうひとつエピソードを。前述した食パンですが、ご主人のために2斤、買ったそうです。ですが、お礼として1斤いただきました、見ず知らずの女性からw
Jt589
web拍手 by FC2

 

| | | コメント (0)

[No.1297-2]違う景色

No.1297-2

「景色を知った?」
「うん」

先週、実家に帰った。
その時、ふとある行動を思い付いた。

「で、その行動って?」
「座る場所を変えたの」

食卓テーブルの座る場所を変えた。
今まで母が座っていた場所に。

「私が南だとしたら母は北」
「お互い対面していたの」

だから、場所を変えると見える景色がまるで違う。
同時に母が見ていた景色を知った。

「それだけなんどけど」
「いつもこんな景色を見てたんだって」

見慣れた部屋なのに初めてような感覚だった。
でも、よく考えればこうして見るのは初めてだ。

「そう言われたらそうよね」
「私も座る場所は決まってた」

家族とはそう言うものだ。
別にルールがあるわけでもないのに。

「でも、知れて良かった」
「少し遅くなったけど」
J1297
(No.1297完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ
ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

| | | コメント (0)

[No.1297-1]違う景色

No.1297-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
気持ちひとつで見える世界が変わる。
そんな場所が身近にあった。

「何かあったの?」
「ううん、別に」

そう聞きたくなる気持ちも分かる。
唐突にこんなことを言うと。

「それにしては哲学っぽくない?」
「だよね」

でも、本当だ。
別に悩んだりしているわけではない。

「まさか・・・」
「違うわよw」

友人が目を輝かせている。
それだけで言いたいことが分かる。

「否定、早っ!」

こう言うことは早めに否定した方がいい。
あれこれ聞かれる前に。

「本当に何もないわよ」
「ちょっとした行動で・・・」

見える景色が変わった。
同時に見ている景色を知った。

(No.1297-2へ続く)

| | | コメント (0)

[No.1296-2]バイト君

No.1296-2

「たしかに高校生っぽいね」
「でしょ?」

返事が出来なかったわけじゃない。
単に慣れの問題だ。

「私たちだってそうだったよね?」
「新入社員のころは」

どう返していいか分からない。
相手の行為に対して。

「だから彼もそうだと思う」
「でも、嬉しそうで良かった」

私もようやく素直にお礼を言えるようになった。

「そりゃそうでしょ」
「こんな美人に声を掛けられたらw」

もちろん、本気で言ってるのではない。
いじっているのだ。

「はいはい」
「そうでしょうね!」

友人のいじりはさておき、心が洗われるようだ。
忘れていたものを思い出すようでもある。

「大袈裟ね」
「そうでもないわよ」

どんな仕事でも一生懸命にやる。
その姿勢は見習いたい。

「今の仕事に不満でも?」
「そうね、あなたが居るからねw」
J1296
(No.1296完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ
ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

| | | コメント (0)

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

(000)お知らせ (001)小説No.001~050 (004)小説No.050~100 (004)小説No.76~100 (005)小説No.101~125 (006)小説No.126~150 (007)小説No.151~175 (008)小説No.176~200 (009)小説No.201~225 (010)小説No.226~250 (011)小説No.251~275 (012)小説No.276~300 (013)小説No.301~325 (014)小説No.326~350 (015)小説No.351~375 (016)小説No.376~400 (017)小説No.401~425 (018)小説No.426~450 (019)小説No.451~475 (020)小説No.476~500 (021)小説No.501~525 (022)小説No.526~550 (023)小説No.551~575 (024)小説No.576~600 (025)小説No.601~625 (026)小説No.626~650 (027)小説No.651~675 (028)小説No.676~700 (029)小説No.701~725 (030)小説No.726~750 (031)小説No.751~775 (032)小説No.776~800 (033)小説No.801~825 (034)小説No.826~850 (035)小説No.851~875 (036)小説No.876~900 (037)小説No.901~925 (038)小説No.926~950 (039)小説No.951~975 (040)小説No.976~1000 (041)小説No.1001~1025 (042)小説No.1026~1050 (043)小説No.1051~1075 (044)小説No.1076~1100 (045)小説No.1101~1125 (046)小説No.1126~1150 (047)小説No.1151~1175 (048)小説No.1176~1200 (049)小説No.1201~1225 (049)小説No.1226~1250 (050)小説No.1251~1275 (051)小説No.1276~1300 (052)小説No.1301~1325 (053)小説No.1326~1350 (100)通信No.001~100 (101)通信No.101~200 (102)通信No.201~300 (103)通信No.301~400 (104)通信No.401~500 (105)通信No.501~600 (106)通信No.601~700 (S01)せいじゅうろう