[No.1286-1]角砂糖
No.1286-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
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「砂糖、入れないの?」
「あぁ・・・そうだな」
最近・・・いや、もう数十年も見ていない気がする。
今、そのことに気付いて手が止まってしまった。
「そう言えば砂糖って」
「これだよな?」
手に持ったスティックシュガーに目を配る。
「そうだけど」
「逆にそれ以外あるの?」
その疑問は最もだ。
アイスコーヒーならシロップだけど。
「ほら、角砂糖だよ」
「角砂糖?」
カフェに行こうが喫茶店に行こうが見たことがない。
その昔、砂糖と言えば角砂糖だったのに。
「確かに・・・」
「けど、そもそも家でも買ったことないよね?」
そう言われてまた気付く。
そうだ・・・家でも買ったことがない。
「存在自体を忘れてた」
「でも、よく気付いたわね?」
ほんと不思議だ。
でも、こう言うことはひょんなことから思い出すものだ。
(No.1286-2へ続く)
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