カテゴリー「(049)小説No.1226~1250」の40件の記事

[No.1245-2]うちのカレー

No.1245-2

「今さらだけど、びっくりしてる」
「だよね」

たかがカレー、されどカレーだ。
ラーメンと同じ国民食と言ってもいい料理だ。

「本当に食卓に並ばなかったんだろうか?」
「聞いてみ・・・あ、ごめん」

そう、もはや確認できる相手がいない。
特に一番確実とも言える本人が。

「別に構わないさ」
「でも、もっと早く気付いておくべきだったな」

だったら直接聞けたのに。
まさかまさかの出来事だ。

「でも、本当にそうなのかな?」
「ほら、カレーでありがちな・・・」

いわゆる“二日目のカレー”の姿もない。

「じゃあ、本当に?」
「・・・かもしれない」

にわかには信じられない。
けど、今はそうとしか考えられない。

「もし、そうだとしても」
「今があるじゃん!」

うちのカレーはどうやら幻となりそうだ。
その変わり、新しいカレーの味が僕を包み込む。
J1245
(No.1245完)
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[No.1245-1]うちのカレー

No.1245-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「やっぱり、うちのカレーが一番だよな」

世には美味しいカレーが溢れている。
お店しかりレトルトしかりだ、けど・・・。

「でしょ!」
「カボチャの甘みがいいでしょ?」

甘口が好きな僕にとっては丁度いい味だ。
それも野菜の自然な甘みだ。

「うちは昔からカボチャを入れるんだよね」
「カレーは各家庭の特徴が出るよな」

そう、僕の実家だと・・・ん?
僕の実家は・・・。

「あれ・・・」
「どうしたの?」

変だ、思い出せない。
いや、思い出すもの何も・・・。

「カレーが食卓に並んだ記憶がない」
「うそでしょ?!」

カレーを食べている自分の姿もそこにはない。
単に忘れているとは思えないのだが・・・。

「そんなことはないわよ」
「特殊な料理ならまだしも」

でも、味も見た目も特徴も思い出せない。
と言うより、やはり記憶にない。

(No.1245-2へ続く)

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[No.1244-2]墓場の姉

No.1244-2

「簡単?」
「あぁ、だって・・・」

名前が書いてあった。
姉の名前がそこに。

「なるほどw」

名前があってこその悪ふざけだ。
もちろん、悪意があったわけじゃない。

「特別に仲が良かったわけじゃないけど」
「悪かったわけでもない」

ある意味、仲が良かったのかもしれない。
いわゆる、喧嘩するほど・・・というやつだ。

「それはあるね」
「ただ、何度思い返しても・・・」

書いた記憶は蘇らない。
まるで、他人事だ。

「本当に俺が書いたのかなって」
「そう思うこともある」

母も母で、なんでこんなものを・・・と思う。
とっておくなら、もっとましなものを・・・。

「でも、大人になったら」
「そんなものほど大切に思うんじゃない?」

その言葉に思わず頷く自分が居る。
そもそも、今、その話題を口にしたのも理由がある。

「ここ何年も姉と話してないなって」
「なら、その絵のことを話題にしてみたら?」

それもいいかもしれない。
怒られるかもしれないけどな。
J1244
(No.1244完)
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[No.1244-1]墓場の姉

No.1244-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「墓場の姉?」
「なに・・・それ・・・」

彼女が若干、引いている。
いや、かなり引いている。

「確か・・・まだ健在だったよね?」
「そうだよ」

別に姉の悪口を言ってるわけではない。
小さい頃に書いた絵の話だ。

「絵の話?」
「多分、幼稚園くらいだと思う」

母が子供の頃のガラクタを保管してくれていた。
その中に画用紙に書かれた数枚の絵があった。

「それが墓場の姉?」
「あぁ、姉がガイコツになってて」

墓場に居る絵だった。
なぜそうなのかは、もちろん覚えていない。

「嫌いだったとか?」
「そう言うわけじゃなかったと思うけど」

よくある兄弟同士のいざこざだ。
それも小さい頃の、たわいないものだ。

「まぁ、悪ふざけだな」
「一言で言えば」

ただ、悪ノリ過ぎるとは思っている。
例え、小さい頃のこととは言え。

「でも、ガイコツなのに」
「どうしてお姉さんと分かったの?」

その答えはごく簡単だ。

(No.1244-2へ続く)

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[No.1243-2]未確認飛行物体

No.1243-2

「だから、そう言いたくもなるだろ?」
「あの点滅を見たら」

点滅する灯りは、誘導灯か警告灯の類だと思う。
鉄塔の途中で点滅しているからだ。

「まぁ、確かに・・・ね」
「宙に浮いてるし」

そう・・・それが肝だ。
地面で点滅していたらとてもUFOには見えない。

「それに山の中だから」
「環境的にもそう見えるよな」

高速道路だけど街灯はない。
走る車のヘッドライトだけが周囲を照らしている。

「それこそ、UFO出現!って感じ」
「はいはいw」

帰路の楽しみのひとつだ。
運転に飽きた頃、それが現れてくれるのも嬉しい。

「次は数か月後?」
「だな」

そうこう話しているうちに後方に過ぎて行った。
UFOならぬ、3つの点滅が。

「さて、運転に集中よ!」
「了解!」

その時、3つの点滅は4つに変わった。
そのことを僕は知らなかった。
J1243
(No.1243完)
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[No.1243-1]未確認飛行物体

No.1243-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
それは車で遠出をした帰りに現れる。

「UFO発見!」
「・・・はいはい」

暗闇に、3つの灯りが点滅を繰り返している。
それがさながらUFOに見える。

「ここを通るといつも言うよね?」
「まぁいいじゃん!」

なぜだか言わずにはいられない。

「それになんでUFOなの?」
「見たことないくせに」

そう言われるとそうだ。
灯りの点滅がなぜ、UFOになるのだろうか?

「・・・だよな」
「そこは否定してよw」

子供の頃はよく、夜空を見上げていたものだ。
目的は星ではなく、UFOを見つけるために。

「あなたらしいね」
「子供の頃、流行ってたし」

いわゆるオカルト物は子供の好物とも言える存在だ。
僕も例外ではなかった。

「飛行機のライトって分かっていても」
「UFOだったら・・・な、と」

想像を膨らましたものだ。

(No.1243-2へ続く)

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[No.1242-2]空が明るい

No.1242-2

「これからもっと明るくなるね!」

1週間でもこの変わりようだ。
これからもっと明るくなって行くだろう。

「で、その話だけ?」
「遠回しに、飲みに誘ってる?」

同僚に言われ、我に返る。
別に意識が飛んでいたわけではないが。

「ううん、全然考えてなかった・・・」
「むしろ、あなたが方が“ふり”じゃなくて?」

お互い顔を見合わせた。
そして、どちらからともなく・・・。

「それなら・・・」
「・・・だよね」

急遽、飲みに行くことになった。
私も同僚も、全くその気はなかったようだったが。

「それで・・・」
「どこに行こうか?」

今日に限って、馴染みの店には行く気にはなれない。

「私も・・・」
「新規開拓する?」

空の明るさが冒険心をくすぐったのだろうか?
何となくそんな気がする。、

「そうと決まれば・・」
「突撃よ!」

まるで迷惑系ユーチューバーのノリだ。
でも、ワクワクする。

「じゃ、走るわよ!」
「負けないわよ!」
J1242
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[No.1242-1]空が明るい

No.1242-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
何度も経験していることなのに、いつも口に出てしまう。

「空が明るくなってきたね」
「少しずつ」

先週辺りから、帰宅時、空が明るくなってきた。
今までは真っ暗だったのに。

「私もそう思ってた」
「これって大事なことだよね」

同僚の言いたいことは分かる。
確かに大事なことだ。

「働いてる人にとってはさぁ」
「この明るさ加減で気持ちが変わるんだよね」

全くその通りだ。
ただ、働く者全員がそう思っているかは分からない。

「明るいとまだいける!ってなるよね」
「あははwどこに行くかは別にしてもね」

飲みに行くことを想定して言ってるわけじゃない。
あくまでも気持ちの持ちようだ。

「そうそう!」
「一日が長く感じるよね」

以前、北海道に住んでいたことがあった。
その時は、冬になると16時には真っ暗になっていた。

「一日が終わったぁ~って」
「何もやる気が起きなかったわ」

大袈裟ではない。
本当にそんな気分になってしまう。

「だからこそ、この明るさは」
「元気が出るよ」

たったそれだけのことなのに。

(No.1242-2へ続く)

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[No.1241-2]懐かしの三輪車

No.1241-2

「感触?」
「あぁ、独特の」

三輪だけに安定性は抜群だ。
二輪のようにこけることはまずない。

「そりゃ、そうよね」
「問題は曲がる時と言うか・・・」

二輪は、ハンドルと前輪が一体化している。
だから、ハンドルを切れば左右に曲がれる。

「三輪は曲がれないの?」
「ちょっと変な感じなんだ」

ここからは記憶頼りにはなるが、変な感触を覚えている。
ハンドルを切るというより、体を傾ける感じになる。

「それが、なんというか・・・」
「フワフワしてて」

格好良く言えば、月面を歩いている感じだ。
月面を歩いたことはないけれど。

「なにそれw」
「でも、言いたいことは伝わる」

宙に浮いているというか・・・。
とにかく、足が地に着いていない感が半端ない。

「私・・・無理かもw」

ただ、クセのある三輪車になぜ乗っていたのかは謎だ。

「たしか、うす緑・・・」
「ペパーミントグリーンだったっけな」

目の前を横切った三輪車も、くすんではいたが同じ色だった。
J1241
(No.1241完)
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[No.1241-1]懐かしの三輪車

No.1241-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「懐かしいな」

目の前を三輪車が横切って行った。

「私、初めて見たかもしれない」
「そうなの?」

三輪車と言っても幼児の・・・ではない。
大人が乗る三輪タイプの自転車だ。

「うん、逆に新鮮w」
「かもな」

懐かしいのには理由がある。
単にレトロだけではない。

「理由?」
「あぁ、小さい頃、母が乗ってたことがあって」

そんなに長い期間ではなかったと思う。
でも、一緒に買い物に出掛けたものだ。

「ほら、普通の自転車より」
「荷物が積めそうだろ?」

前輪が二輪で、そこにかごが付いている。
かごの重心は低く、安定性は抜群だろう。

「でも、なんで見かけなくなったのかな?」
「さぁ、それは僕にも分からない」

ただ、思うことはある。

「なに?」
「運転のクセというか・・・」

子供の頃、何度かそれに乗ったことがあった。
その時の感触を今でも覚えている。

(No.1241-2へ続く)

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