[No.1200-2]道なき道を行く
No.1200-2
「そう言えば、実家の近所にもあったな」
あぜ道のようなものがあった。
正確には、そこまで立派なものではなかったが。
「それこそ、踏み固められた道って感じ」
「人の足で何度も」
もちろん、そこに道が出来たのは理由がある。
「理由?」
「それがないと・・・」
向うに行くのに相当な時間が掛かる。
早い話、ショートカットの道だ。
「回り道をしたら、10分くらいかかるだろうね」
「それは相当な差があるわね」
畑の作物を避けるように上手くそれは出来ていた。
だから直接的な迷惑は掛かっていない・・・とは思う。。
「そのうち、暗黙の了解ってやつで」
あたかも最初からそれが存在していたようになった。
もはやあぜ道の域を超えて、普通に道になった。
「それが今でもあるんだよね」
「もう・・・年も経ってるのに」
その道も、今通っている道と同じだ。
先人を切った人がいて、その後に続いた人も。
「道なきを道を行く・・・」
「そこに道は開かれん・・・ってやつだね」
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