カテゴリー「(048)小説No.1176~1200」の23件の記事

[No.1187-2]ネッチン

No.1187-2

「小でミスすると、他の人と入れ替わる」
「だから、小になったら必死だよ」

他の人が数名なら、戻れるチャンスはある。
けど、人数が多ければなかなか戻れない。

「なるほど・・・」
「そうなると、小の風当たりは強いよね」

皆、入れ替わりたいから、結果そうなる。
小を狙えと。

「王と大中が、小を集中的に狙うこともあるしな」
「それって、談合みたいw」

イメージとしてはまさにその通りだ。
自分の地位を守るため、申し合わせたかのように。

「でも、急に裏切って、王を狙う大が居たりw」
「何だか世の中の縮図みたいだね」

今思えばそうかもしれない。
子供の頃はそんなこと考えもしなかったけど。

「何だか面白そうね」
「だろ?」

最低4人居れば遊べる。
5人居れば、さらに盛り上がる。

「それにしても、誰が始めたんだろう・・・」
「いつの間にか、学校で流行ってたけど」

流行って、いつもそうだ。
気付けば、流行っている。

「SNSとか無縁の時代なのにね」

花の種のように風に運ばれて・・・なんてことはないかな?

(No.1187完)
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[No.1187-1]ネッチン

No.1187-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「なぁ、“ネッチン”を知ってる?」
「それって最近流行の?」

何かと勘違いしているが、それは聞くまい。
ただ、早々に訂正しておきたい。

「遊びの名前だよ」
「ドッジボール、みたいな」

ネットで検索すると辛うじて名前が出てくる。
遊び自体はそこそこ知られてはいるようだが・・・。

「遊び?そんな遊びあったっけ?」
「まぁ、地域差はあるとは思うけど」

遠い記憶ではこうだ。
地面に田んぼの“田”を書き、それぞれに位を付ける。

「くらい?」
「順序というか、強さね」

一番強いのが王、これに大中小と続く。
つまり、小が一番弱い。

「ルールは?」
「簡単に言えば、下剋上かな」

例えば小が中にボールを打ち込む。
それをどこかに打ち返せなければ、順位が入れ替わる。

「小が中に、中が小に?」
「そう!まさに下剋上だろ?」

つまり、全ての位にこのルールが適用される。

「じゃあ、小の人が打ち返せなかったら?」
「おっ!鋭い!」

ネッチンの魅力はここにあるのかもしれないからだ。

(No.1187-2へ続く)

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[No.1186-2]友達の関係

No.1186-2

「でもさぁ、急にどうしたのよ?」
「こんな話して」

特に意味はない。
ふと、そう思っただけだ。

「悩みごとでもあるのかと」
「逆に悩みごとがない人っているのかしらw」

本当にふとそう思っただけだ。
ただ、一瞬、何かが頭をよぎったのは確かだ。

「ならいいけど」

Cは私の親友だ。
一方、Bの親友でもある。

「私ってモテモテじゃない?」
「かもね」

誰しもがそうだとは言わない。
けど、そういう関係は多いだろう。

「あなただって、Aの親友でしょ?」
「ちょっと、妬けちゃうかも」

そう・・・少なからずそんな気持ちはある。
Bといる時はどんな話をしているのだろうと。

「まるで恋人同士の会話ねw」
「あははw」

人はこうして繋がり合っているのかもしれない。
知らないうちに。

(No.1186完)
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[No.1186-1]友達の関係

No.1186-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「私たちってさぁ・・・」
「直接的な友達じゃなかったよね?」

私にはAという親友が居る。
目の前の友達にはBという親友が居る。

「そう言えばそうよね」

AとBは親友同士だ。
私たちはABを通して友達になった。

「その説明、分かりやすっ!」
「さすが、理系!」

今はA以上に付き合いが多いかもしれない。
目の前の友人とは。

「目の前とか面倒だから」
「友人Cでいいよw」

友人関係とは不思議なものだ。
直接、友達になる場合もあれば、私たちのような場合もある。

「親しくなったきっかけは何だった?」
「えっ・・・と・・・」

そう言えば何だったんだろうか?
それがあるような、ないような・・・。

「何となく・・・じゃない?」
「かもねw」

お互い、ABから紹介されたわけでもない。
いつの間にか、ごく自然に。

(No.1186-2へ続く)

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[No.1185-2]街の灯り

No.1185-2

「ねぇ、二軒目だけど・・・」

せっかくだからもう少し今の気分を楽しみたい。
だから・・・。

「例の公園で飲む?」
「そう!それ!」

街中で飲むのはさすがに気が引ける。
お行儀が悪いし。

「まぁ、それもいいかもしれないね」
「でしょ!」

働き始めた時、立ち寄った公園だ。
夜空を見上げながら、将来を語り合ったものだ。

「私たちの原点ね」
「そこまでの存在?!」

じゃないとしても、今日はそこに行ってみたい。

「格別な夜空が見れそうね」
「だといいな」

街の灯りが消え始める辺りにその公園がある。
人通りが多い分、安心感も高い。

「そうこう話しているうちに公園よ」
「じゃ、あそこのコンビにで・・・」

缶ビールを二本買う。

「夜空はあの時のまんまね」

(No.1185完)
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[No.1185-1]街の灯り

No.1185-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「あれ・・・こんなんだっけ?」
「どうしたの?」

夜の街を歩くのは随分久しぶりのような気がする。
街の灯りがなんとも幻想的に見える。

「街の灯り?」
「なんだか新鮮と言うか・・・」

歩きなれた街だし、よく通る道だ。
新鮮な要素はどこにもないはずなのに。

「まぁ、確かに出歩かなくなったわね」
「以前に比べたら」

こうして友人と飲み歩くのも久しぶりだ。
もともと、インドア派ということもあって。

「ほら、あのビルだって」
「夜空に映えるというか・・・」

真っ暗な夜空と対照的に窓の灯りが印象的だ。
見慣れた風景のはずなのに。

「私・・・酔ってるのかな?」
「まだ、一軒目よw」

何だろう・・・この変な感覚は。
ただ、夜の街を歩いているだけなのに。

「まぁ、色々あったからね」
「私たちも世の中も」

この不思議な感情はその反動かもしれない。

(No.1185-2へ続く)

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[No.1184-2]ラベンダー畑にて

No.1184-2

「地元の花屋で、母の日を祝う・・・」
「なかなかいいだろ?」

母も喜んでくれているはずだ。

「今年はどんな報告を?」
「そうだな・・・」

春先にちょっとした病気を患った。
まぁ、持病と言えば持病だが・・・。

「今は元気だよと」
「うん!それがいいね」

電話で話すといつも体を心配してくれた。
だから、それがいいと思った。

「けどさ、人の心配より自分の心配をしろって」
「母親だもん、仕方ないよ」

とにかく今年も元気な姿を届けたい。
色鮮やかな花と共に。

「そう言えばラベンダーが好きだったんだよね?」
「そうだよ」

とは言え、それを知ったのも3年前だった。
それも、本人の口から聞いたものではなかった。

「遺影を選ぶときに、父親から聞かされて」

ラベンダー畑での一枚だった。

(No.1184完)
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[No.1184-1]ラベンダー畑にて

No.1184-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「今年はどうするの?」
「今年も持って行くよ」

もうすぐ母の日だ。
3年前までは毎年花を送っていた。

「そっか・・・それがいいよね」
「だろ?」

仕事の都合で遠くで暮らしていた。
だから、母の日に実家に行けなかった。

「まぁ、今でも4時間近くは掛かるけどねw」
「そんなに!?」

道中、目立たぬように実家の近くの店で花を買う。

「照れ屋さんね」

さすがに花を持ってウロウロするのは気が引ける。
それに、花が傷んでも困るし。

「確かに・・・一理あるわね」
「地産地消だよ」

やや意味が違うが、そんな気持ちもある。
少しでも地元に貢献したいと。

「随分と地元想いなのね?」
「不思議とそんな気持ちになるんだよな」

実家に居た時は1ミリも感じなかった感情だった。

(No.1184-2へ続く)

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[No.1183-2]気付いているから

No.1183-2

「ただ、5月に入ると」
「さすがに気付き始めるのよ」

今の状況を続ける事ができないと。
クラスの中も状況が変わり始めるからだ。

「仲良しグループができる?」
「その通り!」

それは小学校時代の友人も同じだ。

「お互い焦り始めて」
「そのうち・・・」

もちろん、嫌いになったわけじゃない。

「分かってるわよ」
「早くしないと孤立しちゃうからね」

だからだんだんと友人とは会わなくなる。

「で、朝も一緒に行かなくなるのよね」
「なんていうか、後戻りしちゃいけない・・・みたいな」

大袈裟だけど。

「後、数週間もすればそうなると思う」
「でも、決して悪いことじゃない」

多分、今はぎごちなくなっている時期だろう。
お互い、どう切り出そうか・・・と。

「・・・そういうことだったのね」
「あんたはどうなのよ?」

これまでの話は私の経験でもある。
むしろ、経験したから言えることでもある。

「私の・・・じゃなくて、私たちの経験よ」

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[No.1183-1]気付いているから

No.1183-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
自分の中では春の風物詩になっている。
5月の中頃には今の風景は見られなくなるだろう。

「何の話?」
「話せば長くなるわよ」

短く話せと言わんばかりの顔が目の前にある。

「4月になるとさ」
「集団で学校に通う中学生が増えるのよね」

小学生なら年中見られる風景だ。
でも、中学生の場合はこの時期に限られる。

「そうだっけ?」
「ちゃんと理由があるのよ」

簡単に言えば小学生からの友達と学校に通う。
でも、その友達はおそらく同じクラスではない。

「探偵みたいな推理ねw」
「入学後、しばらくは友達ができないからさ」

単に小学校からスライドするわけではない。
いくつかの小学校から人が集まる。

「私の場合は、少なくとも2校から来てた」

だから、小学校の友人と同じクラスにはなり難い。

「休み時間は、その友人と過ごしたりするのね」

もちろん、気にはなっている。
早く、クラスの中で友人を作らないといけないと。

「でも、他の子もそんな感じでさ」
「あははw分かる気がする」

そうこうしているうちに1ヶ月が過ぎていく。

(No.1183-2へ続く)

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