カテゴリー「(045)小説No.1101~1125」の34件の記事

[No.1118-2]それ以上言わないで!

No.1118-2

「珍しい・・・こともないか?」
「さぁ、どうだろうね」

メジャーではないことは分かっている。

「これには理由があって」
「理由?」

実家に帰った時、かぼちゃの味噌汁が出たことがあった。
子供の頃は、一度も出たことがなかったのに。

「最初はエー!みたいな感じだったけど」

食べてみると実に美味しかった。
かぼちゃの甘みがみそとあう。

「私は食べたことないな」
「僕だってそうだったさ」

それからと言うもの、自分で作ることさえあった。
ただ、カボチャは冷凍食品を使った。

「わかる!面倒だもんね」
「そう!硬いし」

その点、冷凍食品は便利だ。
下茹でしているから調理も早い。

「話を聞いてたら無性に食べたくなってきたよ」
「僕も・・・」

そんなこんなで夕食の献立が決まった。

「白いご飯と相性が良くてさぁ・・・」
「それ以上言わないで!」

(No.1118完)
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[No.1118-1]それ以上言わないで!

No.1118-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「この味噌汁、美味しいね!」
「だよな?」

僕もそう言おうと思っていたところだった。
普通の定食屋とは思えない味だ。

「店の人が聞いたら怒るわよw」
「わかってるよ」

ダシが効いている。
それに、魚介の旨みのようなものも感じる。

「家庭では出せない味かもな」
「そうだね」

でも、家庭は家庭なりの味がある。
そして、家庭ごとの味もある。

「ところでさぁ、味噌汁で好きな具は?」
「・・・そうね」

彼女が考え始めた。
確かに、候補は山のようにあるだろう。

「私は、豆腐とネギかな・・・あなたは?」
「僕は・・・」

好きな具は沢山ある。
その中でひとつに決めるのはなかなか難しい。

「かぼちゃ・・・そう!かぼちゃかな」
「かぼちゃって、あの?」

“あの”以外、何があるのか逆に聞きたいくらいだ。
けど、そう言いたい気持ちも理解できる。

(No.1118-2へ続く)

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[No.1117-2]しあわせの使者

No.1117-2

「それにしてもどこから来たのかしら?」
「どこか窓、開けてる?」

周りに聞こえるように少し大きな声で言った。
すると、遠くの方から声が聞こえた。

「あそこの窓、開けてるって」
「じゃあ、あそこから?」

だとしてもかなりの低確率で入ってきたことになる。
何度も言うけど、ここは都心の10階のビルの一室だ。

「奇跡ね、大袈裟だけど」
「ううん、全然、大袈裟じゃないよ!」

これも何かの縁だと思う。

「何か良いことがありそうな・・・」
「だよね!」

フワフワの綿毛のビジュアルは最高だ。
見ているだけでも癒される。

「使者・・・しあわせを運んで来た使者ね!」

同僚が唐突に言い放った。
でも、悪くない。

「君は何を運んできてくれたの?」

がらにもなく綿毛に話しかけた。
気のせいだろうか・・・少し微笑んでいるように見えた。

(No.1117完)
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[No.1117-1]しあわせの使者

No.1117-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「あっ・・・」
「えっ!なに?」

パソコンのキーボードの上にそれは降り立った。
突然のことに思わず声が出てしまった。

「これ・・・」

オフィスに似合わないものだ。
どこから飛んできたのだろうか?

「たんぽぽの綿毛?」
「うん」

都心のそれも10階のビルの一室だ。
そう簡単には飛んでこれない。

「なんで?」
「こっちが聞きたいわよ」

私たちの疑問をよそに、綿毛が揺れている。
いや、揺れているというより生きているようだ。

「ほんと、動いてるようね」

まるで意思を持っているかのようだった。
なぜか私にまとわり付いてくる。

「好かれた?」
「あははw」

でも、そんな風に見えなくもない。

(No.1117-2へ続く)

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[No.1116-2]男子って!

No.1116-2

「で、そのなかにうちの母親も居て」

数か月に一度、その当番が回ってきていたようだ。

「もしかして・・・」
「そう!さっきみたいに、バッタリ・・・」

母親が当番だと知らずに。

「正確には知ってたんだけど」
「忘れてた?」

そう・・・事前に聞かされていたけど覚えていない。
先のことなんて覚えておく気もなかったし。

「だよね、小学生だもん」
「そうそう!」

だから、ビックリ半分、照れ半分だった。

「さっきの他人行儀はそのせいね」
「そうだよ」

母親がすごく他人に思えた。
仕事じゃないけど、働く母の姿を見たからだ。

「何となく分かるよ」

他人に悟られないよう、横断歩道を渡った。
本当はすごく嬉しかったのに。

「男子ってほんとそんなとこあるよね」

(No.1116完)
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[No.1116-1]男子って!

No.1116-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「あれ?」
「えっ・・・あ、どうも」

まるで他人行儀な対応だった。
恋人同士だというのに。

「ぷっ!なにそれw」
「笑うなよ~」

街中で彼女と偶然出くわした。
それも横断歩道の真ん中で。

「何だかドラマみたいね」
「かもな」

聞けば用事が済んで帰る途中だった。
それは僕も同じだった。

「ちょっと歩こうか?天気もいいし」
「そうね」

全くのノープランも悪くない。

「そう言えば今、思い出したんだけど」

小学生の時、学校近くに横断歩道があった。
そこにいわゆる“緑のおばさん”が居た。

「まぁ、緑ではなかったけど」
「あれでしょ、誘導してくれる人」

それを近所の親たちが順番でやっていた。

(No.1116-2へ続く)

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[No.1115-2]最高の一枚

No.1115-2

「でも、確かに男は苦手かもな」
「特に記念日なんかは」

照れ隠しが硬い表情につながる。
決して冷めているからじゃない。

「けど、もうちょっとさぁ~」
「分かってるよ」

とは言うものの、どうしたら硬くならずに済むのか・・・。

「じゃあ、もう一枚いくわよ」
「う、うん・・・」

時代が時代なら、貴重な一枚になる。
けど、今は連射してもタダだ。

「ほら、笑って!」
「あ、は、は・・・」

薄笑いの何ともしまらない表情になった。
前よりも酷い。

「ぷっ!ひどい顔!」
「笑うなよ~」

でも、お陰様で何だか気持ちが楽になった気がする。

「じゃあ、もう一枚!」
「任せておいて!」

この後、最高の一枚が出来上がることになる。

(No.1115完)
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[No.1115-1]最高の一枚

No.1115-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
感心することがある。
今、この瞬間がそうだ。

「・・・」
「何だよ・・・」

言いたいことは分かっている。
今まで何度も経験しているからだ。

「記念日なのよ?」
「ちょっとは笑いなさいよ」

逆にどうしてそんな笑顔になれるのか聞きたい。
女性の持って生まれた才能なのだろうか。

「今、世の女性を敵に回したわよ」
「褒めてるんだって!」

記念日を特別な店で祝うことにした。
そうなると必然的に記念写真を撮ることになる。

「必然的?」
「何か言い方がドライなのよね」

そんなことはない。
僕は僕なりに喜んでいる。

「ほんと男性は・・・」
「今、世の男性を・・・」

途中で睨まれて、言い切れなかった。

(No.1115-2へ続く)

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[No.1114-2]生卵のアレ

No.1114-2

「じゃあ、聞くけど見よう見まねの相手は?」
「言っておくけど、元カノじゃないからな」

一応、先に言っておいた方がいいだろう。
アレコレ詮索される前に。

「お母さんでしょ?」
「えっ・・・よく分かったな」

だったら聞くなよ・・・と言いたいところだ。
時々、怪しげなパスを出してくるから女性は怖い。

「この部分をお箸でそっとつまんで・・・」
「まぁ、見た目はちょっと・・・だからね」

生卵だけに、へその緒を連想させるものだ。
ひも状の白い物体・・・。

「ん?で、この部分の名前は?」
「私が知るわけないじゃん!?」

今まで無意識だったからこそ、その部分の名前も知らない。
知る必要もなかったし・・・。

「それって、取った方がいいの?」
「さぁ・・・」

見よう見まねのせいにするわけじゃないが、考えたことがない。
当たり前にする行為だと思っていた。

「ググれば一発よ?」
「いや・・・やめておこう」

なぜだろう・・・答えを知りたくない。

「・・・そうね!じゃあ、あだ名を付けようか?」
「そ、そうだな!」

今日からそれは“ピロピロ”になった。

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[No.1114-1]生卵のアレ

No.1114-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
いわゆる“料理男子”ではない。
見よう見まねで覚えてしまった・・・という表現が似合う。

「それって逆にすごいじゃん!」
「そうか?」

確かに器用な方だとは思う。
自分で言うのもおこがましいが、物覚えは速い。

「そうよ!私なんて不器用だから・・・」
「だから毎回僕が?」

基本、お弁当作りは僕の担当だ。
特にこれから作る玉子焼きに関しては・・・。

「そうよ、玉子焼きって、お弁当の顔じゃん?」
「そうだとは思うけど・・・」

言いくるめられているのは分かっている。
まぁ、これも一種のスキンシップだ。

「前から思ってたんだけど・・・」
「なに?」

彼女が玉子焼きの作り方について質問してきた。
僕のある行為を不思議に思っていたらしい。

「確かに・・・取ってるね」
「意識したことがなかったけど」

生卵を割る。
そして、割った後に、あることを行う。

「なんで?」
「なんでと聞かれても・・・」

あえて言うなら見よう見まねで覚えてしまったからだ。
理由は僕にも分からない。

(No.1114-2へ続く)

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