カテゴリー「(043)小説No.1051~1075」の36件の記事

[No.1068-2]一列のスズメ

No.1068-2

「ただ・・・さぁ・・・」
「分かるよ、その気持ち」

お婆さんにして見れば何の悪気もない。
だからこそ賛否が分かれるとも言える。

「毎日、複雑な気持ちで通り過ぎている」

多分、パンくずをまいているのだろう。
するとそこはカオスと化す。

「笑えるカオスだけどね」
「光景が目に浮かぶよ」

お婆さんもスズメも何とも嬉しそうだ。
だからこそ、複雑な心境になってしまう。

「出来ればそこに参加したいくらい」
「あはは!」

そうこうしている内に、全てを食べつくして去って行く。

「そこは野生だね」
「そうだね」

食べるものを食べたら用済みだと言わんばかりに。

「ほら、有名な俳句があったじゃん」
「あぁ・・・夏草や・・・だね」

まさしく、兵(つわもの)どもが夢の跡だった。

「そして、また明日・・・」

同じ光景が繰り広げられる。

「そう言えば・・・」
「なに?」

同僚が何かに気付いたようだ。

「最近、会社に来るのが遅いと思ったら・・・」

だって最後まで見たいから・・・ね。
S1068
(No.1068完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ
ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

| | | コメント (0)

[No.1068-1]一列のスズメ

No.1068-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
今の時代、その行為には賛否が分かれる。
いや・・・どちらかと言えば“否”が多数を占める。

「ねぇ、どう思う?」

ほぼ毎日の光景を同僚に話した。

「・・・個人的には微笑ましく思うけどね」
「まぁ、私も同じ意見ね」

それはその周辺に住んでいないから言える言葉だ。
もし、そこに住んでいたら・・・。

「でもやっぱり・・・フンがね」
「だろうね」

通勤途中にとある高齢者施設がある。
そこに、あるお婆さんが鳥にエサをあげている。

「ほぼ毎日なんだろうね」
「スズメなんか一列になってさ」

今か今かとエサを待ち構えている。
スズメとお婆さんの距離は近い。

「餌付けされてる?」
「早い話がそうね」

ついでにハトや、時々カラスの姿も見掛けることもある。

「スズメだけならまだしも・・・」

ハトのフンに悩まされている人も多い。
その原因のひとつが“餌付け”だ。

(No.1068-2へ続く)

| | | コメント (0)

[No.1067-2]恋はタイミング?

No.1067-2

「だから、タイミングが重要なの」
「“まだいける”と思ってても・・・」

知らず知らずの内にことが進行している場合もあるという。
“こと”とは、破局を意味しているのだろう。

「けど、次に進まなきゃ!」
「うん、そのつもり」

悩みもするが、切り替えが早いのも友人の特長だ。

「そんなやつ、スパッと切り捨てちゃったら?」
「そうね・・・そうする」

でも、言葉とは裏腹に浮かない表情をしている。
そう簡単には切り捨てられないようだ。

「そんなやつのことは忘れて・・・他にも居るじゃないよ」
「居る?・・・まぁ、居ると言えば居るけど」

男なんて掃いて捨てるほど居る。
そう思えば、気持ちも楽になるだろう。

「そうよね!」
「そうそう!」

(けど・・・恋はタイミングか・・・)

あらためてその言葉の意味をかみ締めた。

「また、合コンをセッティングするからさぁ!」
「・・・合コン、なんで?」

意外な反応だ。
誰よりも、合コンが好きなはずなのに。

「いや、だから・・・フラれたんでしょ?」
「私、ゴーヤの話をしてるのよ」
S1067
(No.1067完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ
ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

| | | コメント (0)

[No.1067-1]恋はタイミング?

No.1067-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「どうしたの?元気ないわね」
「・・・そうかな?」

無理もない。
彼と別れてからそう時間もたっていない。

「やっぱり、タイミングって・・・」
「難しいよね」

何かを語りだそうとしている。
今、おかれている状況からすれば恋愛のことだろう。

「そうね・・・私もそう思う」

確かにタイミングは難しい。
恋愛は駆け引きとも言える。

「昨日までは緑色だったのに」
「一晩で黄色になっちゃって・・・」

なるほど・・・彼との関係を上手く色に例えている。
信号機と同じで黄色は“注意”と言うことだろうか。

「そうよね、そんな時もあるよ」
「そのまま放っておけば・・・裂けちゃうのよね」

その通りだと思う。
すれ違いはいずれ、二人の関係に“亀裂”を生む。

「身もボロボロになっちゃって、さぁ・・・」

今回は随分、激しい恋愛だったようだ。
友人にしては珍しい。

「・・・本気だったんだ」
「うん、真剣に育ててきたのに・・・」

それが一瞬の油断で、ダメになったらしい。

(No.1067-2へ続く)

| | | コメント (0)

[No.1066-2]最後の雨

No.1066-2

「でも、こんなにしゃべったことなかったよね?」
「そう言われると・・・そうですね」

同じ部署でも、グループが違っていた。
だから、仕事上で繋がりは薄かった。

「それこそ“最後の最後に”って感じですね」
「ほんと、そうだよな」

これを“神様が与えてくれた”なんて1ミリも思っていない。
でも・・・。

「もう少しだけ、ここに居たら?ってことかもね」
「神様が気を遣ってくれたのかしら」

こんな会話が出来るところが彼女の魅力だ。
もちろん、お互い承知の上での会話だ。

「そうかもな」
「神様に感謝しなきゃ・・・ね!」

深い意味はないのは分かっている。
でも、どんな形であれ、別れはつらいものだ。

「・・・雨足が弱まってきたな」
「さすが、レーダーね」

晴れ間も見え始めてきた。

「どうする?」
「・・・そろそろ、行きますね!」

傘を広げ、一歩、足を踏み出す。

「じゃあ・・・お元気で!」
「はい!雨の日は私のことを思い出してくださいね」
S1066
(No.1066完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ
ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

| | | コメント (0)

[No.1066-1]最後の雨

No.1066-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
これを“粋な演出”と言って良いのか分からない。
けど、出会いと別れとは不思議なものだ。

「しばらく止みそうにないな」
「そうですね」

帰り間際に降り出した雨は激しさを増すばかりだった。
まさしく夏の夕立といった様相だ。

「ごめん!雨男なんだよ」
「それなら、私の方よ」

聞けば、彼女は雨女らしい。
雨男、雨女が揃った結果かもしれない、この雨は。

「完全に足止めをくらったな」
「これじゃ、傘があっても帰れないですね」

もちろん、無理をすれば帰れなくもない。
でも、この雨は“無理”をはるかに超えたレベルだ。

「だろうな、身の危険を感じるよ」
「確かに・・・」

とにかく、後、30分もすれば雨は止む。
そう雨雲レーダーが教えてくれていた。

「・・・いい思い出になった?」
「かもしれないですね」

彼女は今日、この職場を去る派遣さんだ。

「最後の最後でこうなるとは・・・」
「あなたのせい?」

二人で大笑いした後、しばらく雨音だけを聞いていた。

(No.1066-2へ続く)

| | | コメント (0)

[No.1065-2]蘇るインスタン島

No.1065-2

太平洋に浮かぶ未開の島“インスタン島”・・・。
この島にはある伝説が残されていた。

伝説を確かめるべく訪れた探検家が行方不明になった。
彼を探しに送られた捜索隊も
「彼は生きている・・・でも絶対・・・ここに来てはいけない」
この無線を最後に消息不明になってしまう。
その後、何度も捜索隊を送るも誰一人戻ってこなかった。

それから十数年後・・・。
行方不明になった父を探しに、自らも探検家となった息子
がその島に上陸した瞬間にある重大な事実に気付いた。
「この島は生きている・・・」

島で何が起こっているのか、父は今でも生きているのか、
そしてある伝説とは・・・。

「・・・どう?」
「う~ん」

イマイチ反応が良くない。
色々と、気になる要素を散りばめたのに。

「子供にしては難しすぎるし・・・」

大人にしてはある意味、幼稚すぎると言う。

「なんでよ?」
「狙い過ぎよ!映画の見過ぎじゃない?」

確かにどこかで聞いたフレ-ズばかりだ

「・・・邪念が入っちゃうのよね」

やはり、子供の発想にはかなわない。

「ちなみに、その伝説ってなに?」
「島に邪念が渦巻く・・・ん?」

そんなつもりはなかったんだけど。
S1065
(No.1065完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ
ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

| | | コメント (0)

[No.1065-1]蘇るインスタン島

No.1065-1  [No.535-1]インスタン島

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
あれから約7年が経過している。
随分と待たせてしまった。

「えっ!?できたの?」
「ちがうちがう!構想というかあらすじと言うか・・・」

小学生の時、授業で書いた小説。
それを再現することになった。

「な~んだ、7年も待たせておいて」
「仕方ないでしょ!?」

曲がりなりにも腕は上がった。
でも、発想力は逆に下がったように思える。

「当時は怖いものなし!だったのに」
「今は構成とか伏線とか・・・」

見栄えばかりが気になり、考えがまとまらない。
それでもようやく重い腰を上げることができた。

「それで、どんな感じに?」
「あれから、もう一度、思い出したりしてさ」

同級生にも聞いてみた。
一度は話題になった小説だ・・・多少期待もあった。

「・・・覚えてなかった?」
「察しがいいね・・・」

内容どころか、そんな授業があったことすら覚えていない。
まぁ、当然と言えば当然のことだろう。

「仕方ないよ」

とにかく、当時のテイストであらすじを考えてみた。

「じゃあ、聞かせて」
「わかった」

(No.1065-2へ続く)

| | | コメント (0)

[No.1064-2]羽ばたけ大空へ

No.1064-2

いつもなら息も絶え絶えのセミと出会う。
その弱々しさと言ったら・・・。

「昨日、会社に行ったら入り口のところに居たの」

自転車用の入り口にそいつが居た。
轢いてくれんと言わんばかりに、道のど真ん中に。

「まさか・・・」
「いやいや!それなら嬉しそうなわけないじゃん!」

ゆっくり走っていたこともあり、避けることができた。

「それでそのまま通り過ぎて・・・」
「自転車をいつもの場所にとめたの」

そしてそのまま職場に向かおうとした・・・でも・・・。

「なるほどね・・・戻ったんだ?」
「うん、あのままじゃ・・・ね」

自転車の餌食になるのは時間の問題だろう。

「大急ぎで入り口に向かったの」
「そしたら、やっぱりまだ居たのよね」

用心深い彼らにはあり得ない光景だと言える。
だからこそ・・・心配になったのだけど。

「で、つかもうとしたら・・・」

予想に反して、大空高く飛んで行ってしまった。

「・・・だからそれが嬉しくて」

それが最後の力だったのかもしれないけど。
S1064
(No.1064完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ
ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

| | | コメント (0)

[No.1064-1]羽ばたけ大空へ

No.1064-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
今年は意外なところでそいつと出会った。
危うく、そいつを轢いてしまうところだった。

「・・・どうしたの?」
「何だか嬉しそうじゃん!」

いつもなら物悲しくなるのに今日は違う。

「今年は早々に・・・」
「もしかして・・・アレ?」

毎年恒例の出来事だ。
いい加減、友人も覚えてしまったようだ。

「そう、アレ!」

毎年、夏にある出会いがある。
出会いというほど大袈裟なものではないが。

「まだ夏が始まったばかりよね?」

それはセミとの出会いだ。
それも、消えゆく命の出会いでもあった。

「そうね、でも先週から鳴き始めたから・・・」

セミの一生は短い。
いや・・・正確には地上に出てきてからが短い。

「そっか、そいつらなら・・・」
「だろうね」

ただ、今年はあることが違った。

「あること?」
「そう言えば・・・嬉しそうだったもんね」

(No.1064-2へ続く)

| | | コメント (0)

その他のカテゴリー

(000)お知らせ (001)小説No.001~050 (004)小説No.76~100 (005)小説No.101~125 (006)小説No.126~150 (007)小説No.151~175 (008)小説No.176~200 (009)小説No.201~225 (010)小説No.226~250 (011)小説No.251~275 (012)小説No.276~300 (013)小説No.301~325 (014)小説No.326~350 (015)小説No.351~375 (016)小説No.376~400 (017)小説No.401~425 (018)小説No.426~450 (019)小説No.451~475 (020)小説No.476~500 (021)小説No.501~525 (022)小説No.526~550 (023)小説No.551~575 (024)小説No.576~600 (025)小説No.601~625 (026)小説No.626~650 (027)小説No.651~675 (028)小説No.676~700 (029)小説No.701~725 (030)小説No.726~750 (031)小説No.751~775 (032)小説No.776~800 (033)小説No.801~825 (034)小説No.826~850 (035)小説No.851~875 (036)小説No.876~900 (037)小説No.901~925 (038)小説No.926~950 (039)小説No.951~975 (040)小説No.976~1000 (041)小説No.1001~1025 (042)小説No.1026~1050 (043)小説No.1051~1075 (100)通信No.001~100 (101)通信No.101~200 (108)通信No.201~225 (109)通信No.226~250 (110)通信No.251~275 (111)通信No.276~300 (112)通信No.301~325 (113)通信No.326~350 (114)通信No.351~375 (115)通信No.376~400 (116)通信No.401~425 (117)通信No.426~450 (118)通信No.451~475 (200)VホNo.001~025 (S01)せいじゅうろう