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[No.1365-1]力強い手~第二部

No.1365-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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「気が抜けた?」
「ある意味、これで良かったんだと」

母が亡くなってから父はすっかり元気を失くした。
それでも何とか実家で暮らしていた。

「でも、辛かったんだろうね」
「趣味も目が行かなくなって」

日に日に生きる気力を失っていた。
それは止めようがなかった。

「うちの場合もそうだったな」
「世間的にもそうなんだろうな」

父の興味を引くような話題も無駄に終わった。
結局、色々、重なり父は施設を選んだ。

「寂しかったというよりも」
「気力が湧かなかったからだと思う」

何もかも面倒で。
それこそ、食事の支度までも。

「特に男性はそうだろうね」
「そうそう、慣れてないもんね」

施設に入っても、ずっと母のことを考えていた。
時より、面会に行った時も上の空だった。

「母への想いが強ければ強いほど」
「それが逆に自分を苦しめる結果になって」

だから、ようやくそれから解放された。
まぁ、それは私の勝手な判断だけども。

(No.1365-2へ続く)

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