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2025年9月

[No.1346-1]懐かしい味

No.1346-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「・・・ん?」
「どうしたの?」

どこかで味わったことがある。
このアイスコーヒー・・・。

「コーヒーだからでしょ?」
「ううん、違うの」

どこか懐かしい味がする。
昔、味わったことがある。

「それならお菓子とか?」
「コーヒー味の」

普通はそうなる。
でも、そうではない。

「何だろう・・・」
「味の記憶は確かにあるんだけど」

思う出せないのがもどかしい。
間違いなく昔、味わったことがある。

「このコーヒーって」
「苦みがなくて酸味が強いよね?」

友人が冷静に分析する。
その分析には私も同感だ。

「うん、私の好きな味」
「コーヒーのようでコーヒーじゃないような・・・」

少しチョコに似たような味だ。
やや薄めの・・・。

(No.1346-2へ続く)

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ホタル通信 No.613

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.771 エチケットブラシ
実話度:★★☆☆☆(40%)
語り手:女性

当時はそれをエチケットブラシと呼ぶことを知りませんでした。とは言え、別の名前で呼んでいた記憶もありません。

男子の制服は素材のせいでしょうか、ほこりというか繊維のようなものが付着しやすかったように思えます。その上、手で払ってもそれが落ちるわけでもないので、やっかいだったと思います。たかがほこりですが、思春期の男子にとっては、おしゃれを邪魔する存在だったと思います。

そんな男子たちを冷ややかな目で見ていた・・・というのが本作品です。
中学生になると、精神年齢が男子と女子で明確に差ができ始めてきますよね?というか、男子は前進どころか後退しているかもしれませんwほこりなんて何も気にしていないのに、暇さえあればエチケットブラシでゴシゴシとw手にはめて使う携帯用のブラシもあれば、柄が付いた本格的なものを使っている男子も居ましたね。

そんな思春期が始まった頃、小学生との時とは違い、明確に誰かを好きになりました、小説のように。
Jt613
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[No.1345-2]俺には分かる

No.1345-2

「そうなるわよ」

ただ、ここからの展開が意外だった。
“それベースだろ?”とおじさんが言い放ったからだ。

「確かに楽器を抱えてたんだよね」
「その高校生」

でも、それがベースかどうかは分からない。
楽器入れに入っていたからだ。

「ギターの可能性だってあるじゃん」
「それをベースだって・・・」

その疑問はすぐに解消された。
おじさんの一言によって。

「“俺もやってるから分かる”って」
「・・・なるほど」

そう、おじさんもバンド風の人だった。
あらためて見てみると。

「これで色々辻褄があって」
「全身タトゥーも納得したんだよ」

実際、それはベースだった。
女子高生が“そうだ”とうなづいたからだ。

「悪い人じゃなかったんだ」
「そうよw」

見た目で人を判断した自分を恥じた。

「で、最後におじさんが・・・」

その女子高生に向かって言った。
“頑張れよ”と。
J1345
(No.1345完)
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[No.1345-1]俺には分かる

No.1345-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
一瞬、車内に緊張が走る。
でも、その緊張が解けるのも意外に早かった。

「聞いて欲しい話があるんだよ」
「あら、珍しいわね」

確かにそうだ。
私から話を振るのは珍しい。

「それで?」
「昨日、電車に乗ってたら・・・」

どこからともなく、おじさんの声が聞こえてきた。
ただ、その内容が・・・。

「えっ?」
「ねえちゃん、ねえちゃん・・・って」

スマホをいじる手を止めてその声の主を探した。
その主は、私から少し離れた所に座っていた。

「失礼だけど・・・まぁ、見た目が・・・」
「どんな人?」

見える範囲に全身タトゥーのおじさん。
見るからに怪しい人だった。

「人は見た目じゃないけれど」
「そんな風に声を掛けられたら・・・ね」

けど、私に声を掛けたわけじゃない。
おじさんの前に座っていた女子高生にだ。

「余計に心配じゃん!」
「そうなのよ!」

いわゆる“因縁”を付けられたんじゃないかと。
その時、車内は緊張の空気で満たされていた。

(No.1345-2へ続く)

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[No.1344-2]クスッと笑う

No.1344-2

「それで?どうしたの?」
「そりゃね・・・」

声を掛けた、猫に。
“そんなとこに居て大丈夫?”と。

「あなたらしいw」
「心配になるじゃん、やっぱり」

でも、猫はそこを動かなかった。
私の言葉など無視するかのように。

「それが猫ってもんよ!」
「知ってるわよ」

寝転ぶ場所ならいくらでもある。
ちょっとした公園のような場所だからだ。

「木陰もあるし」
「ベンチみたいな場所もある」

わざわざ、そんな危ない場所を選ぶ。
まぁ、彼らにはそんな認識はないのだけれど。

「そこが心地よいんじゃない?」
「私たちには分からないけど」

彼らは居場所見つける天才だ。
だからこそ、そこに意味があるのだろう。

「思わず、笑っちゃったよw」
「堂々と寝転んでるんだから」

もちろん、力づくで追い払うこともできた。
脅かせば、なおさらだろう。

「でも、出来ないんだよな・・・彼らを見てるとw」
J1344
(No.1344完)
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[No.1344-1]クスッと笑う

No.1344-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「えっ?そんなとこに居て大丈夫?」

そいつは何も答えずその場所に寝転んだままだった。

「また、猫の話?」
「好きだねー」

・・・と、いう同僚も無類の猫好きだ。
むしろ私の話を心待ちにしている。

「昨日、帰り道」
「いつもの遊歩道を通っていたら」

たまに見掛ける猫が、道の端で寝転んでいた。
端とは言え、道の4分の1ほどを占める位置だ。

「危なっ!」
「そうなのよ!」

黒と茶色のまだら模様の猫だ。
それが道に妙にマッチしている。

「だから余計に危なくて」
「知らずに踏んでしまいそうになる」

実際、歩きスマホで踏んでしまいそうになった。
あと数歩のところまで。

「それ、あなたが悪いわ」
「分かってるわよ・・・」

歩きスマホを反省するきっかけになった。
昨日以来、歩きスマホをしていない。

「へぇーいつまで続くことやらw」

確かに、続けられる自信はない。

(No.1344-2へ続く)

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ホタル通信 No.612

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.703 3-1=3
実話度:★★★☆☆(60%)
語り手:女性

小説を見た時、実は違う内容を想像していましたが、読み返して「あぁ~こんな小説だったな」と記憶がよみがえってきました。

小説上の設定は学生なので、通学路での話ですが、実際、私は大人なので通勤路・・・ということになります。通勤路はちょっとした「猫の天国」のような場所で、地域猫的な扱いでかなりの数の猫が生息しています。そんな中で、子猫もよく見掛けるのですが、その子猫たちが実際どれだけ大人になっているのか・・・そんな心配が現実になったような話です。

結論を言えば、結局子猫は見つからず、代わりに違う子猫がみつかりました。喜んでいいのか、悲しんでいいのか、複雑な気持ちになったことを今でも覚えています。近くに交通量の多い道路が通っていることもあり、心配は日に日に大きくなるばかりでした。でも、小説に書いたように、野生の力ってそんな弱弱しいものではありませんよね?人間の都合で理不尽に死んでしまうことはあっても、それでもどこかで生きている・・・そう信じて探すのを諦めました。

今でも地域猫は居ます。数こそ減ったように見えますが、今日も彼らは人間にはお構いなしで、自分の世界を楽しんでいるようです。
Jt612
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[No.1343-2]笑い袋

No.1343-2

「お土産?」
「笑い袋が名物の場所に行ってたの?」

そんな場所があるはずもない。
なぜ、お土産なのか・・・真相は分かっていない。

「聞くわけにもいかないだろう?」
「子供だし、買ってきてくれたわけだし」

子供のために何かを買ってくるような父ではなかった。
でも、ケチというわけではない。

「昔はそんなだろ?」
「父親なんて」

当時、どんな感情で笑い袋のボタンを押していたのか。
覚えているようで覚えていない。

「嬉しかった?」
「どうだろうなw」

どうせなら違うおもちゃが良かったかもしれない。
笑い声が聞こえる・・・ただそれだけのおもちゃだ。

「案の定、数日で飽きたw」
「そうなるわねw」

その後、笑い袋がどうなったかは覚えていない。
おそらく、捨ててしまったとは思う。

「でも、笑い声は覚えてるんだよな」
「独特の」

自然な笑いと言うより、作り笑いに近い。
笑いではなく、笑いという歌を歌っている感じだ。

「再現できるよw」
J1343
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[No.1343-1]笑い袋

No.1343-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
あることを思い出した。
何の脈略もなく。

「笑い袋って知ってる?」
「なにそれ?」

簡単に言えばおもちゃの一種だ。
ボタンを押すと笑い声が聞こえてくる。

「えっ・・・ホラー?」
「違うよw」

ただ、そう思える部分もある。
実際、子供の頃は愉快さよりも不気味さが勝っていた。

「こんな感じだよ」
「・・・ほんと袋だ」

ググって見せる。
なぜ、袋に入れたのか・・・今でも謎だ。

「そりゃ、中身を見たら引くからでしょ?」
「あははwかもな」

実は中身を見たことがある。
出来れば見ないことをお勧めしたい。

「でも、どうして急に?」
「子供の頃・・・」

父が買ってきた。
別にねだったわけでもないのに。

「それにさぁ・・・」

誕生日でもクリスマスでもない。
出張帰りのお土産として。

(No.1343-2へ続く)

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[No.1342-2]生命力

No.1342-2

「それで、枯れた野菜たちは?」
「わずかな期待を込めて・・・」

枯れた葉っぱや枯れ始めた枝を剪定した。
これが正解かどうか分からないが。

「そうしたら・・・」
「ほぼ、枝だけになったけどなw」

魚で言えば、背骨だけ残った感じだ。
猫に食われた魚のような、無残さも感じられた。

「で、半分どころか」
「ほぼ諦めていたんだけど」

小まめな水やりと追加の肥料で、少し元気を取り戻した。
全ての野菜まではいかないが。

「特になすが元気になって」
「葉が付き、花も咲き始めた」

トマトも根元から新しい芽が伸び始めている。
きゅうりもゴーヤも踏ん張っている。

「へぇーすごいね!」
「あなどれないわね、植物って!」

そう・・・その生命力に脱帽したばかりだった。
生きようとする姿は、感動的でもある。

「あいかわらず大袈裟ね」
「でも分かる、その気持ち」

何も言わない・・・苦しいとか、辛いとか。
じっと、ただ耐えている。

「・・・自分に重ねてる?」
「そこまで我慢強くないよ、俺」

重ねているのではない。
見習いたいとは思っている。

「でも、水分補給は忘れずにね!」
J1342
(No.1342完)
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