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2025年8月

[No.1342-1]生命力

No.1342-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「想像以上に状態が悪いな・・・」

見た感じ9割ほど枯れている。
トマトもなすも、きゅうりもゴーヤも。

「今年は長期の連休にあわせて」
「自動水やり機をセットしたんだ」

帰省を前に、野菜たちの水やり対策を施した。
さすがに放置では乗り越えられそうにないからだ。

「そんなのあるんだ?」
「三千円くらいだったけどそこそこいけたよ」

さすがに一発勝負とはいかない。
事前に何度かテストをして動作を確認した。

「ただ、肝心のバケツが小さくて」

これが命取りになった。
帰省から戻るとバケツの水はすっかりカラになっていた。

「あらら・・・」
「一日の回数と、水やり時間をセーブしたんだけど」

それでも数日も持たなかったようだ。

「全滅?」
「うん、ほぼ全滅」

あれほど瑞々しかった葉も茶色に変色している。
風に揺れるたびに“カサカサ”とこすれる音が聞こえる。

「それは酷いね・・・」
「まさか、ここまでとはね・・・」

天候も確認していた。
何度か雨の予想があった・・・だから安心していた。

「だから、小さなバケツでもいいかな・・・と」

その期待は裏切られた。
雨どころか、過去最高の気温を叩き出していた。

(No.1342-2へ続く)

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ホタル通信 No.611

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.743 後どれくらい?
実話度:★☆☆☆☆(20%)
語り手:男性

たまに作る以前の小説の“その後”的な小説です。まずは「No.726-1 息を潜めて」を先に読んでいただかないと、ラストの意味が解りませんw

No.726の小説をごく簡単に解説すれば、野良猫の隠れ家的な草木を切ってしまった(もちろん業者さんが合法で)話です。これを受けて、今回の小説が続くわけです。この手の小説は実話度が高いものが多いのですが、この小説に関してはほぼ創作です。なぜ、わざわざ“その後”を作ったのか覚えてはいませんが、多分、ショートカットから着想を得たのだと思っていますが、原点は何だったのか・・・。

話の流れはよくあるパターンで、髪の毛のことと思わせながら全く違うというものです。冬のホタルではお馴染みの手法ですが、比較的、筆がスラスラ進みます。No.726で草木が切られて、それを気にしていた彼女・・・じゃあ、どうしてそこまで気にしていたか、がこの小説の裏テーマです。その答えは、No.726に書いています。裏テーマとは言いましたが、思いっきり表に見えていますw
多くの小説は、一期一会が多いのですが、時々、“続く”エピソードに出会うことがあります。最近も現在進行形と言いましょうか、そんなエピソードに出会いました。

決して実話度は高くないですが、思い入れがある小説のひとつです。登場人物のモデルになった人の影響でしょうね。
Jt611


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[No.1341-2]消えた蛾

No.1341-2

「わぁー!」

思わず声に出てしまった。

「ちょっとやめてよ!」
「逃げられた!」

ソファーの隙間に入ったように見えた。
でも、待っても出てくるような気配がない。

「少しパタパタしてみたら」
「そ、そうだな」

殺さない程度にやさしくソファーを叩く。
でも、出てはこない。

「違うところに逃げたのかも」
「うそでしょ!?」

もちろん、このまま見逃すという選択肢もある。
けど、後々、出てきたらそれこそパニックになる。

「想像しただけで怖い・・・」
「だよな」

たかが、蛾が一匹。
されど、一匹だ。

「どうする?」
「どうすると言われても・・・」

もう少し探して、居なければ放置しよう。
それにしてもどこに行ったのやら・・・。

「出てきたら出てきたで」
「対処すればいいさ」

出来れば外に逃がしてあげたい。

「だから、出ておいで!」
J1341
(No.1341完)
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[No.1341-1]消えた蛾

No.1341-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「キャー!」
「なになに!?」

突然、彼女が悲鳴を上げた。
テレビやスマホを見ているわけではないのに。

「どうした!?」
「目の前を何かが通り過ぎたの・・・」

その言葉を聞き終えた時、そいつが現れた。
幸いなことに“G”ではなかった。

「蛾か?」
「蛾?」

蛾がソファーにとまっていた。
指先程度でそれほど大きくはなかった。

「窓、開いてるの?」
「いいや、開いてないよ」

今日、窓は一度も開けてはいない。
そうなると、昨日以前に侵入していたことになる。

「気持ち悪い・・・」
「確かにな」

蛾には悪いがイメージは良くない。
色は茶色く、不気味だ。

「早く追い出してよ!」
「わ、わかったから・・・」

手で囲えば簡単だ。
ただ、つぶさないようにしなければ。

「じゃ、さっさと片づけますか!」

その瞬間、蛾が飛び始めた。
僕の言葉を聞いていたかのようなタイミングで。

(No.1341-2へ続く)

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[No.1340-2]分かる人には分かる

No.1340-2

「そう言えば」
「こんなことも言ってたな」

“誰が選んだんだよ、これを”と。

「ちなみにその話・・・」
「答えは聞いたの?」

これまた良い質問だ。
実は、そのキャラが何だか答えは知らない。

「えっ!?」
「それで良く質問したわね」

そう言われるのも納得できる。
でも、答えは予想できる。

「自信あるの?」
「もちろんだよ」

女性の会話はその程度しか聞いていない。
足早に横を通り過ぎただけだからだ。

「その程度でなんで分かるのよ?」
「ちゃんと理由はあるよw」

理由の“理由”も簡単だ。
まさしく僕も同じだったからだ。

「同じ?その女性達と?」
「そうだよ」

今となってはそのキャラ以外有り得ないと思うほどだ。
J1340
(No.1340完)
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[No.1340-1]分かる人には分かる

No.1340-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「分かる人には分かるんだよな」
「なによ、もったいぶって」

昨日、外出した時にある会話を耳にした。
60代くらいの女性同士の会話だ。

「どんな話?」
「最初はキモいと思ってたんだってさ」

それが、段々と愛着がわいてきた・・・そんな話だ。

「キモい・・・愛着・・・」
「物なの?生き物なの?」

なかなか良い質問だ。
ただ、答えには困る。

「そうだな・・・」
「物と言えば物だし、生き物と言えば生き物」

どっちとも言えるし、どっちとも言えない。
強いて言えば架空の生き物だ。

「架空の生き物?」
「ドラゴンとか?」

ファンタジー好きの彼女らしい答えだ。
けど、それ以上に架空だ。

「じゃ、大ヒント!」
「あるキャラクターだよ」

特に今の時期、有名なキャラだ。

(No.1340-2へ続く)

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ホタル通信 No.610

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.747 ショートヘア
実話度:★★☆☆☆(40%)
語り手:男性

記憶があやふやですが、会社での出来事ではなく、通勤途中にすれ違う女性の話です。

ですから、ヘアスタイルが変わったのは事実ですが、その話が展開されている会社での会話は創作になります。
なぜ、舞台を会社にしたのか覚えてはいませんが、多分、小説にしやすかったからだと思います。ヘアスタイルの話題は会社向きですよね、特に女子社員との会話の中では。

ヘアスタイルが変わったことに触れていいのか、悪いのか・・・。
男性陣にとっては永遠の課題かもしれませんね。触れなければ触れないで鈍感と言われそうだし、触れたら触れたで場合によっては睨まれそうだし・・・。
ただ、今回はそこまで深刻な話ではなく、ショートの魅力を彼女の魅力にしてみたり、もともとショートの人は気付いてもらえなかったりと、コミカルな話に仕立てています。そう考えると、舞台を会社にして良かったと思います。それほど苦労せず、スラスラ書けた痕跡があります。

そう言えば通勤途中にすれ違う女性は、社会人ではなく、高校生です。「何か心境の変化があったんだろうか?」と心配しつつも、小説のネタをゲットした朝でした。
Jt610
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[No.1339-2]心変わり

No.1339-2

「慣れてきたのかな」
「あなたにw」

ディすられているような気がしないでもない。
でも、ある意味、そうなのかもしれない。

「まぁ、そこそこ顔を合わせてるから」
「慣れた可能性も考えられるわね」

顔なじみとまでは言えないが、知らない仲ではない。
警戒心が薄れていった結果なんだろうか・・・。

「もう少しで触れられるかもしれない」
「逃げ足も遅くなったし」

以前ならダッシュで逃げられた。
振り返ることもなく。

「今日なんて、捕まえられそうなくらいだったよ」
「すごい変わりようねw」

逃げた後もチラチラ振り返っていた。
もしかしたら、人間と仲良くなりたいのかもしれない。

「頑張ってw」
「頑張るw」

後、数回、顔を合わせたら仲良くなれるかもしれない。
ふてぶてしいけど、憎めないやつだ。

「それ、あなたのこと?」

指摘されるまでもなく、似た者同士だとは理解している。
J1339
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[No.1339-1]心変わり

No.1339-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「ん?」

久しぶりにその猫を見た。

「ボス猫?」
「そう言えばそんな猫が居たわね」

住んでいる集合住宅に一匹の猫が棲みついている。
とは言え、そうそう出会うことはない。

「今日、久しぶりに見かけたんだけど」
「また、逃げられたの?」

そう・・・いつも目が合うと一目散に逃げられた。
その距離、3メートル以上あっても。

「逃げられたのは逃げられたんだけど」
「距離が縮まったんだ、かなり」

その距離は1メートルもなかったと思う。
警戒はされたがかなり近付けた。

「珍しいわね」
「そうなんだよね・・・」

たまたまではない。
実はこの前も、そうだった。

「急にどうしたんだろうね?」
「心変わり?」

もちろん、理由など知る由もない。
ただ、何かが変わったのは間違いない。

(No.1339-2へ続く)

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[No.1338-2]つっぺ

No.1338-2

「えー!つまんない!」

むしろ“あなたの話がつまらない”と言いたい。

「で、この話のオチは?」
「オチ?」

いけない・・・。
つい、関西人のクセが出てしまった。

「まぁ、その・・・結論みたいなものね」
「結論ね・・・」

真剣に考えだした。
道産子には少し荷が重かったかもしれない。

「別に・・・ないね」
「見たまんまを話しただけ」

急にテンションが下がったみたいだ。
ちょっと悪いことしたな・・・。

「まぁ、この話はここまでにして」
「飲もう、飲もう!」

ただ、気になることがある。
話の中で、謎の言葉が出てきたからだ。

「さっきさぁ・・・」
「聞き間違いかもしれないけど」

たしか“つべ”みたいな言葉を聞いた。
彼女の呂律が回っていないだけかもしれないが。

「“つべ”じゃなくて“つっぺ”だよ」
「・・・つっぺ?」

できればその意味をもう少し早く知りたかったw
J1388
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[No.1338-1]つっぺ

No.1338-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「ねぇ、聞いてくれるぅ~」

久しぶりに同僚と飲みに出かけた。
何やら面白いことがあったようだ。

「はいはい、聞きますよ」
「今日さ・・・」

どうやら朝の出来事らしい。
ただ、酔っているせいか、いまひとつ伝わってこない。

「だから、女の子が・・・」
「鼻にティッシュをね!」

ようやく話が見えてきた。

「夏休みだもんね」
「小学生たちは」

朝、出掛けるときに小学生の女の子に会った。
その女の子がティッシュを鼻に詰めていた。

「・・・と、いうことね?」
「そうそう!」

いつもこうなる。
気付けば、私が話を整理してまとめる。

「ねっ!」
「面白いでしょ!」

本人はその場に居合わせたからそう感じるのだろう。
でも、私にはそれほど響いて来ない。

「まぁ・・・」
「可愛い女の子がだよ?!」

そう言われても見てないから仕方がない。

(No.1338-2へ続く)

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ホタル通信 No.609

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.726 息を潜めて
実話度:★★★☆☆(60%)
語り手:男性

読み返してようやく思い出した小説のひとつです。いつも通る小道に張り紙がしてありました。

小説を読んでいただけると分かると思いますが、影の主役は猫なんですよね。と、言いますか、猫の存在がなければ小説は書いていません。
もともと、生い茂った草木が野良猫の格好の隠れ家になっていたのは知っていました。だからこその張り紙であって、この小説が成立するわけです。

通行に支障が出るほど生い茂った草木は邪魔ではありましたが除去されたらされたで彼らの居場所が無くなるわけです。そのことをどれだけの人が知っていたのでしょうか。そして、これと似た境遇にあった彼女・・・。影の主役は猫だと書きましたが、影の影の主役は彼女です。そもそも、彼女の存在があってこその猫であり、張り紙であったりです。そしてこの小説が生まれました。

当時の私は彼女にとっての草木になりたかったのですが、残念ながらそれは叶いませんでした。
Jt609
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