[No.1324-2]甘かったこと
No.1324-2
「でも、当時は何も疑わなかったな・・・」
素直と言えば聞こえがいい。
でも、深く考えなかったのが本音だ。
「自分の死期は悟っていたみたいだし」
「その時から覚悟は決まってたと思う」
今となっては手術自体、したかどうか分からない。
付き添ってはいないからだ。
「その可能性もあるよね」
「仮にしたとしても・・・」
インオペだったかもしれない。
テレビドラマの見過ぎかもしれないけれど。
「そう考えると」
「色々と辻褄があってくるんだよな」
退院が早かったこと。
そして、がんの進行も早かったこと。
「退院して半年後には」
「・・・余命宣告だったし」
その時、父は驚くほど平然としていた。
父は・・・もう知っていたんだと思う。
「そっか・・・」
「今さらだけど・・・」
甘い自分が情けなくなる。
もう少し、向き合っていたら・・・。
「だとしても結果は変わらないよ」
「お母さんはそれを知ってたからこそ・・・だよ」
(No.1324完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
| 固定リンク | 0
「(052)小説No.1301~1325」カテゴリの記事
- [No.1325-2]駄菓子(2025.05.10)
- [No.1325-1]駄菓子(2025.05.09)
- [No.1324-2]甘かったこと(2025.05.08)
- [No.1324-1]甘かったこと(2025.05.07)
- [No.1323-2]桜咲く(2025.03.30)



コメント