« 2025年3月 | トップページ | 2025年6月 »

2025年5月

ホタル通信 No.605

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.678 言葉のちから
実話度:★☆☆☆☆(20%)
語り手:男性

実在の歌詞をテーマにしていること以外は創作であるため、実話度は多く見積もって20%にしています。

さて、まずはこの歌詞に触れないといけないところですが、あえて隠すのも乙なものがあるかとwただ、今の世の中、ググればすぐに分かってしまうでしょう。今の若い世代に伝わらないフレーズって色々あると思います。この小説の“すりきれる程聴いたアルバム”もそのひとつだと思います。もしかしたら、写真のアルバムを思う浮かべ「すりきれる」「聴いた」と言う言葉との関連性に頭を悩ませていた人もいるかもしれません。

これ、CDだと出来ないことですよね。理論的にはすりきれることはありませんから、何度も聴いたことを趣のある言葉で表すことは難しいのかもしれませんね。レコードならではの秀逸なフレーズです。では、なぜすりきれるほど聴いたのか・・・好きで何度も聴いたわけではなく、聴かざるを得なかった・・・一言で表せばそんな感じでしょうか。

そして最後の歌詞“明日への希望へと変えてゆこう”です。皆さんはどんなシーンを思い浮かべますか?
Jt605
web拍手 by FC2

| | | コメント (0)

[No.1329-2]行ってきます

No.1329-2

「瞬間?」
「何にもなさそうだけど・・・」

そう・・・僕も全く予期していなかった。
それだけに驚いたし、嬉しくもあった。

「言われたんだよ」
「そのおばさんに」

ゴミ捨て場を去ろうとした時だ。
僕を見つけてこう言った。

「“行ってらっしゃい”と」
「・・・」

ごく普通の挨拶だ。
でも、僕にとっては嬉しかった。

「・・・なるほどね」
「意味が分かったわよ」

もちろん、言葉は嬉しかった。
でも、それ以上に声を掛けてもらえて嬉しかった。

「お母さんを思い出した?」
「・・・まぁな」

母に言われたような気がした。
その瞬間。

「それで、あなたは?」
「もちろん!言ったよ」

“行ってきます”と。
何の迷いもなく。
J1329
(No.1329完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ
ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

| | | コメント (0)

[No.1329-1]行ってきます

No.1329-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
嬉しい瞬間は何の前触れもなく訪れた。

「・・・何かあったの?」
「朝から嬉しそうね」

どうやら顔に出ていたらしい。
そのつもりは全くなかったが。

「そ、そうかな・・・」
「まさか、その表情のまま来たわけ?」

一体どんな表情なんだろうか・・・。
自分ではわからないだけに気になる。

「で、何があったの?」
「また、かわいい子でも見つけたわけ?」

すぐそっちの話になる。
まぁ、そういうことがあったのも事実なだけに。

「違うよ」
「朝、ゴミを出しに行ったら・・・」

掃除のおばさんが居た。
住んでいるマンションに雇われている人だ。

「正直、おばあちゃんに近いくらい」

その人がゴミを整理していた。

「意外な展開ね」
「まぁ、聞けよw」

そしてその瞬間が訪れた。

(No.1329-2へ続く)

| | | コメント (0)

[No.1328-2]苦笑い

No.1328-2

「・・・」
「なにそれw」

気持ちよさように日向ぼっこをしていた。
まだ、朝だというのに。

「その背もたれに」
「すっぽり収まってるんだよね!」

さすが猫・・・といったところだ。
フィット感が半端ない。

「想像できるw」
「よく見かける格好でさぁw」

前足を体に隠して丸まっている。
あの格好だ。

「でも、複雑な気持ちにもなった」
「言わばゴミの上にいるんだもん」

だからこその苦笑いだった。

「そう・・・なるわね」
「ねこちゃんにとっては関係ないけどね」

居心地の良い場所を見つけた。
ただそれだけだ。

「明日もいるかな?」

その背もたれ次第だろう。
J1328
(No.1328完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ
ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

| | | コメント (0)

[No.1328-1]苦笑い

No.1328-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「あはは・・・」

苦笑いとはまさしくこのことだった。

「どうしたの朝から?」
「だってぇ~」

可笑しくもあり、ある意味悲しくもある。
だからこそ苦笑いになった。

「苦笑い?」
「何があったの?今朝」

最寄り駅に行く道すがら、空き地を通る。
そこは数年前に空き地に変わった。

「空き地?」
「そう、雑草もかなりすごくて・・・」

うっそうとしている。
自分の背の高さを超える雑草も少なくない。

「で、そこに不法投棄があって」

椅子の背もたれ部分のようだった。
車の座席のようにも見える。

「いよいよ、荒れてきたな・・・と思ってたら」
「・・・思ってたら?」

今朝、そこに猫が座っていた。

(No.1328-2へ続く)

| | | コメント (0)

ホタル通信 No.604

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.788 こころのゴミ
実話度:★★★☆☆(60%)
語り手:男性

住んでいる近くに小川が流れています。小川と言っても都会的なコンクリートに覆われた川です。

小説に書いてある通り、環境に対して意識高い系でもなく、綺麗好きでもありません。ただ、ごみが落ちていると片づけたくなるタイプです。特に川に落ちているごみに関しては特に気になってしまいます。どこから流れて着いたごみもあれば、時には自転車が捨てられており、残念な気持ちになります。

とは言うものの、生き物はそれにはお構いなしに生きており、それなりに生態系も出来上がっています。川を汚染するようなゴミでなければ、小魚などの隠れ家になり、それはそれで良いことなのかもしれませんが、やはり気にはなってしまいます。ごみの横でカルガモの親子が羽を休めている・・・それを複雑な気持ちで見ている自分が居ます。
別に良い子ぶるつもりはありませんが、思う存分、掃除できたらなぁ・・・と。繰り返しになりますが、決して意識高い系ではありませんので。

今日もその川を見下ろしています。何らのごみに水藻のような物が絡まり、そこに新たなごみが流れ着きました。
Jt604
web拍手 by FC2

| | | コメント (0)

[No.1327-2]特別な一日

No.1327-2

「ごめん・・・思い出させちゃった?」
「ううん、違うの」

何かが違うらしい。

「私の場合は始まったの」
「遠距離が」

同僚に彼氏が居るのは知っていた。
でも、遠距離とは聞かされていなかった。

「・・・だとすると」
「5年だよね?」

同僚が小さくうなづく。
社歴がイコール、遠距離の年数になる。

「そこそこ長いね・・・」
「そうなるのかな?」

案外、ケロッとしている。
遠距離の辛さを微塵も感じさせない。

「あなたはどうだったのよ?」
「特別な一日」

友達数人が駅まで見送りに来てくれた。
でも、何がどうなったか覚えてない。

「覚えてない?」
「泣きじゃくってたことは覚えてるけどw」

私の特別な一日はそうやって終わった。

「なんだ・・・素敵な一日だったじゃん!」
J1327
(No.1327完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ
ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

| | | コメント (0)

[No.1327-1]特別な一日

No.1327-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「明日、入社式だね」
「そうだね

人事部の私たちにとっては忙しい日々が始まる。
いや・・・正確には数か月前から忙しかった。

「今日、移動してくるね」
「ほとんどの人が」

入社後は本社で研修が始まる。
1か月後、彼らはそれぞれの配属先に散って行く。

「今日は・・・」
「特別な一日になりそうね」

今日は彼らにとって特別な一日になる。
明日ではなく今日が。

「そうだったわね」
「思い出すな~」

永遠とは言わない。
でも、それに近いドラマが今日生まれている。

「地元を離れるんだもん」
「ある程度の覚悟はあるわよ」

人それぞれの別れがあったはずだ。
繰り返しになるが永遠とは言わないけれど。

「・・・」
「えっ!?」

どうやら同僚は永遠だったらしい。

(No.1327-2へ続く)

| | | コメント (0)

[No.1326-2]灯台下暗し

No.1326-2

「もしかしたら家の近所の方が・・・」
「それは言える」

家の近くにも桜並木がある。
そこはそこでかなり立派な桜が咲いている。

「ここに来る意味ある?」
「・・・かもw」

とは言うものの、名所と言われる所に行きたいものだ。
無名な場所よりも。

「それも分かるw」
「それこそ日本人ね」

いずれにしても、桜はいいものだ。
どんな場所で見ても。

「言ってることが支離滅裂w」
「・・・認めるw」

「ふ~疲れた~!」

今年はいつになく桜を眺めた。
何かにとりつかれたように。

「さて・・・と・・・ん?」

肩に桜の花びらを見つけた。
J1326
(No.1326完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ
ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

| | | コメント (0)

[No.1326-1]灯台下暗し

No.1326-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「満開!」
「タイミングがバッチリだったね!」

丁度良いタイミングで桜が満開を迎えた。
意外とこのタイミングが難しい。

「去年は・・・」
「・・・だったわねw」

平日、それも月曜日に満開を迎えた。
土日休みの私たちにとっては魔の1週間になった。

「本気で会社を休もうかとw」
「私もw」

なぜだか桜を見に行きたくなる。
理由などない。

「あえて言うなら・・・」
「日本人だからかな?」

わざわざ、遠くの桜並木を見に行く。
お城を囲むように咲く桜を。

「でも、ちょっと減ったよね?」
「確かに・・・」

初めて訪れた時はもう少し多かった。
桜も人も。

(No.1326-2へ続く)

| | | コメント (0)

ホタル通信 No.603

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.798 210円の切符
実話度:★★★☆☆(60%)
語り手:女性

この小説、半分創作で半分事実です。前半が創作で、後半が事実です。

小説上の半年前に、 実際にこのような光景を目撃しました。その高校生の女の子は咄嗟の判断で降りた女性に声を掛けたのだと思います。そりゃそうですよね?電車はすぐに発車するし、自分は降りるわけにはいかない。
でも、そんな女の子の行動に対して、降りた女性の態度・・・もちろん、間違ってはいないので何も責められるものはありません。むしろ女性も急に声を掛けられて、驚いた上での正直な発言だったと思います。

大袈裟ですが、その女の子の行動を無駄にしたくないとの思いで小説にしてみました。つまり、半年前の出来事を“今”の出来事に置き換えて、“こうだったら良かったのに”と創作したわけです。繰り返しになりますが、その女性に何の落ち度もなく、何ら責められるものではありません。ただ、心の準備がないと創作のような行動を取れるわけでもありませんから、この小説を読んで心の準備をしていただけたら幸いです、その日に備えて。

手前味噌ですが、好きな小説のひとつです。派手さはありませんが、今でも印象深く心に残っています。
Jt603
web拍手 by FC2

| | | コメント (0)

[No.1325-2]駄菓子

No.1325-2

「100円あれば十分楽しめた」
「買い物も食べることも」

今の時代、100円で買えるお菓子も減ってきた。
その点、駄菓子はまだまだ現役だ。

「さすが5円や10円じゃないけどね」
「そりゃそうよw」

個性的な商品ばかりだ。
どれもこれも子供心をくすぐる。

「お菓子・・・には出来ない技ね」
「そうそう!」

駄菓子には駄菓子なりのプライドを感じる。
価格以上の価値を感じずにはいられない。

「知ってる?」
「なんで“駄菓子”っていうか」

“駄”には粗悪なもの、つまらぬものの意味がある。
早い話、ダメな菓子と言うことだ。

「そうなんだ・・・」
「不服?」

確かに、お菓子には勝てないかもしれない。
でも、そもそも勝負しようとも思っていないだろう。

「駄菓子・・・」
「だが・・・しかし・・・」

そこには企業の知恵と努力が詰まっている。
J1325
(No.1325完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ
ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

| | | コメント (0)

[No.1325-1]駄菓子

No.1325-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「懐かしい~!」
「ホントだ!」

所狭しと駄菓子が並んでいる。
最近の100均は駄菓子の充実度が半端ない。

「これ知ってる?」
「もちろん!」

ヨーグルトではない。
ヨーグルだ、それもモロッコの。

「絶妙なネーミングだよね」
「あははw」

加えて、味も絶妙だ。
コストパフォーマンスも良い。

「小さい時、死ぬほど食べたよ」
「私もよ」

今ではあまり見かけない小さな木べらを使って。
それがプレミア感を演出した。

「あっ!ラムネもあるよ」
「粉っぽい方ね」

良い意味で“ちゃんとしてない”ラムネだ。
口に入れた瞬間から溶け始める。

「5円だったよね?」
「今じゃ考えられない価格w」

私は本家よりそっち派だった。

(No.1325-2へ続く)

| | | コメント (0)

[No.1324-2]甘かったこと

No.1324-2

「でも、当時は何も疑わなかったな・・・」

素直と言えば聞こえがいい。
でも、深く考えなかったのが本音だ。

「自分の死期は悟っていたみたいだし」
「その時から覚悟は決まってたと思う」

今となっては手術自体、したかどうか分からない。
付き添ってはいないからだ。

「その可能性もあるよね」
「仮にしたとしても・・・」

インオペだったかもしれない。
テレビドラマの見過ぎかもしれないけれど。

「そう考えると」
「色々と辻褄があってくるんだよな」

退院が早かったこと。
そして、がんの進行も早かったこと。

「退院して半年後には」
「・・・余命宣告だったし」

その時、父は驚くほど平然としていた。
父は・・・もう知っていたんだと思う。

「そっか・・・」
「今さらだけど・・・」

甘い自分が情けなくなる。
もう少し、向き合っていたら・・・。

「だとしても結果は変わらないよ」
「お母さんはそれを知ってたからこそ・・・だよ」
J1324
(No.1324完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ
ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

| | | コメント (0)

[No.1324-1]甘かったこと

No.1324-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
当時は何も疑わなかった。
母のその言葉に。

「どんな言葉?」
「早期発見って言葉」

母親にすい臓がんが見つかった。
でも、あっけないほどすぐに退院した。

「あっけない?」
「見舞いに行こうとしたら・・・」

すぐに退院した。
手術後、数日で。

「ほら、イメージでは・・・」

少なくとも1週間以上は掛かると思っていた。
切らない手術でも数日、入院した経験があったからだ。

「確かにそうよね・・・」
「で、出てきた言葉が・・・」

その“早期発見”だった。
体調不良で受診したら“たまたま見つかった”らしい。

「その言葉を素直に受け取ったんだよな」
「・・・そうなるよね」

でも、今、考えるとおかしなことばかりだ。
そもそも体調不良で早期発見なんてことはない。

「知ってた?」
「すい臓って“暗黒の臓器”って言われてること」

症状が出た時にはがんが進行している。
だから、早期発見なんてありえない。

(No.1324-2へ続く)

| | | コメント (0)

« 2025年3月 | トップページ | 2025年6月 »