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[No.1319-1]緑のおばさん

No.1319-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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“おはようございます”と聞こえてきた。
小さな交差点の向こうから。

「緑のおばさん・・・って言えばいいのかな?」
「ほら、通学の安全確保している人」

さすがに“緑”ではないが、役目は同じだ。
黄色い旗を持ち、横断歩道に立っている。

「私の家の近所にも居るわよ」
「小学校が近いせいもあって」

そのおばさんらしき人から声を掛けられた。
“おはようございます”と。

「小学生に間違われた?」
「笑えないw」

どこをどう見ても高校生だ。
小学生の欠片も見当たらない。

「それに僕は・・・」

その人が立つ交差点の手間で曲がっている。
つまり、その人とはかなり距離がある。

「だから最初は」
「誰に言ってるのかな・・・と」

だから気付くのが遅れた。
それが僕に向けられていることに。

(No.1319-2へ続く)

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