[No.1319-1]緑のおばさん
No.1319-1
登場人物男性=牽引役
女性=相手
-----------------------------
“おはようございます”と聞こえてきた。
小さな交差点の向こうから。
「緑のおばさん・・・って言えばいいのかな?」
「ほら、通学の安全確保している人」
さすがに“緑”ではないが、役目は同じだ。
黄色い旗を持ち、横断歩道に立っている。
「私の家の近所にも居るわよ」
「小学校が近いせいもあって」
そのおばさんらしき人から声を掛けられた。
“おはようございます”と。
「小学生に間違われた?」
「笑えないw」
どこをどう見ても高校生だ。
小学生の欠片も見当たらない。
「それに僕は・・・」
その人が立つ交差点の手間で曲がっている。
つまり、その人とはかなり距離がある。
「だから最初は」
「誰に言ってるのかな・・・と」
だから気付くのが遅れた。
それが僕に向けられていることに。
| 固定リンク | 0
「(052)小説No.1301~1325」カテゴリの記事
- [No.1323-2]桜咲く(2025.03.30)
- [No.1323-1]桜咲く(2025.03.28)
- [No.1322-2]時を知る(2025.03.27)
- [No.1322-1]時を知る(2025.03.25)
- [No.1321-2]きれいな夕焼け(2025.03.22)
コメント