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[No.1322-2]時を知る

No.1322-2

「何だか分かったような」
「分からないような・・・」

毎朝、同じ時間の同じ車両で出会う人が居る。
原理はそれと同じだ。

「その人も同じ時間に?」
「そうよ、毎日ではないけど」

さすがに電車のようにはいかない。
お互い、自転車だから。

「向こうも出掛ける時間はいつも同じみたい」
「だから、決まった時間に出会うわけね?」

少なくとも5年は続いている。
決まった時間にすれ違う行為が。

「だから、その人とすれ違えば」
「いつもの通りだということか・・・」

言い換えればすれ違わないと遅れている。
多分、わたしの方が。

「ある意味便利ねw」
「そうね、時計代わりにして申し訳ないけどw」

そう言うと同僚がクスクス笑い始めた。

「なによ?」
「いや・・・今は11時半頃かなってw」

何の脈略もなく、時間を言い当てた。
J1322
(No.1322完)
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