[No.1318-2]吠える犬
No.1318-2
「でも、ここ数年は・・・」
人間で言えばおじいちゃんだ。
さすがに体力に衰えが見え始めた。
「そうなるよね」
「でも、長生きして良かったじゃん」
幸い大きな病気にもならずに済んだ。
それが長生きに繋がったと思う。
「昔はうっとおしかったけど」
「居なくなると・・・ね」
余計に寂しくなる。
なんなら、ずっと吠えていて欲しかった。
「・・・だね」
「あぁ・・・」
遅かれ早かれ別れはくる。
それは生き物である以上、避けられない事実だ。
「母に一番なついていたから」
「母の隣に写真を飾ることにした」
今頃、天国で母と再会している。
・・・きっとそうだ。
「もう、吠えるなよw」
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