[No.1317-2]追いかける少女
No.1317-2
「待ってあげたらいいのに」
「当然、そう思うよな?」
多分、最初はそうだったと思う。
ただ、それが続いたんだろうとも思う。
「それって親の問題?」
「さぁ、どうだろうね」
と言いつつも何となく答えを持っている。
わずか1分ほどの差に答えがある。
「1分に?」
「そうだよ」
その女の子はわざと遅れているのだ。
出発時刻に。
「それって変じゃない?」
「だったらなんで小走りになるの?」
その疑問ももっともだ。
わざと遅れて、後から追いかける・・・確かに変だ。
「簡単に言えば」
「シャイなんじゃないかな」
当り前だが8時前に皆が集合する。
でも、かなり前から来ている人も居るはずだ。
「照れ屋さんなんだ・・・」
だから、皆が動き出してから合流しようとする。
それなら、さほど会話を必要としない。
| 固定リンク | 0
「(052)小説No.1301~1325」カテゴリの記事
- [No.1323-2]桜咲く(2025.03.30)
- [No.1323-1]桜咲く(2025.03.28)
- [No.1322-2]時を知る(2025.03.27)
- [No.1322-1]時を知る(2025.03.25)
- [No.1321-2]きれいな夕焼け(2025.03.22)
コメント