[No.1320-2]降ってきたらどなたでも
No.1320-2
「でも、なんであそこに・・・」
「私たちのためじゃない?」
駅から会社までにはそこそこ距離がある。
だから誰かが置いてくれたんだ。
「都合よく考え過ぎじゃない?」
「この辺りに会社なんていくらでもあるじゃん」
根拠はない。
でも、なぜかそんな気がする。
「じゃあ、会社の誰かが?」
「かもしれない」
意外に傘は溜まる。
私もロッカーの中に4~5本入っている。
「ビニール傘だけど」
「分かる分かる」
急な雨で仕方なく傘を買う。
それが積もり積もって・・・のパターンだ。
「もしかして・・・やっかい払い?」
「その可能性はある」
捨てるのは忍びない。
だからと言って使いもしない。
「・・・・私も提供しようかな」
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