[No.1309-2]見えない幸せ
No.1309-2
「で、何が触れたの?」
「生き物が居たわけじゃないでしょw」
生き物が居たら大変だ。
お風呂どころではないだろう。
「髪の毛だよ」
「もしかして私の?」
髪の長さからすれば彼女のものだ。
でも、そんな単純な答えではない。
「まぁ、抜けちゃうよね」
「ごめん、不潔だった?」
不潔なはずがない。
だったら僕のにやけ顔の説明が付かない。
「違うよ」
「むしろ、幸せを感じたよ」
その髪の毛は黒髪ではなかった。
だからと言って、染めた色でもなかった。
「悪口じゃないからな」
「最初に言っとくけど」
それは白髪だった。
「だから、手にまとわりついても見えなかったんだよ」
(No.1309完)
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