[No.1309-1]見えない幸せ
No.1309-1
登場人物男性=牽引役
女性=相手
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「なにニヤニヤしてるのよ?」
「そ、そうか?」
自分としては喜びの表情のつもりだった。
でも、そうとは映っていなかったらしい。
「いいお湯だったからさ」
「いつもと同じお風呂じゃない?」
そう言われると身もふたもない。
間違ってはいないからだ。
「そうだけど・・・ほら・・・」
「“ほら”なによ?」
妙に絡んでくる。
機嫌を損ねたわけではないだろうに。
「湯船に浸かってたら・・・」
「手に何かが触れたんだよ」
でも、それが何だか分からなかった。
最初は。
「最初は?」
「で、分かったわけ?」
そう、分かった。
分かった瞬間、幸せを感じた。
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