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[No.1303-2]吹き溜まり

No.1303-2

「ほら・・・案外、かたまってない?」
「一か所に」

確かに風が吹くと落ち葉は飛ばされる。
でも、不思議なほど一か所に集まってくる。

「ここも、あそこも」
「・・・そう言われるとそうね」

ある落ち葉は植え込みに。
また別の落ち葉は建物の陰に。

「風が運んでくれるんだよね」
「掃除しやすいように」

だから案外、苦労しない。
まぁ、時と場合によるが。

「随分、詳しいと言うか・・・」
「何か怪しいなw」

さすが友人・・・と言えばいいのか。
それとも・・・。

「別に何もないわよ」
「単なる吹き溜まりの話をしただけ」

もう、彼と別れて3年が過ぎようとしていた。
あの日も風が強かったっけな。

「ほんと?」
「・・・それならいいけど」

公園のベンチにも吹き溜まりが出来ていた。
J1303
(No.1303完)
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