[No.1306-1]モノラルラジオ
No.1306-1
登場人物男性=牽引役
女性=相手
-----------------------------
「浮かない顔ね?」
「そ、そうか・・・」
別に悩みごとがあるわけではない。
あることに満足がいかないからだ。
「満足いかない?」
「あぁ、今、音楽聞いているだろ?」
YouTubeでたまたま流れてきた音楽を聴いている。
もちろん、とてもクリアな音で。
「そりゃそうでしょ」
「今の時代」
確かにその昔はクリアな音にこだわった。
古い話になるが、良いカセットテープを使ったりして。
「ふるっ!」
「いいだろ?」
クリアな音に飢えていた時代だ。
蛇口をひねればクリアな音が聞こえる時代ではなかった。
「語彙力すごっw」
「でも、確かにそうね」
今はテレビもラジオもスマホも・・・みな音がいい。
「それが不服?」
「不服というより・・・」
なんか寂しい。
うまく言えないけれど。
| 固定リンク | 0
「(052)小説No.1301~1325」カテゴリの記事
- [No.1312-2]認識(2025.02.18)
- [No.1312-1]認識(2025.02.16)
- [No.1311-2]授業参観(2025.02.13)
- [No.1311-1]授業参観(2025.02.12)
- [No.1310-2]きゃっきゃきゃっきゃ(2025.02.09)
コメント