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[No.1306-1]モノラルラジオ

No.1306-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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「浮かない顔ね?」
「そ、そうか・・・」

別に悩みごとがあるわけではない。
あることに満足がいかないからだ。

「満足いかない?」
「あぁ、今、音楽聞いているだろ?」

YouTubeでたまたま流れてきた音楽を聴いている。
もちろん、とてもクリアな音で。

「そりゃそうでしょ」
「今の時代」

確かにその昔はクリアな音にこだわった。
古い話になるが、良いカセットテープを使ったりして。

「ふるっ!」
「いいだろ?」

クリアな音に飢えていた時代だ。
蛇口をひねればクリアな音が聞こえる時代ではなかった。

「語彙力すごっw」
「でも、確かにそうね」

今はテレビもラジオもスマホも・・・みな音がいい。

「それが不服?」
「不服というより・・・」

なんか寂しい。
うまく言えないけれど。

(No.1306-2へ続く)

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