[No.1301-1]遊びの天才
No.1301-1
登場人物女性=牽引役
女性=相手
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「今の見た?」
友人が何気なく声を掛けてきた。
状況からすると、どうやらアレのことみたいだ。
「ボール遊びしてた子供?」
「そうそう!」
でも、とくに変わったところはなかった。
男の子が二人で遊んでいた。
「ほら、二階のベランダに向けて」
「大きなボールを投げてたよね?」
確かに投げていた。
わいわいがやがやと。
「あれってさぁ」
「ベランダに入れようとしてたんだよ」
それは私にも分かる。
下からボールを投げていたからだ。
「でもさぁ、変だと思わない?」
「入れるなら、もっと良い方法があるのに」
そう言えば少し不自然だった。
入れるつもりなら、もう少し遠くから狙えばいい。
「そうなんだよね」
「真下から投げたら入らないよ」
それに投げると言っても野球のようではない。
ボールを押し上げるように投げていた。
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