[No.1289-1]ご自由にお使いください
No.1289-1
登場人物
女性=牽引役 女性=相手
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「これ誰が置いたかな?」
「さぁ~?」
通学路の途中にほんの僅かな高架がある。
小川沿いの道に交差するような感じで。
「半年前くらいからだよね?」
「・・・そうだね」
高架のお陰でその下で雨宿りが可能だ。
私たちの雨宿りポイントのひとつだ。
「ご自由に・・・とは言うものの」
「座る気にはなれないねw」
そんなある日、そこに白い椅子が二脚登場した。
“ご自由にお使いください”の張り紙と共に。
「お世辞にも綺麗じゃないしw」
「置いてくれた人には悪いけど」
悪気はないと思う。
むしろ、親切心だと思う。
「そうよね」
「灰皿もあるし、そもそも・・・」
雨宿りもできるし、夏なら日陰にもなる。
そんな場所でひと時の休憩を提供してくれる。
「褒めてるじゃんw」
「ほんとだw」
ただ、やはりそこで休んでいる人を見掛けたことはない。
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