« [No.1288-2]秋の匂い | トップページ | [No.1289-2]ご自由にお使いください »

[No.1289-1]ご自由にお使いください

No.1289-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「これ誰が置いたかな?」
「さぁ~?」

通学路の途中にほんの僅かな高架がある。
小川沿いの道に交差するような感じで。

「半年前くらいからだよね?」
「・・・そうだね」

高架のお陰でその下で雨宿りが可能だ。
私たちの雨宿りポイントのひとつだ。

「ご自由に・・・とは言うものの」
「座る気にはなれないねw」

そんなある日、そこに白い椅子が二脚登場した。
“ご自由にお使いください”の張り紙と共に。

「お世辞にも綺麗じゃないしw」
「置いてくれた人には悪いけど」

悪気はないと思う。
むしろ、親切心だと思う。

「そうよね」
「灰皿もあるし、そもそも・・・」

雨宿りもできるし、夏なら日陰にもなる。
そんな場所でひと時の休憩を提供してくれる。

「褒めてるじゃんw」
「ほんとだw」

ただ、やはりそこで休んでいる人を見掛けたことはない。

(No.1289-2へ続く)

| |

« [No.1288-2]秋の匂い | トップページ | [No.1289-2]ご自由にお使いください »

(051)小説No.1276~1300」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« [No.1288-2]秋の匂い | トップページ | [No.1289-2]ご自由にお使いください »