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[No.1289-2]ご自由にお使いください

No.1289-2

「じゃ、あなたが第1号になってあげたら?」
「いやよw」

白い椅子だけに汚れが目立つ。
ましてや外だ・・・高架下とは言え基本雨ざらしだ。

「どうせなら木の椅子にすればいいのにね」
「そうよね」

いわゆるベンチなら雨ざらしでもOKだろう。
でも、それは無駄なほど豪華な椅子だ。

「その椅子じゃ・・・ね」
「クッション、いらなくない?」

ふかふかのクッションが汚れの元凶だ。
椅子のチョイスが良くない。

「まぁ、誰かが座ってくれること」
「祈りましょw」

いつしか神頼みになった。
たかが、椅子に座るだけなのに。

「それはさておき・・・」
「のんびりしてる場合じゃないわよ!」

これだからよく遅刻する。

帰り道、また椅子の話題になった。

「誰か座ってるかな~」
「座ってるわけないじゃ・・・ん?」

白い椅子に白い猫が座っていた。
J1289
(No.1289完)
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