[No.1283-2]ボス猫の心変わり
No.1283-2
「心境の変化でもあったのかな?」
「どうだろうね」
さすがに触れられる距離までとはいかなかった。
でも、もう一歩・・・という所までは縮んだ。
「それほど遠くに逃げなかったし」
「何なら振り向いて・・・」
私を待っているようだった。
普段は一目散に逃げてしまうのに。
「だからもう一度近付いてみたの」
さすがにそれ以上近付くことは許してくれなかった。
でも、やはりいつもとは違う感覚を覚えた。
「やっぱり、心変わりしたのかな?」
「そうね」
それほど顔を合わせる仲でもない。
それに特段、親切にした覚えもない。
「よく分からないけど」
「時間が解決したのかもしれないな」
人間社会でもそんなことがある。
良くも悪くも時間が解決してくれることが。
「それ、私たちのこと?」
「さぁ~どうだろうねw」
あのボス猫もきっとそうだ。
時間が私たちの距離を縮めてくれたんだ。
(No.1283完)
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