[No.1290-2]彼の呪縛
No.1290-2
「もしかして」
「この流れなら・・・」
答えを聞かずとも当たっていると思う。
そんな表情をしている。
「それよそれ!」
「じゃ、彼の誕生日なんだね」
小さく頷く私が居る。
声に出して答えればいいものの。
「呪縛と言うくらいだから」
「相変わらず、察しが良いね」
私が答える前にすべてお見通しだ。
まぁ、それほど難しくはないとは言え。
「それなら呪縛よねw」
「お金を下ろすたびにねw」
思い出すのではない。
常に覚えている。
「あははw」
「忘れるわけにはいかないからね」
覚えているだけで何の感情も持っていない。
もちろん、今でも・・・なんてことは微塵もない。
「元彼、ボロクソに言われてるw」
「ほんとだw」
彼には悪いけど事実だ。
まぁ、私の責任でもあるが。
「替えたら?」
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