[No.1275-1]レンズ越しの青空
No.1275-1
登場人物
女性=牽引役 女性=相手
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毎年恒例の行事がいくつかある。
そのひとつが今日のこれだ。
「今年も来たわよ!」
「それ誰に言ってるのw」
その答えを知ってるけど一応聞いてみる。
このやり取りも毎度のことだ。
「今年は晴れで良かったね」
去年は薄曇りで快晴とまではいかなかった。
けど、今年は抜けるような青空だ。
「でも、この暑さは勘弁して欲しいわねw」
「確かにw」
山を切り開いた霊園でも今年は暑さが厳しい。
ただ、時より吹く風が救いだ。
「えっ・・・と・・・ひとつ、ふたつ・・・」
友人が墓石の間を縫う小道を数え始めた。
「毎年、同じことしてるね、私達」
「覚えられない私達ってw」
同じ墓石が並んでいる。
だから、覚えられない。
「彼女、怒ってるかもよ?」
「だねw」
いい加減、私のお墓の場所を覚えろよ、と。
ただ、このグダグタ感が墓参りを続けられる秘訣だ。
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