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[No.1276-2]命を運ぶ

No.1276-2

「つまり、死に場所を探してたんだ?」
「そう言うこと」

なるべく人通りが少ない場所を探した。
加えて緑の多さも重要だった。

「それで遅れたんだ?」
「随分、探したみたいだねw」

なかなかふたつの条件を満たす場所がなかった。
ある意味、こんな都会じゃ無理かもしれない。

「暑い中、ご苦労さん!」
「で、どこに置いてきたの?」

答えに困る。
・・・と言うか、答えが出ていない。

「えっ!?」
「どういうこと?」

早い話、良い場所が見つからなかったのだ。

「・・・えっ・・・」
「・・・見てこれ」

その瞬間、教室に友人の悲鳴が轟いた。
無理もない・・・虫が嫌いだからだ。

「ちょ、ちょっと!?」
「連れてきちゃったの?」

成り行きで教室まで持ち込んでしまった。
制服にくっつけて。

「でも途中で・・・」

木の上は無理だったけどせめて土には帰してあげたい。
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(No.1276完)
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