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[No.1272-2]ビニーパン

No.1272-2

「名前が違うとか?」
「その可能性は否定できない」

でも、記憶の中にはビニーかビニしか存在しない。
ただ、何かと間違っている可能性は大いにある。

「文字じゃなくて」
「言葉を覚えてるんだよな」

記憶は文字というか映像ではない。
あくまでも・・・ビニーあるいはビニと言う音として。

「それならググると出て来そうなものよね?」
「そうなんだよな・・・」

ネットが全てにおいて万能とは思ってはいない。
けど、何かしらの情報は出てくるはずだ、今の時代。

「今は売ってないの?」
「そうみたい、知る限り」

調べても出てこない。
売ってもいない。

「そうなると・・・」
「ますます食べたくなるw」

SNSを駆使して情報を集めると言う手もある。
けど、そこまではしたくない何かがある。

「・・・分からなくもないけどね」
「思い出は美しいままでw」

けど、本心は気になって仕方がない。

「・・・作れるわよ」
「もちろん、正確に再現は出来ないけど」

そう言うと腕まくりを始めた。
J1272
(No.1272完)
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