[No.1271-1]地元の本屋
No.1271-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
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地元の小さな本屋が店を畳んだ。
ほんの数か月前までは営業していたのに。
「思い入れのある本屋だったの?」
「そこまでではなかったけど」
ただ、物心がついた時にはそこにあった。
駅前の交差点の角に。
「ある意味、そこにあって当然だったからさ」
「寂しいと言うか、違和感と言うか」
何とも言えない気持ちになった。
本来あるべきものがそこにない。
「お世辞にも儲かってはなかったと思うけどw」
「失礼よ」
でも、事実だ。
正確には商売っ気がないと言った方がいいだろう。
「多分、商売をやめたと言うより・・・」
店主が亡くなったんだと思う。
年齢的に考えても。
「そうなんだね」
「だから・・・」
何とも言えない寂しさがある。
小さくても町の灯りが消えた気分だ。
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