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[No.1271-2]地元の本屋

No.1271-2

「2階建ての建物で」
「1階は店舗、2階は住居みたいだったけど」

窓から見える店内も2階ももぬけの殻だ。
当然、人の気配はない。

「生活感も消えて」
「看板も外され」

地元の人以外、そこに本屋があったとは思わないだろう。
もともと、小さな本屋だったこともあって。

「そっか・・・」
「分かる気がする、その寂しさ」

繰り返しになるが特に思い入れはない。
けど、思い入れがないほど町に溶け込んでいた。

「そのうち、取り壊されるんだろうな・・・」
「そうなるといよいよ寂しくなるわね」

もはやそこに何があったのかさえ気にしなくなる。
時の流れは残酷だ。

「でも新しい店がオープンするかも?」
「・・・ないことはないなw」

決して立地は良くない。
けど、ちょっと立ち寄るには丁度良い。

「出来れば花屋がいいな」
「・・・なるほどね!」
J1271
(No.1271完)
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