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2024年7月

[No.1269-2]目玉にこしょう

No.1269-2

「実家?」
「つまり、小さい頃からそうだった・・・と?」

物心ついた時にはすでにそうなっていた。
早い話、母親がそうだったからだ。

「そうよ」
「だから、今もそう」

別に醤油やソースが嫌なわけじゃない。
ある意味、習慣がそうさせる。

「それに食べる時じゃなく」
「作ってる最中に掛けちゃうんだよね」

だから、他の調味料の出番がない。
そう考えると簡単だ。

「美味しい?」
「もちろん!」

それもあってこしょうを掛ける。
あえて他の調味料に頼る必要もない。

「なるほど・・・」
「何だか食べたくなってきたな」

シンプルだけどそれがいい。

「じゃあ・・・明日の朝食はそれでいい?」
J1269
(No.1269完)
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[No.1269-1]目玉にこしょう

No.1269-1

登場人物
女性=牽引役  男性=相手
-----------------------------
「何だよそれ!?」
「罰ゲーム?」

だとしたら今の時代、完全にNGだろう。
炎上必至だ。

「そんなわけないでしょ!?」
「だったら何だよ?」

目玉とは目玉焼きのことだ。
顔のパーツのことではない。

「だったら最初からそう言えよw」
「あなたが早とちりしたんでしょ・・・」

目玉焼きに“何を”掛けるか・・・。
ただそれだけのことだ。

「よくある話だよな?」
「目玉焼きに何を掛けるか問題」

私の場合、こしょうを掛ける。
加えて塩も。

「塩は分かるけど・・・」
「なんでこしょうなの?」

その理由は簡単だ。
実家ではそれが定番だったからだ。

(No.1269-2へ続く)

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[No.1268-2]決死のミミズ

No.1268-2

「相変わらず独特な感性ね・・・」
「そう?」

一匹ならいざ知らず、見える範囲でも両手近くいる。

「ミミズにフィーチャーするの凄くない?」
「あんたの言い方も相当なものよ」

彼らを駆り立てたものは何だったんだろう。
土の中にいれば死なずに済んだだろうに。

「何かあったんだろうね」
「こんなにたくさん出てきてるんだから」

居場所を追われた・・・。
そんな感じもしなくはない。

「大袈裟ねw」
「でも、可能性は否定できないわね」

いずれにしても、決死の覚悟だったに違いない。
新天地を求めて道を渡る・・・。

「そこで力尽きた・・・か」
「何だか切なくなってきたよ」

人知れず壮大な物語があった。
・・・ということにしておこう。

「それはそれとしてもう行かなきゃ遅れるわよ」
「・・・だね」

何だろう・・・少し勇気が湧いてきた。
J1268
(No.1268完)
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[No.1268-1]決死のミミズ

No.1268-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
何がそうさせるのだろうか・・・。
命をかけてまで。

「どうしたの?」
「・・・これ見て」

足元を指さす。
そこには・・・。

「なにこれ?」
「ん?えっ、えっ!?」

そこには命尽きたミミズがいた。
どうみても干からびている。

「わざわざ指さすこと!?」
「ほら、あっちも見てよ」

足元だけではなく、至る所で命尽きている。
同じように干からびて。

「ちょっとキモイ!」
「かもしれないけど」

遊歩道の脇で力尽きた感じだ。
でも、なぜこんなところにいるのだろうか?

「ミミズって土の中にいるじゃん?」
「なんでこんなところに・・・」

連日の暑さで道路は灼熱地獄だ。
例えるならフライパンで焼かれるようなものだ。

(No.1268-2へ続く)

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ホタル通信 No.574

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.673 私たちの見出し
実話度:★★☆☆☆(40%)
語り手:男性

話の主軸である見出しに関することはほぼ事実です。実際に高校時代、国語の授業で先生から絶賛されたことがありました。

小説の通り、何らかの文章を読んで、それに対して新聞風の見出しを付けるという国語の授業があり、記憶は定かではありませんが「古き良き時代、青春」のような見出しを付けました。
まぁ、これのどこが良かったのかは定かではありませんが、見出しって、そのワンフレーズで記事を読んでみたいとか、およその記事の内容が分かるのが望ましい姿です。単なる目次ではなく、俳句のようにそこにすべてを凝縮するような感じです。

この小説はこの見出しの思い出をベースに肉付けして、いつもの恋愛系のオチで締めくくるというパターンです。ただ、これも記憶は定かではありませんが、当初からオチが決まっており、それに向けて書き進めました。このような小説は筆が進むので、多分、30分程度で完成したんじゃないかと思います。ちなみに、このオチを含めた展開は創作です。

今の仕事と全く無関係ではなく、不思議な縁を感じます・・・というかある意味、得意としていたからこそ、何となくその道に進んだのかもしれませんね。
Jt574
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[No.1267-2]それはゴミ袋

No.1267-2

「それは・・・あぶないね」
「でしょ?」

その白い猫は一向にじゃれつくことをやめない。
今にも後輪に巻き込まれそうだった。

「そしたら・・・」
「えっ!?まさか・・・」

その心配が現実になった。
猫が後輪に巻き込まれたからだ。

「やだ・・・」
「心臓が止まりそうになったよ」

ただ、その自転車は止まる気配を見せなかった。
多少、何かを気にしている様子ではあったが。

「いやいや!」
「そんなわけないでしょ!?」

確かにその通りだ。
違和感なんてものじゃ済まされないからだ。

「それより、その猫ちゃんはどうなったのさ!」
「・・・そのことなんだけど」

口をつぐむ私を察してか、友人の顔が曇る。

「・・・そっか」
「残念だったわね」

そう・・・残念だった。
でも、残念だったのは私の方だった。

「実は白い猫だと思ってたのは・・・」
J1267
(No.1267完)
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[No.1267-1]それはゴミ袋

No.1267-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
追い風の時の通学は楽だ。
軽くこいでも前に進む。

「えぇー!」

白い野良猫が前を行く自転車を追いかけていた。

「ちょっと聞いてよ!」
「あぁー朝からうるさいぃ!」

つい声が大きくなってしまった。
それだけバカみたいな経験をしたからだ。

「ごめん・・・」
「何があったの?」

今朝の出来事だ。
いつも通り、川沿いの道を自転車で走っていた。

「そしたら・・・」

前を行く自転車の後ろを野良猫が追っかけていた。
じゃれつくような感じで。

「・・・なんか珍しい光景ね?」
「でしょ!?」

犬ならありそうな光景だ。
野良犬ではなく、飼い犬の場合だが。

「それで?」
「えぇー!ってな感じで見てたのよ」

自転車に巻き込まれないか心配でもあった。
後輪のすぐそばでじゃれついていたからだ。

(No.1267-2へ続く)

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[No.1266-2]ひっそりと静かに

No.1266-2

「ある市民グループが見つけたんだって」
「国会図書館から」

そのわりにはニュースで聞いたことがない。
今まで一度も。

「私たちだけが知らなかった?」
「それはないと思う」

けど、今は知って良かったと思う。
これも何かの巡り合わせのような気がする。

「7月26日だったそうよ」
「約80年前だけど」

その日が近い。
だからこそ、何かを感じずにはいられない。

「そうなんだ・・・」
「特別な日になりそう」

そこには縁もゆかりもない。
もちろん、訪れたこともない。

「ただ、手をわせることはできる」
「・・・だね」

歴史の中でひっそりと静かに・・・。
けど、それは確かにあった。

「模擬原子爆弾投下跡地・・・か」
「忘れられない夏になりそうね」
J1266
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[No.1266-1]ひっそりと静かに

No.1266-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「えっ・・・なにこれ?」

それは全く予期しない出会いだった。

「ねぇ、知ってる?」

昨日、地図で見つけたある場所のことを話した。

「全然、知らなかったよ」
「もちろん、私もよ」

ただ何となくパソコンで地図を見ていた。
特に理由もなく、ぼんやりと。

「そしたら・・・言葉を失ったわ」
「そうなるよね」

今まで生きてきてそんな話を聞いたことがない。
まぁ、言うほど長く生きてはいないが。

「で、ちょっと調べてみたんだ」
「どうだった?」

拍子抜けするほどいとも簡単に検索された。
ただ、内容を読んでみると・・・。

「約30年前に明るみになったみたい」
「えっ・・・そうなの?」

一般的には30年前は相当昔だ。
でも、その歴史を踏まえるとごく最近と言える。

(No.1266-2へ続く)

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ホタル通信 No.573

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.694 立ち入り禁止
実話度:★★☆☆☆(40%)
語り手:男性

その昔は、オチを恋愛関係に持ってくるパターンが多かったですね。逆に今はこの手の話は減ってきているように思えます。

そこそこの実話度が表す通り、小学生の時、この看板で随分と盛り上がっていたことを今でも覚えています。それも一度や二度ではなく、看板の前を通る度にw
今はこんな看板が無いと言いますか、あからさまに危険な場所が少なくなっているため、看板を立てる必要が無いと言った方がいいですね。子供の頃はそれはそれは危険な場所がありましたから。

この看板を見つけると、立ち入り禁止の場所に入りそうな行動をとるのですが、小説の通り、入ることはまずありません。ふざけてはいるものの、その危険性を子供ながらに感じていたからだと思います。そんなこんな展開から、冒頭に書いた通り、しれっと恋愛話にすり替えて行きます。自分で作っておいて何ですが、多分、最初はそんなつもりはなかったように思えます。何となくそんな展開になったので・・・という感じでしょうか。

オチの部分はありがちな創作です。男子って口だけ強気で行動に移せない臆病者!っていう展開で終わらせています。
Jt573
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[No.1265-2]ブラックタイガー

No.1265-2

「子供の頃?」
「実は母が好きで・・・」

好きだけど食べている姿は見たことがない。
いつも口癖のように“好きだ”と言っていただけだ。

「だから高級品なんだと・・・」
「昔はそうだったのかもね」

確かにその可能性はある。

「でもどうしたの急に?」
「ほら、今なら腹一杯食べてもらえたのに」

一応、普通程度に稼げるようになった。
だから、そうすることもできる。

「もう少し早く思い出したかったな・・・」

気付いた時に母は居ない。
“孝行したい時分に親はなし”とはこのことだ。

「別に貧乏じゃなかったけど」
「子供が3人いたからさ」

それなりに生活は大変だったと思う。
それは大人になったからこそ分かる。

「母にとってはごちそうだったんだろうな」

母の命日が近い。
J1265
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[No.1265-1]ブラックタイガー

No.1265-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
スーパーで、ある食材に目が留まった。

「あれ?嫌いじゃなかったっけ?」
「そうだよ」

目の前に大ぶりのエビが3匹パックされている。
そこにはブラックタイガーと書かれている。

「もしかして・・・克服した?」
「してないよw」

僕は甲殻類が大の苦手だ。
特に焼いたエビは吐き気さえ覚える。

「相変わらず重症ね」
「仕方ないだろ?」

気付けば苦手になっていた。
特別な理由はない。

「それなのに何でよ?」
「こんなに安かったんだ・・・これ」

もっと値段が高いと思っていた。
普段、見慣れていないこともあって。

「そう?いつもこんなものよ」
「そうなんだ・・・」

どうやら子供の頃のイメージとは違うようだった。

(No.1265-2へ続く)

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