[No.1255-2]もうひとりの主役
No.1255-2
「蝶か!」
「そう!モンシロチョウね」
桜が目立ちすぎて彼らはそれほど注目されない。
でも、彼らも春の主役だ。
「確かに主役かもしれない」
「でも、目線が上に行くからなぁ~」
どちらかと言えば彼らは下に居る。
背の低い花を渡り歩くイメージがある。
「だから気付かないんだよな」
「それほどその存在に」
桜の開花に目を奪われ、みんな上を見ている。
足元にも春が訪れているのに。
「タンポポとのコントラストもいいよね」
「うんうん!」
白と黄色が何とも鮮やかだ。
「それに何となく慣れてると言うか・・」
人に寄ってくるようにも感じる。
「そう言われると」
「下が気になり始めたよ」
そう言うと友人が腰を下ろし始めた。
「来週、ここでいいよね?」
「私もそう思ってた」
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