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[No.1251-1]あの匂い

No.1251-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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なぜだか春が近付くとその匂いがしてくる。
本当は年中しているはずだろうが。

「何の話?」
「ある野菜の話だよ」

あえて答えを言わず、クイズ形式で話を進めるとしよう。
その方がおもしろい。

「野菜?」
「そうだよ」

今、その匂いがしている。
だから、この話を切り出した。

「春が近付くと匂うんだよな」
「早春の野菜なの?」

この質問については答えは“ノー”だ。
旬はあれど一年中食べられる野菜だ。

「スーパーに並ぶメジャーな野菜は」
「だいたいそうでしょ?」

全くその通りの反応が返ってきた。
確かによほどじゃない限り、店頭に並ぶ。

「ほら、サラダと言えば・・・」
「・・・キャベツ?」

ヒントと言うよりほぼ答えを言ってしまった。

「当たり!」

今まさにキャベツの匂いがしている。
でも、普通の匂いではない。

「普通じゃない?」
「特殊なキャベツってこと?」

その答えも“ノー”だった。

(No.1251-2へ続く)

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