ホタル通信 No.566
小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。
小説名:No.529 懐かしい感覚
実話度:★★★☆☆(60%)
語り手:女性
この小説、二つの事実を織り交ぜています。言うなれば当時の今と昔の話が含まれています。
一言で表すと、恋愛の自然消滅の話です。別に嫌いになったわけじゃないけど、いつの間にか会えない時間が増え、それが日常に変わって行きます。そうなると、あれほど仲が良かった二人の間に大きな溝が生まれ、もはや他人とも思えるよそよそしさも生まれます。この感情が更に二人の距離を遠ざけてしまいます。それこそ、タイミングの問題です。昨日連絡をしていれば・・・の繰り返しで、いくつもの“昨日”が過ぎ去って行ったわけです。
確かに昔は、連絡する手段が限られていましたから、事態は余計に深刻でした。現在のように手軽に連絡できないことも自然消滅に拍車を掛けていたはずです。
では、今はどうなんだと考えてみると、連絡手段は格段に増えても変わらないものがひとつあります。それは“勇気”です。傷付くことを恐れ、連絡することから逃げてしまう・・・逃げずに向き合っていたら事態は変わっていたかもしれません。
あの時、「また明日!」の意味で交わした別れの言葉が永遠の別れになるなんて、当時は思いもしなかったけど、古臭い表現ですがこれも青春の1ページなのかな。
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