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2024年3月

[No.1253-2]身代わり

No.1253-2

「あはは、確かにね!」
「前はさぁ・・・」

テレビに続いて電子レンジや炊飯器まで壊れた。
その総額たるものや・・・。

「それだけストレスが強かったとか?」
「確かに・・・ね」

それこそ会社を辞める覚悟が出来ていた。
そのストレスたるもの・・・。

「まぁ、有り難い話ではあるけどね」
「それからと言うもの・・・」

事が好転し始めた。
だからこそ、否定できない。

「今回は?」
「今回も・・・だよ」

事が好転し始めた。
前と全く同じ展開だった。

「何だか気が引けるけどね」
「“物”だけど」

無機質な“物”でも言わば相棒だ。

「・・・だね」
「だから、“ありがとう”って言ったよ」

何度も言うけど信じているわけじゃない。
でも、そう思わざるを得ないのだ。

「物にも心が宿る・・・か」
「その心はきっと・・・」
T1253
(No.1253完)
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[No.1253-1]身代わり

No.1253-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
決して信じているわけではない。
でも、前にも同じような体験をしたことがある。

「身代わり・・・か」
「そうなんだよね」

最近、嫌な出来事が続いた。
ストレスも相当、感じていた。

「最初に照明器具が壊れて」
「続けざまに電動歯ブラシが・・・」

以前も家電製品が次々と壊れた。
その時も今の同じように嫌な出来事が続いていた。

「で、何かで聞いたことがあるの」
「物が身代わりになって・・・」

私の痛みやストレスを代わりに受けてくれる。
その代償で“壊れる”のだと。

「確かに続くとそう思っちゃうよね」
「まぁ、不思議系は信じてないけど」

完全に否定できない自分がいる。
いつもタイミングが良すぎるからだ。

「誰かが見守ってくれてるのかな?」
「それなら嬉しいね!」

私も友人も思い当たる人がいる。
遠くの空から見守ってくれる人が。

「でも・・・」
「買い替えないといけないw」

今回はそれほどでもないけれど。

(No.1253-2へ続く)

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[No.1252-2]懐かしい家電

No.1252-2

「昔はいい意味で尖ってた」
「確かに今は無難な商品が多いように感じるね」

だから、新製品に興味がない。
というより、家電に興味がない。

「これ欲しい!って思ったことがない」
「ここ最近」

それもあってYouTubeで昔の家電を見るようになった。
特にラジカセとかステレオとか。

「知ってるのもあったな」
「面白そうね!」

欲しくても買えなかったものもあった。
逆に買ったものも紹介されていた。

「懐かしいというか」
「何か・・・こう・・・」

色々な感情が蘇ってきた。

「家電って時代をうつす鏡だよね」
「上手いこと言うな」

でも、そうかもしれない。
家電は時代そのものだ。

「便利すぎるのもな・・・」
「それに“形”もなくなったし」

音楽がいい例だ。
もはや形は存在しない。

「手間が掛かる時代が懐かしいよ」
T1252
(No.1252完)
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[No.1252-1]懐かしい家電

No.1252-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
昔は新製品が出る度にため息が出たものだ。

「なんで?」
「だって欲しいけど高くてさ」

家電はひと昔に比べて圧倒的に安くなっている。
でも昔は高級品だった。

「ほら学生の時は」
「ラジカセとか憧れだっただろ?」

今では死語に近い言葉だ。
若者には通じないかもしれない。

「確かにそうそう買えなかったよね」

音楽だけなら数千円の機器でも聞ける。
今の時代。

「俺もバイトを重ねてやっとだったよ」
「そうなるよね」

魅力的な商品も多かった。
性能と言うより、デザインや機能が。

「変わった商品もあっただろ?」
「絶対に売れなさそうなw」

案の定、売れない。
でも、印象には残る。

「そう言う意味では楽しかったな、昔は」
「分かる分かる」

今は見た目に特徴がない商品が多い。
テレビしかりスマホしかりだ。

(No.1252-2へ続く)

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ホタル通信 No.566

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.529 懐かしい感覚
実話度:★★★☆☆(60%)
語り手:女性

この小説、二つの事実を織り交ぜています。言うなれば当時の今と昔の話が含まれています。

一言で表すと、恋愛の自然消滅の話です。別に嫌いになったわけじゃないけど、いつの間にか会えない時間が増え、それが日常に変わって行きます。そうなると、あれほど仲が良かった二人の間に大きな溝が生まれ、もはや他人とも思えるよそよそしさも生まれます。この感情が更に二人の距離を遠ざけてしまいます。それこそ、タイミングの問題です。昨日連絡をしていれば・・・の繰り返しで、いくつもの“昨日”が過ぎ去って行ったわけです。

確かに昔は、連絡する手段が限られていましたから、事態は余計に深刻でした。現在のように手軽に連絡できないことも自然消滅に拍車を掛けていたはずです。
では、今はどうなんだと考えてみると、連絡手段は格段に増えても変わらないものがひとつあります。それは“勇気”です。傷付くことを恐れ、連絡することから逃げてしまう・・・逃げずに向き合っていたら事態は変わっていたかもしれません。

あの時、「また明日!」の意味で交わした別れの言葉が永遠の別れになるなんて、当時は思いもしなかったけど、古臭い表現ですがこれも青春の1ページなのかな。
Jt566
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[No.1251-2]あの匂い

No.1251-2

「どういうこと?」
「ほら、あれを見てよ」

その答えが近くにある。
そして、今まさに匂っている。

「畑だよね?」
「何だか荒れてるようにも見えるけど」

確かにそう見えなくもない。
でも、そうではない。

「余分なキャベツを放置してるというか」
「それって荒れてるんじゃない?」

でも違う。
説明が難しいが。

「とにかく次の野菜を育てる準備だよ」
「一言で表すと」

そのキャベツが匂ってくるのだ。
ただ、腐った匂いではない。

「・・・私は感じないけど?」
「そうなの?」

軽く発酵したような匂いだ。
ホワっとしているというか。

「その表現w」
「笑うなよ」

早春の暖かさと相まってそんな匂いがする。
だから、今、しているのだ。

「ふ~ん」
「でも、言われてみたらそんな匂いがするわね」

二人で意識的に匂いを嗅いだ。
その時、ランチのメニューが決まった。
J1251
(No1251完)
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[No.1251-1]あの匂い

No.1251-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
なぜだか春が近付くとその匂いがしてくる。
本当は年中しているはずだろうが。

「何の話?」
「ある野菜の話だよ」

あえて答えを言わず、クイズ形式で話を進めるとしよう。
その方がおもしろい。

「野菜?」
「そうだよ」

今、その匂いがしている。
だから、この話を切り出した。

「春が近付くと匂うんだよな」
「早春の野菜なの?」

この質問については答えは“ノー”だ。
旬はあれど一年中食べられる野菜だ。

「スーパーに並ぶメジャーな野菜は」
「だいたいそうでしょ?」

全くその通りの反応が返ってきた。
確かによほどじゃない限り、店頭に並ぶ。

「ほら、サラダと言えば・・・」
「・・・キャベツ?」

ヒントと言うよりほぼ答えを言ってしまった。

「当たり!」

今まさにキャベツの匂いがしている。
でも、普通の匂いではない。

「普通じゃない?」
「特殊なキャベツってこと?」

その答えも“ノー”だった。

(No.1251-2へ続く)

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[No.1250-2]あの時の空

No.1250-2

「よほど特徴的な空だったのね」
「いいや、普通の空だったと思う」

むしろ特徴は何もない。
けど、わずかな違いを見分けたんだと思う。

「何十回、何百回と空を見てるけど」
「昨日は本当にあの時と同じ空だった」

自分でもよく分からない話をしていると思う。
上手く伝えることができない。

「確かによく分からない話だけど」
「もどかしい気持ちは理解できるよ」

体験した本人しか分からない感覚だ。
蓋を開ければ全然大したことがない話だとは思うが。

「で、当時の心境を思い出した?」
「まぁな」

今はどうだろうか・・・。
色々な感情や想いを捨ててきたように思える。

「大袈裟ねw」
「笑うなよw」

良くも悪くも、成長した証だ。
捨てた分、何かを拾ったのも事実だ。

「拾ったものに」
「私も含まれてる?」

彼女から予想外のセリフが飛び出してきた。

「その表現、何だよw」
「へへぇ~w」

今日の夕焼けも新たな思い出になりそうだ。
T1250
(No.1250完)
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[No.1250-1]あの時の空

No.1250-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「昨日、あの時の空を見たんだ」
「あの時?」

会社帰りに、桃色に近い夕焼け空を見た。
雲はまばらで、どことなく寂しげな空だった。

「俺ってさぁ」
「10年前にここに転勤してきただろ?」

初めての転勤だった。
しかも、かなり遠い場所へ。

「知ってる」
「その時に見た空と?」

会社の寮に向かう途中にその空を見た。
昨日と同じように何とも寂しげな空だった。

「それって・・・」
「心境がそう見せてるんじゃないの?」

確かにそれは否定できない。
初めての転勤で不安しかなかったからだ。

「でも、昨日は」
「そんな心境ではなかったんだよな」

だからこそ、似ている空が思い出させてくれた。
そう思っている。

「不安と期待が」
「そのまま空の色に表れたのかな、当時は」

寮に向かう足取りは重い。
まぁ、新生活は誰もがこんな感じだとは思うが。

「そんな時もあったんだなって」

妙な懐かしさを覚えた。

(No.1250-2へ続く)

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ホタル通信 No.565

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.663 かみのお告げ
実話度:★★★★☆(80%)
語り手:女性

多少、脚色している部分はありますが、ほぼ事実です。ラストも事実なんですが、これはちょっと強引にくっつけたかもしれませんが。

社内の廊下に紙切れが落ちている・・・比較的よくあることです。ペーパーレスの時代であっても、今でも紙は健在ですからね。言い訳がましいですが、通り過ぎようとした瞬間に紙切れが落ちていることに気付くこともあり、そのまま素通りしてしまうことがあります。一歩二歩引き返せば済むことなのにそれをしない・・・罪悪感はこんな所から始まります。
それともうひとつ、その紙切れを誰も拾わないことに対して何とも言えない気持ちになります。もちろん、他人に対する気持ちですが、誰も拾わない一人が自分でもあるわけです。

前述した通り、ちょっと戻って拾えばいいわけです。そうしないのは自分には関係ない、あるいは誰かが拾うだろう・・・そんな考えがあるからです。みんなが“誰かが”なんて考えると、小説のように紙切れを拾ってくれる人は居ません。大袈裟ですが、これって世の中の縮図なのかもしれません。だからと言って否定しているのではありませんが、自分を含めてもう少しの勇気が必要なのかもしれませんね。

今は積極的に拾っていますが、だからと言って自分が偉いとも思いませんし、他人に押し付けようとも思いません。落ちていたら拾う・・・ただそれだけの理由です。
Jt565
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[No.1249-2]心強く

No.1249-2

「それって・・・」
「そうだよ」

もちろん、持ち直す場合もあるだろう。
ただ、母の場合は違った。

「静寂は」
「そのまま死を意味してる」

病室は静寂以上に静寂だった。
時間さえも止まっていた。

「でもさ」
「色々な感情が交差して」

不適切かもしれないが肩の荷が降りた気がした。
でも、それは自分のことではない。

「お母さんだよね?」
「そうだよ」

もう苦しまずに済む。
限界まで頑張ったからだ。

「反面、まだ生きてて欲しいという感情も」
「分かるよ」

一体何が正しいのだろうか?
そもそも正解なんてあるのだろうか?

「今でもそう考えることがあるよ」
J1249
(No.1249完)
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[No.1249-1]心強く

No.1249-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
以前なら何も感じなかった。
それが作り話だと分かっているからだ。

「でも」
「現実に経験しちゃうとな・・・」

それの名前は知らない。
病院で使う心拍数とかを表示する機械だ。

「危篤になるとさ」
「けたたましい音で鳴るんだよな」

ドラマでは良く見掛けるシーンだ。
僕はそれを病室で聞いた。

「経験すると」
「ドラマをまともに見れないよ」

あの瞬間がよみがえってくるからだ。
何度も何度も。

「辛いね」
「ドラマだと分かっていてもな」

でも、辛いのはけたたましく音が鳴っている時じゃない。
その後なんだ。

「その後?」
「そう・・・」

対照的な静寂が訪れた時だ。

(No.1249-2へ続く)

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[No.1248-2]なぞ解明

No.1248-2

「そう言われたらバカにできない」

もし、その女性のエサやりが止まれば死活問題だ。
彼らがやわじゃないとしても。

「だから毎日、そこに座ってる」
「彼女を待つために・・・か」

何も考えずそこに居たわけじゃない。
それを知ってから彼らの見方も変わった。

「ずっと続くといいね」
「そうだね」

地域猫と言っても完全にはそうなり切れていない。
世話好きな人が何人か関わっている感じがする。

「あなたもそのひとり?」
「私は・・・何もできないわ」

見守るしかない。
卑怯だけど。

「何もしないのも勇気よ」
「そうなのかな・・・」

いずれにしても、今日も居るだろう。
もしかしたら、唯一の食事を求めて。

「なんか、なぞが解けたら」
「ちょっと話が重くなっちゃった」

今日の帰り道は心して帰るとしよう。
大袈裟だけど。

「私もつき合うわよ」
「意味はないけど二人の方が心強いでしょ?」
J1248
(No.1248完)
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[No.1248-1]なぞ解明

No.1248-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
それは猫特有の行動だと思っていた。
お互いの縄張りを尊重しあっているのだと。

「違うの?」
「そうみたい」

通学路にいわゆる地域猫が居る。
たぶん、十匹くらいは棲み付いていると思う。

「じゃあ、なに?」
「どうやら、エサをくれる人を待ってたみたい」

夜、彼らは一定の距離を保ち座っている。
まるで縄張りを主張するかのように。

「だよね」
「私もずっとそう思ってた」

部活で帰りが遅くなってしまった時があった。
その時、ある光景を目にした。

「エサをやってたのね?」
「そう!」

ある女性がエサを与えていた。
次から次へと猫たちに。

「それを見た瞬間」
「これか!と思った」

彼らは意味もなくたたずんでいたわけじゃない。
立派な理由があったのだ。

「立派ねぇw」
「彼らにとってはそうだよ」

ある意味、生きるか死ぬかの瀬戸際でもあった。

(No.1248-2へ続く)

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ホタル通信 No.564

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.670 あの日に帰りたい
実話度:☆☆☆☆☆(00%)
語り手:女性

実話度ゼロの小説です。この小説は、歌のタイトルから創作するタイプで、まれにそんなことがあります。

誰の歌かは隠すつもりはありませんが、あえて伏せておきましょう。検索すれば一発だと思いますがw
冒頭、歌のタイトルから・・・と書きましたが、これには2タイプあってその歌の歌詞や世界観に寄せて何となく作るタイプと、歌詞に尾ひれ背ひれ付けて、歌詞をまるごと小説風にするタイプです。今回の小説は前者に相当します。決してネタ切れしているからではなく、時々、無性にそんなタイプの小説を書きたくなります。

当ブログは実話や実話からヒント・・・がポリシーなので、これに外れているようにも思えますが、中身については過去の経験を織り交ぜており、全くの絵空事ではありません。なので、実話度ゼロでもギリギリセーフです、自己評価ですが。
タイトルに似た思い出を掘り起こして、やや強引に結び付ける手法ですが、逆の時もあります。とある思い出に歌のタイトルを付ける場合です。

今回の小説も過去に“らしい”ことがあり、それに多めの脚色を加えてみました。皆さんも時にはあの日に帰ってみませんか?
Jt564
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[No.1247-2]置いてある

No.1247-2

「はっきり言えよ」
「ボトル持ってみてよ?」

その言葉に素直に応じる。
まぁ、ドッキリではないだろうし。

「持ったぞ?」
「これでいいのか?」

繰り返しになるが特に変わったところはない。
ただ、中身が少ないせいか軽い。

「・・・もしかして」
「中身を補充しろってか?」

彼女が大きく頷く。

「何だよ、それ~」
「自分で入れろよ、それくらい」

そう言い終わった時、あることを思い出した。
彼女が補充に失敗して中身をこぼしたことがあった。

「ふふふ、思い出したようね」
「その言い方w」

不本意だけど面倒なので補充することにした。

「さすが上手!」
「これくらい誰でもできるだろ?」

それ以来、洗剤の補充は僕の仕事になった。
J1247
(No.1247完)
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[No.1247-1]置いてある

No.1247-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
洗面台にある物が置いてあった。
当初はそれが何を意味するか分からなかった。

「まだなの?」
「何がだよ」

主語がない話をよくしてくる。
ある意味、それが怖い。

「なにビビッてるのよw」
「勘弁してよ」

別にやましいことは何もない。
これが女性のやり口でもある。

「失礼ねw」
「だったら何だよ?」

洗面台に洗剤のボトルが置いてある。
普段は違う所に置いてあるのに。

「見ての通りよ」
「このボトルのことか?」

普段、洗濯に使っているものだ。
それがどうしたと言うのか・・・。

「そうよ」
「そうよって・・・」

一向に話が進んでいかない。
何かを気付けと言わんばかりの対応だ。

(No.1247-2へ続く)

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[No.1246-2]一期一会じゃないけれど

No.1246-2

「えっ、嬉しいこと?まさか・・・」

友人の言いたいことは分かる。
顔にそう書いてあるからだ。

「違うわよw」
「違うの?」

肝心なことを言ってない。
なのに会話が成立している。

「てっきり、出会いがあったのかと・・・」
「その安堵の表情はなによw」

そんな都合よく出会いがあるわけがない。

「じゃなによ?」
「収穫はほぼゼロだって言ってたじゃん?」

そう、講習会ではゼロだった。
その嬉しいことは、講習会の帰りに起こった。

「帰り?」
「そう!帰りにね!」

1日だけだったので特に誰とも仲良くはなっていない。
それは他の人も同じだった。

「でも、別れ際に・・・誰からでもなく」

“お疲れ様でした”の声が飛び交った。
J1246
(No.1246完)
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[No.1246-1]一期一会じゃないけれど

No.1246-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
そう多くないけど全くないわけでもない。
そんな瞬間が時より訪れる。

「昨日、どうだった?」
「うん、まぁまぁかな」

自分でも微妙な返事だと分かっている。
でも、実際そうだったからだ。

「そんなもんね」
「やっぱり」

資格を取得するために、講習会に参加した。
聞くだけではなく、実技を伴う講習会だ。

「試しに参加してみたけど」
「ちょっと、もの足りなかったかな」

それに想像していたものと違ってもいた。
だから余計にそう感じてしまう。

「収穫ゼロ?」
「ゼロじゃないけど・・・ね」

得られるものは少なかった。
無料ではないだけに、残念ではあった。

「地道に自分で勉強するよ」
「そうだね」

ただ、ちょっと嬉しいことが講習会で起きた。

(No.1246-2へ続く)

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