[No.1245-2]うちのカレー
No.1245-2
「今さらだけど、びっくりしてる」
「だよね」
たかがカレー、されどカレーだ。
ラーメンと同じ国民食と言ってもいい料理だ。
「本当に食卓に並ばなかったんだろうか?」
「聞いてみ・・・あ、ごめん」
そう、もはや確認できる相手がいない。
特に一番確実とも言える本人が。
「別に構わないさ」
「でも、もっと早く気付いておくべきだったな」
だったら直接聞けたのに。
まさかまさかの出来事だ。
「でも、本当にそうなのかな?」
「ほら、カレーでありがちな・・・」
いわゆる“二日目のカレー”の姿もない。
「じゃあ、本当に?」
「・・・かもしれない」
にわかには信じられない。
けど、今はそうとしか考えられない。
「もし、そうだとしても」
「今があるじゃん!」
うちのカレーはどうやら幻となりそうだ。
その変わり、新しいカレーの味が僕を包み込む。
(No.1245完)
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