« [No.1245-1]うちのカレー | トップページ | ホタル通信 No.563 »

[No.1245-2]うちのカレー

No.1245-2

「今さらだけど、びっくりしてる」
「だよね」

たかがカレー、されどカレーだ。
ラーメンと同じ国民食と言ってもいい料理だ。

「本当に食卓に並ばなかったんだろうか?」
「聞いてみ・・・あ、ごめん」

そう、もはや確認できる相手がいない。
特に一番確実とも言える本人が。

「別に構わないさ」
「でも、もっと早く気付いておくべきだったな」

だったら直接聞けたのに。
まさかまさかの出来事だ。

「でも、本当にそうなのかな?」
「ほら、カレーでありがちな・・・」

いわゆる“二日目のカレー”の姿もない。

「じゃあ、本当に?」
「・・・かもしれない」

にわかには信じられない。
けど、今はそうとしか考えられない。

「もし、そうだとしても」
「今があるじゃん!」

うちのカレーはどうやら幻となりそうだ。
その変わり、新しいカレーの味が僕を包み込む。
J1245
(No.1245完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ
ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

| |

« [No.1245-1]うちのカレー | トップページ | ホタル通信 No.563 »

(049)小説No.1226~1250」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« [No.1245-1]うちのカレー | トップページ | ホタル通信 No.563 »