[No.1244-2]墓場の姉
No.1244-2
「簡単?」
「あぁ、だって・・・」
名前が書いてあった。
姉の名前がそこに。
「なるほどw」
名前があってこその悪ふざけだ。
もちろん、悪意があったわけじゃない。
「特別に仲が良かったわけじゃないけど」
「悪かったわけでもない」
ある意味、仲が良かったのかもしれない。
いわゆる、喧嘩するほど・・・というやつだ。
「それはあるね」
「ただ、何度思い返しても・・・」
書いた記憶は蘇らない。
まるで、他人事だ。
「本当に俺が書いたのかなって」
「そう思うこともある」
母も母で、なんでこんなものを・・・と思う。
とっておくなら、もっとましなものを・・・。
「でも、大人になったら」
「そんなものほど大切に思うんじゃない?」
その言葉に思わず頷く自分が居る。
そもそも、今、その話題を口にしたのも理由がある。
「ここ何年も姉と話してないなって」
「なら、その絵のことを話題にしてみたら?」
それもいいかもしれない。
怒られるかもしれないけどな。
(No.1244完)
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