« [No.1244-1]墓場の姉 | トップページ | [No.1245-1]うちのカレー »

[No.1244-2]墓場の姉

No.1244-2

「簡単?」
「あぁ、だって・・・」

名前が書いてあった。
姉の名前がそこに。

「なるほどw」

名前があってこその悪ふざけだ。
もちろん、悪意があったわけじゃない。

「特別に仲が良かったわけじゃないけど」
「悪かったわけでもない」

ある意味、仲が良かったのかもしれない。
いわゆる、喧嘩するほど・・・というやつだ。

「それはあるね」
「ただ、何度思い返しても・・・」

書いた記憶は蘇らない。
まるで、他人事だ。

「本当に俺が書いたのかなって」
「そう思うこともある」

母も母で、なんでこんなものを・・・と思う。
とっておくなら、もっとましなものを・・・。

「でも、大人になったら」
「そんなものほど大切に思うんじゃない?」

その言葉に思わず頷く自分が居る。
そもそも、今、その話題を口にしたのも理由がある。

「ここ何年も姉と話してないなって」
「なら、その絵のことを話題にしてみたら?」

それもいいかもしれない。
怒られるかもしれないけどな。
J1244
(No.1244完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ
ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

| |

« [No.1244-1]墓場の姉 | トップページ | [No.1245-1]うちのカレー »

(049)小説No.1226~1250」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« [No.1244-1]墓場の姉 | トップページ | [No.1245-1]うちのカレー »