[No.1241-2]懐かしの三輪車
No.1241-2
「感触?」
「あぁ、独特の」
三輪だけに安定性は抜群だ。
二輪のようにこけることはまずない。
「そりゃ、そうよね」
「問題は曲がる時と言うか・・・」
二輪は、ハンドルと前輪が一体化している。
だから、ハンドルを切れば左右に曲がれる。
「三輪は曲がれないの?」
「ちょっと変な感じなんだ」
ここからは記憶頼りにはなるが、変な感触を覚えている。
ハンドルを切るというより、体を傾ける感じになる。
「それが、なんというか・・・」
「フワフワしてて」
格好良く言えば、月面を歩いている感じだ。
月面を歩いたことはないけれど。
「なにそれw」
「でも、言いたいことは伝わる」
宙に浮いているというか・・・。
とにかく、足が地に着いていない感が半端ない。
「私・・・無理かもw」
ただ、クセのある三輪車になぜ乗っていたのかは謎だ。
「たしか、うす緑・・・」
「ペパーミントグリーンだったっけな」
目の前を横切った三輪車も、くすんではいたが同じ色だった。
(No.1241完)
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