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2024年2月

ホタル通信 No.563

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.698 謝るタイミング
実話度:★★★☆☆(60%)
語り手:男性

この小説が発表されたのが、2016年6月です。これを基準にすれば、約7年の月日が流れたことになります。

ここで少し創作活動に触れておきます。実話や実話からヒントを得て作っているので、いわゆる“未来日記”的な小説は書いたことがありません。また、リアルタイムに作ることも少なく、ある程度寝かしてから、過去を振り返りながら作る・・・これが基本です。従って、この小説も出来事も2016年起きたものだとは言えません。ただ、そうだとしても、冒頭に書いた通り、約7年の月日が流れています。
なぜ、月日に拘っているかと申しますと・・・実はまだ完全に仲直りが出来ていませんwもうひとつ付け加えておくと、この小説の状態から進展も後退もしておらず、今だ現状維持です。

正直に言えば、2016年から今に至るまでに数回、それらしいスタンプを送ったことはあったのですが、それに対する返事はありませんでした。まぁ、探り探り・・・ってことですね。
ただ、返信はなくても、今でも定期的にとあるゲームアプリのスタンプのようなものが届きます。もちろん、連絡目的ではないと思いますが、これが唯一、彼女と繋がっている証です。

小説ではケンカの原因は不明・・・ということになっていますが、本当は分かっています。もう少し、女性の特徴を理解していれば防げたんです・・・。
Jt563
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[No.1245-2]うちのカレー

No.1245-2

「今さらだけど、びっくりしてる」
「だよね」

たかがカレー、されどカレーだ。
ラーメンと同じ国民食と言ってもいい料理だ。

「本当に食卓に並ばなかったんだろうか?」
「聞いてみ・・・あ、ごめん」

そう、もはや確認できる相手がいない。
特に一番確実とも言える本人が。

「別に構わないさ」
「でも、もっと早く気付いておくべきだったな」

だったら直接聞けたのに。
まさかまさかの出来事だ。

「でも、本当にそうなのかな?」
「ほら、カレーでありがちな・・・」

いわゆる“二日目のカレー”の姿もない。

「じゃあ、本当に?」
「・・・かもしれない」

にわかには信じられない。
けど、今はそうとしか考えられない。

「もし、そうだとしても」
「今があるじゃん!」

うちのカレーはどうやら幻となりそうだ。
その変わり、新しいカレーの味が僕を包み込む。
J1245
(No.1245完)
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[No.1245-1]うちのカレー

No.1245-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「やっぱり、うちのカレーが一番だよな」

世には美味しいカレーが溢れている。
お店しかりレトルトしかりだ、けど・・・。

「でしょ!」
「カボチャの甘みがいいでしょ?」

甘口が好きな僕にとっては丁度いい味だ。
それも野菜の自然な甘みだ。

「うちは昔からカボチャを入れるんだよね」
「カレーは各家庭の特徴が出るよな」

そう、僕の実家だと・・・ん?
僕の実家は・・・。

「あれ・・・」
「どうしたの?」

変だ、思い出せない。
いや、思い出すもの何も・・・。

「カレーが食卓に並んだ記憶がない」
「うそでしょ?!」

カレーを食べている自分の姿もそこにはない。
単に忘れているとは思えないのだが・・・。

「そんなことはないわよ」
「特殊な料理ならまだしも」

でも、味も見た目も特徴も思い出せない。
と言うより、やはり記憶にない。

(No.1245-2へ続く)

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[No.1244-2]墓場の姉

No.1244-2

「簡単?」
「あぁ、だって・・・」

名前が書いてあった。
姉の名前がそこに。

「なるほどw」

名前があってこその悪ふざけだ。
もちろん、悪意があったわけじゃない。

「特別に仲が良かったわけじゃないけど」
「悪かったわけでもない」

ある意味、仲が良かったのかもしれない。
いわゆる、喧嘩するほど・・・というやつだ。

「それはあるね」
「ただ、何度思い返しても・・・」

書いた記憶は蘇らない。
まるで、他人事だ。

「本当に俺が書いたのかなって」
「そう思うこともある」

母も母で、なんでこんなものを・・・と思う。
とっておくなら、もっとましなものを・・・。

「でも、大人になったら」
「そんなものほど大切に思うんじゃない?」

その言葉に思わず頷く自分が居る。
そもそも、今、その話題を口にしたのも理由がある。

「ここ何年も姉と話してないなって」
「なら、その絵のことを話題にしてみたら?」

それもいいかもしれない。
怒られるかもしれないけどな。
J1244
(No.1244完)
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[No.1244-1]墓場の姉

No.1244-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「墓場の姉?」
「なに・・・それ・・・」

彼女が若干、引いている。
いや、かなり引いている。

「確か・・・まだ健在だったよね?」
「そうだよ」

別に姉の悪口を言ってるわけではない。
小さい頃に書いた絵の話だ。

「絵の話?」
「多分、幼稚園くらいだと思う」

母が子供の頃のガラクタを保管してくれていた。
その中に画用紙に書かれた数枚の絵があった。

「それが墓場の姉?」
「あぁ、姉がガイコツになってて」

墓場に居る絵だった。
なぜそうなのかは、もちろん覚えていない。

「嫌いだったとか?」
「そう言うわけじゃなかったと思うけど」

よくある兄弟同士のいざこざだ。
それも小さい頃の、たわいないものだ。

「まぁ、悪ふざけだな」
「一言で言えば」

ただ、悪ノリ過ぎるとは思っている。
例え、小さい頃のこととは言え。

「でも、ガイコツなのに」
「どうしてお姉さんと分かったの?」

その答えはごく簡単だ。

(No.1244-2へ続く)

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ホタル通信 No.562

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.538 10年越しの告白
実話度:★★★☆☆(60%)
語り手:男性

どこでこの話が繰り広げられているか・・・まずはそこから説明した方が良いですね。小説では場所の説明が一切ありませんから。

と言いつつも場所は居酒屋でもホテルの会場でもどこでも構いません。それよりも同窓会が行われている・・・ということが分かっていただければ。
早めにお伝えしておくと、同窓会のくだりはすべて創作です。ですが10年前の出来事は事実で、本当にそんなことがありました。そして小説ではハッピーエンドっぽくなっていますが、現実は今でも引きずったままです。彼女の一方的な勘違いと不注意が招いた結果なんですが、彼女を守ってあげられなかったのも事実です。

当の本人は、もう頭の片隅でも覚えていないと思いますが、私は今でも鮮明に覚えています。この彼女もそうですが、別の女の子ともちょっとした行き違いがあって・・・中学生の頃は思春期と相まって、色々なことがありました。そして、いつも攻撃目標は女子になり、何もできない私が居る・・・という図式でした。

その後悔と反省があったからでしょうか?わざわざ小説にしてホタル通信でネタばれさせているのは。
Jt562
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[No.1243-2]未確認飛行物体

No.1243-2

「だから、そう言いたくもなるだろ?」
「あの点滅を見たら」

点滅する灯りは、誘導灯か警告灯の類だと思う。
鉄塔の途中で点滅しているからだ。

「まぁ、確かに・・・ね」
「宙に浮いてるし」

そう・・・それが肝だ。
地面で点滅していたらとてもUFOには見えない。

「それに山の中だから」
「環境的にもそう見えるよな」

高速道路だけど街灯はない。
走る車のヘッドライトだけが周囲を照らしている。

「それこそ、UFO出現!って感じ」
「はいはいw」

帰路の楽しみのひとつだ。
運転に飽きた頃、それが現れてくれるのも嬉しい。

「次は数か月後?」
「だな」

そうこう話しているうちに後方に過ぎて行った。
UFOならぬ、3つの点滅が。

「さて、運転に集中よ!」
「了解!」

その時、3つの点滅は4つに変わった。
そのことを僕は知らなかった。
J1243
(No.1243完)
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[No.1243-1]未確認飛行物体

No.1243-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
それは車で遠出をした帰りに現れる。

「UFO発見!」
「・・・はいはい」

暗闇に、3つの灯りが点滅を繰り返している。
それがさながらUFOに見える。

「ここを通るといつも言うよね?」
「まぁいいじゃん!」

なぜだか言わずにはいられない。

「それになんでUFOなの?」
「見たことないくせに」

そう言われるとそうだ。
灯りの点滅がなぜ、UFOになるのだろうか?

「・・・だよな」
「そこは否定してよw」

子供の頃はよく、夜空を見上げていたものだ。
目的は星ではなく、UFOを見つけるために。

「あなたらしいね」
「子供の頃、流行ってたし」

いわゆるオカルト物は子供の好物とも言える存在だ。
僕も例外ではなかった。

「飛行機のライトって分かっていても」
「UFOだったら・・・な、と」

想像を膨らましたものだ。

(No.1243-2へ続く)

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[No.1242-2]空が明るい

No.1242-2

「これからもっと明るくなるね!」

1週間でもこの変わりようだ。
これからもっと明るくなって行くだろう。

「で、その話だけ?」
「遠回しに、飲みに誘ってる?」

同僚に言われ、我に返る。
別に意識が飛んでいたわけではないが。

「ううん、全然考えてなかった・・・」
「むしろ、あなたが方が“ふり”じゃなくて?」

お互い顔を見合わせた。
そして、どちらからともなく・・・。

「それなら・・・」
「・・・だよね」

急遽、飲みに行くことになった。
私も同僚も、全くその気はなかったようだったが。

「それで・・・」
「どこに行こうか?」

今日に限って、馴染みの店には行く気にはなれない。

「私も・・・」
「新規開拓する?」

空の明るさが冒険心をくすぐったのだろうか?
何となくそんな気がする。、

「そうと決まれば・・」
「突撃よ!」

まるで迷惑系ユーチューバーのノリだ。
でも、ワクワクする。

「じゃ、走るわよ!」
「負けないわよ!」
J1242
(No.1242完)
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[No.1242-1]空が明るい

No.1242-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
何度も経験していることなのに、いつも口に出てしまう。

「空が明るくなってきたね」
「少しずつ」

先週辺りから、帰宅時、空が明るくなってきた。
今までは真っ暗だったのに。

「私もそう思ってた」
「これって大事なことだよね」

同僚の言いたいことは分かる。
確かに大事なことだ。

「働いてる人にとってはさぁ」
「この明るさ加減で気持ちが変わるんだよね」

全くその通りだ。
ただ、働く者全員がそう思っているかは分からない。

「明るいとまだいける!ってなるよね」
「あははwどこに行くかは別にしてもね」

飲みに行くことを想定して言ってるわけじゃない。
あくまでも気持ちの持ちようだ。

「そうそう!」
「一日が長く感じるよね」

以前、北海道に住んでいたことがあった。
その時は、冬になると16時には真っ暗になっていた。

「一日が終わったぁ~って」
「何もやる気が起きなかったわ」

大袈裟ではない。
本当にそんな気分になってしまう。

「だからこそ、この明るさは」
「元気が出るよ」

たったそれだけのことなのに。

(No.1242-2へ続く)

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ホタル通信 No.561

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.528 やっぱり雨男
実話度:★☆☆☆☆(20%)
語り手:男性

作者が雨男か雨女かという事実以外、全て創作になります。ただ創作とは言え、事実でもあるところが雨男、雨女たる所以でしょうか。

さて、最近はどうかと言うと、すっかり神通力もなくなり、雨は降りませんwそれに呼応するかのように、しばらくこの手の小説は作っていません。例え創作であったとしても、自分を突き動かすきっかけがないと小説を書かない主義です、偉そうですが。
今回の小説は、この手の他の小説と比べて、少し大人しい作りでこれといったオチも用意していません。心配してくれた彼女が、折りたたみの傘を隠し持っていた・・・程度です。ある意味、ホラーというか、軽めのブラックジョークのようなラストです。

この雨シリーズ、手前味噌にはなりますが、比較的出来がよく、お気に入りの小説も多くあります。ただ、当ブログの趣旨とは少しかけ離れた部分がありますので、積極的には書いていません。
ただ、前述した通り、自分を突き動かすほどの強烈な事実があれば書きます。晴天なのに自分が一歩、外に出たら豪雨になったとかw
でも、今までを振り返るとこんな程度は日常茶飯事なくらい、当たり前でした、泣きたいくらいに。もちろん、雨男、雨女なんて科学的には意味のないものですが、もはや超常現象とも言えそうなくらい、雨に悩まされていたこともありました。

そんなこんなな私ですが、今は平和そのものです。天気が急に変わっても、雨がポツポツと落ち程度です・・・って、えっ?!
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[No.1241-2]懐かしの三輪車

No.1241-2

「感触?」
「あぁ、独特の」

三輪だけに安定性は抜群だ。
二輪のようにこけることはまずない。

「そりゃ、そうよね」
「問題は曲がる時と言うか・・・」

二輪は、ハンドルと前輪が一体化している。
だから、ハンドルを切れば左右に曲がれる。

「三輪は曲がれないの?」
「ちょっと変な感じなんだ」

ここからは記憶頼りにはなるが、変な感触を覚えている。
ハンドルを切るというより、体を傾ける感じになる。

「それが、なんというか・・・」
「フワフワしてて」

格好良く言えば、月面を歩いている感じだ。
月面を歩いたことはないけれど。

「なにそれw」
「でも、言いたいことは伝わる」

宙に浮いているというか・・・。
とにかく、足が地に着いていない感が半端ない。

「私・・・無理かもw」

ただ、クセのある三輪車になぜ乗っていたのかは謎だ。

「たしか、うす緑・・・」
「ペパーミントグリーンだったっけな」

目の前を横切った三輪車も、くすんではいたが同じ色だった。
J1241
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[No.1241-1]懐かしの三輪車

No.1241-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「懐かしいな」

目の前を三輪車が横切って行った。

「私、初めて見たかもしれない」
「そうなの?」

三輪車と言っても幼児の・・・ではない。
大人が乗る三輪タイプの自転車だ。

「うん、逆に新鮮w」
「かもな」

懐かしいのには理由がある。
単にレトロだけではない。

「理由?」
「あぁ、小さい頃、母が乗ってたことがあって」

そんなに長い期間ではなかったと思う。
でも、一緒に買い物に出掛けたものだ。

「ほら、普通の自転車より」
「荷物が積めそうだろ?」

前輪が二輪で、そこにかごが付いている。
かごの重心は低く、安定性は抜群だろう。

「でも、なんで見かけなくなったのかな?」
「さぁ、それは僕にも分からない」

ただ、思うことはある。

「なに?」
「運転のクセというか・・・」

子供の頃、何度かそれに乗ったことがあった。
その時の感触を今でも覚えている。

(No.1241-2へ続く)

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