[No.1237-2]老人と犬~アップデート~
No.1237-2
「なになに?」
「そのアップデートって!」
例の犬の首輪にLEDが付いていた。
緑に輝くLEDが。
「LED?」
「そっ!灯りの役目もあるんだろうけど」
さすがに周りを照らすほどの明るさはない。
でも、周囲に存在を知らしめるには十分だ。
「危なくないために?」
「だろうね、遊歩道は真っ暗だし」
小さな川沿いの道で、街灯はない。
辛うじて家から漏れる光が道を照らしている。
「自転車も多いからさ」
「私もそのひとりだけど」
自分と犬を守るためだろう。
もちろん、自転車を加害者にしないためにも。
「なるほど・・・アップデートしてる」
「でも、もうひとつあるのよ」
アップデートしているのは何も犬だけではない。
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