[No.1234-1]初めての挫折
No.1234-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
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実家の近くにそろばん教室があった。
教室と言っても、プレハブ小屋で質素な作りだった。
「小屋だけは今でもあるんだよな」
「さすがにそろばん教室はやってないけど」
その小屋も何度か建て替えられているはずだ。
記憶にあるそれと今は違うからだ。
「通ってたの?」
「あぁ、何でか分からないけど」
多分、自分から行きたいと言ったと思う。
近所の子供らも通っていたから。
「当時はそろばんが流行ってたし」
「そうなの?」
小学校の授業でもあった気がする。
曖昧な記憶ではあるが。
「多分、そろばんよりも」
「教室自体が珍しかったんだと思う」
習うより、通うことに価値を見出していた。
「子供らしいねw」
「でも、一応、勉強はしたぞ」
2級を取得し、1級で挫折した。
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