[No.1236-2]靴を洗う
No.1236-2
「洗ってた?」
「うん、私じゃないけどねw」
新しい記憶では、高校生の時だ。
母が、スニーカーを時々洗ってくれた。
「スニーカーというより」
「上履きのような感じの靴だったな」
紐で結ぶタイプだったがシンプルな作りだった。
お気に入りで3年間、同じ靴で過ごした。
「もちろん、痛んだら買い替えたけどね」
「同じのにw」
母が靴を洗う・・・当たり前のように過ごしていた。
結構、重労働だったと思う。
「ブラシのようなもので」
「ゴシゴシ洗ってた」
そんな姿を覚えている。
「昔はそうだったかもね」
「今のスニーカー、ひ弱かもw」
もし、洗えないのが本当ならそうなる。
表現は適切ではないが。
「けど、汚さないように大事に履くよ」
「だね!」
ひょんなことから、また母のことを思い出した。
思い出の中に、常に母が居る。
「当時は“ありがとう”の一言も言えなかったな・・・」
「別に求めていなかったと思うよ、お母さんは」
(No.1236完)
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