[No.1239-2]輝く文字
No.1239-2
「その行為自体がおしゃれなのかもな」
「今の若い子はね」
逆に集中できるのかもしれない。
実はどちらかと言えば俺もそういうタイプだ。
「そうだったわね」
「電車の中、だっけ?」
もっぱら勉強は電車の中でする。
通勤途中の電車の中で。
「静かすぎるのも・・・」
「だから丁度いいんだよな」
静かすぎると余計に雑音が気になる。
時計の音とか、家のきしむ音とか・・・。
「なら、カフェでもいいじゃん?」
「似合わないだろw」
さすがにこの歳で、それはない。
ここは若者たちに任せたい。
「そうかな?」
「意外に似合いそうよ?」
そう言われると試したくなる。
例え、お世辞や冗談だとしても。
「じゃ、お言葉に甘えて」
「頑張って!」
おもむろに参考書を開いてみた。
何だか文字が輝いて見えた。
(No.1239完)
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