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[No.1233-1]傘がない

No.1233-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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一匹の猫が、茂みの中で雨宿りをしている。
雨足は強くないものの、もっといい場所があるだろうに。

「・・・雨かな?」
「そうみたいやな」

予報通りと言えば予報通りだ。
でも、本当に降り出すとは思っていなかった。

「傘、持ってる?」
「持ってるように見える?」

聞いた僕がバカだった。
彼女はかなり小さめのポシェットしか持っていない。

「ごめん、ごめん、だねw」
「うち、天気なんか気にせえへんしw」

確かにそんな性格だ。
下手をすると雨降りでも傘をささずに来てしまうからだ。

「雨宿りしようか?」
「せやな」

予報ではこれから雨足が強くなるはずだ。
ただ、そう長くは続かない。

「じゃ、ショッピングモールに戻ろう!」

幸いにも数分前にそこを出たばかりだった。
走れば、すぐに戻れる距離だ。

「ほな、ダッシュ!」

さっきよりも雨足が強まっている。
僕らは大急ぎでモールに戻った。

(No.1233-2へ続く)

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