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[No.1232-1]前の家

No.1232-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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実家は僕が高二の時に建て替えた。
でも、卒業と就職を期に家を離れた。

「だから、二年くらいしか住んでない」

それもあり、建て替えた家での思い出が少ない。
と言うより、ほとんどない。

「どうして?」
「みんなの部屋が出来たこともあるだろうな」

姉と弟、そして僕。
それぞれの部屋が出来た。

「まぁ、姉は前から部屋があったけど」

建て替える前は居間に居ることが多かった。
部屋がなかっただけに。

「部屋が出来たら部屋にこもるだろ?」
「確かに」

大袈裟だけど家族がバラバラになった。
今、振り返ると。

「当時は何も感じなかったけど」
「そういうものよ」

だから、子供の頃を思い出すと・・・。
脳裏に浮かぶのは、前の家だった。

「どんな家だったの?」
「平屋でさぁ・・・」

今風に言えば2LDKだろう。
ただ、それぞれの部屋はそれほど広くはなかった。

(No.1232-2へ続く)

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