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[No.1223-1]金のスプーン

No.1223-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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子供の頃、実家に特別な食器があった。
優雅な花模様のティーカップと皿のセットだ。

「それともうひとつ」
「もうひとつ?」

それに負けないスプーンもセットになっていた。

「特別なの?それも」
「あぁ、特別」

そもそもは来客用として用意されていたと思う。
でも、特別な日にはそれを使ってくれた。

「誕生日とか」
「俺、紅茶が好きだから」

子供の頃から紅茶好きだった。
なぜ、好きになったのか、理由は分からないが。

「大人だったのねw」
「だなw」

だから特別な日にそれを使って紅茶を入れてくれた。
母親が。

「それでどんなスプーンなの?」
「金のスプーンだよ」

装飾は控えめだが、黄金に輝く・・・。
まさに金のスプーンだった。

「それは凄いね!」
「だろ!」

紅茶がより美味しく感じた。
琥珀色の紅茶と黄金が相まって。

(No.1223-2へ続く)

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