« [No.1226-1]置き土産 | トップページ | [No.1227-1]どぶ掃除 »

[No.1226-2]置き土産

No.1226-2

「それより早く追い払ってよ」
「・・・ったく」

まぁ、虐待するわけじゃないからその点は安心だ。

「分かったよ」
「あまり驚かしちゃダメだよ」

矛盾しているとも言えるセリフが聞こえた。
それが彼女の良いところでもあるが。

「はいはい」
「ちょっと待ってて・・・」

驚かさないようにごく自然にドアを開ける。
すると、スズメは一目散に飛び去ってしまった。

「・・・飛んでったよ」
「そう!ありがとう!」

毎日とは言わないが頻繁に飛んでくる。
そして、ベランダの手すりの上で休んでいる。

「ここ7階だろ?」
「彼らにとってはオアシスなんじゃないの?」

猫に襲われる心配も人間にイタズラされることもない。
ただ、ひとり彼女のことを除けば。

「何だか私が悪者に聞こえるんだけど?」
「かもしれないなw」

まぁ、彼らのことだから懲りずにまた来るだろう。

「彼らだって感謝してるんだよ」
「その証拠に、置き土産がおいてあるからw」

小指のつめの先程度の“フン”という名の置き土産が。
J1226
(No.1226完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ
ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

| |

« [No.1226-1]置き土産 | トップページ | [No.1227-1]どぶ掃除 »

(049)小説No.1226~1250」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« [No.1226-1]置き土産 | トップページ | [No.1227-1]どぶ掃除 »