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2023年11月

ホタル通信 No.554

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.520 今日の運勢
実話度:☆☆☆☆☆(00%)
語り手:男性

この小説、俗に言われる“意味が分かると・・・”ぽい作りです。ただ、怖い話ではありませんよ。

実話度ゼロですが、占いの反対の状態であったのは事実です。これが小説のきっかけと言えばきっかけなんですが、とりあえずゼロにしておきました。小説の全貌を簡単に説明すると、後半冒頭に書いてあることと真逆の状態にあった僕を気遣って、ありもしない占いサイトの話題を持ち出して、さもそこに良いことが書いてあるように振舞った・・・です。
ではどうして、それに気付いたのかは、僕がうお座ではなく、みずがめ座だったからです。適当な星座を言っても、答えは決まっていたんでしょう。

だから、彼女は占いのサイトを教えるのを頑なに拒否したわけです。僕もその気持ちを汲んで「助けてくれる女神あらわる」って返しました。
実話ではなく、創作なので、手前味噌ながら、しっくりくる作りにはなっています。読み返してもみても、なかなかどうしてw

冬のホタルの本筋からは外れるタイプの小説ですが、それでも時々、書きたくなってきます。
Jt554
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[No.1227-2]どぶ掃除

No.1227-2

「小川はまだあるの?」
「あるよ、でも・・・」

小川の幅は狭くなり、逆に道は広がった。
元は、車一台がやっとの道だった。

「どぶ掃除の必要もなくなって」
「本来の小川に戻ったのかもな」

でも、ちょっと寂しい気がした。
理由は自分でもよく分からないけど。

「それが最近、また狭くなって」
「小川そのものが消えようとしてる」

実家の周辺も環境が大きく変わった。
昔の面影はその小川だけだったのに。

「それは残念ね」
「だから、思い出すんだよ」

町内総出でどぶをさらう。
今では考えられない光景がそこにあった。

「綺麗な川もいいけど」
「生活感のある川も・・・」

環境には優しくはない。
それを分かった上での発言だ。

「・・・でも、分かるな、その気持ち」
「俺も年を取ったってことかなw」

つまらないことほど、よく覚えている。
J1227
(No.1227完)
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[No.1227-1]どぶ掃除

No.1227-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「どぶ掃除って知ってる?」
「・・・何となくわかるわよ」

実家に向かう道沿いに小川が流れていた。
道沿いゆえにコンクリートの川が。

「子供の頃さぁ・・・」

1年に1度、その川を掃除していた。
つまり、どぶ掃除だ。

「どぶ・・・って最近聞かないよね?」
「確かにな」

当時、生活排水を流してたと思う。
土地柄、下水が整備されていなかったからだ。

「だから、まさしく“どぶ”だったんだよ」
「小川と言えば聞こえはいいけどなw」

川底のヘドロをスコップでさらい、道路に広げる。
これを延々と続ける。

「どれくらい?」
「50メートルくらいかな」

だからと言ってこれが嫌いだったわけじゃない。
これも一種の町内のイベントだった。

「今もやってるの?」
「ううん、もうやってないよ」

実家を離れてから数年後に下水が整備された。
同時に“小川”の役目も終わることになった。

(No.1227-2へ続く)

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[No.1226-2]置き土産

No.1226-2

「それより早く追い払ってよ」
「・・・ったく」

まぁ、虐待するわけじゃないからその点は安心だ。

「分かったよ」
「あまり驚かしちゃダメだよ」

矛盾しているとも言えるセリフが聞こえた。
それが彼女の良いところでもあるが。

「はいはい」
「ちょっと待ってて・・・」

驚かさないようにごく自然にドアを開ける。
すると、スズメは一目散に飛び去ってしまった。

「・・・飛んでったよ」
「そう!ありがとう!」

毎日とは言わないが頻繁に飛んでくる。
そして、ベランダの手すりの上で休んでいる。

「ここ7階だろ?」
「彼らにとってはオアシスなんじゃないの?」

猫に襲われる心配も人間にイタズラされることもない。
ただ、ひとり彼女のことを除けば。

「何だか私が悪者に聞こえるんだけど?」
「かもしれないなw」

まぁ、彼らのことだから懲りずにまた来るだろう。

「彼らだって感謝してるんだよ」
「その証拠に、置き土産がおいてあるからw」

小指のつめの先程度の“フン”という名の置き土産が。
J1226
(No.1226完)
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[No.1226-1]置き土産

No.1226-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「また来てるよ!」

彼女のヒステリックな声が聞こえる。
同時に、あの鳥の鳴き声も。

「スズメだろ?別にいいじゃん」
「良くない!」

生き物が嫌いなわけではない。
けど、なぜかしら生き物に風当たりが強い。

「ベランダで休んでるだけだろ?」
「だって・・・」

よほど嫌な経験をしたのだろうか?
今まで聞いたことはなかったが。

「スズメに突かれたとか?」
「まさか!」

それならフンでも落とされたのだろうか?

「もしかして・・・・」
「・・・じゃないわよ!」

僕の表情を見てすぐにピンと来たようだった。

「じゃ、なんで?」
「別に理由はないわよ」

ゆで卵は好きだけど生卵はダメと同じだろうか?
例えがかなり雑だが・・・。

「そうね・・・そんな感じかな?」
「どんな感じだよ!?」

僕らの会話をよそに、今もベランダで鳴いている。
チュンチュンと。

(No.1226-2へ続く)

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ホタル通信 No.553

小説名:No.512 LINE
実話度:★★★★★(100%)
語り手:男性

ほぼ実話です。実話度100%のお約束で、作者は小説上の僕か彼女のどちらかです。

僕の方がスマホデビューが早く、そのため、ひとつ前のモデルを使っていました。ただ、LINEをどうやって交換し合ったのか、よく覚えていません。
この小説に出てくる彼女は、冬のホタルには何度も登場している人です。こう書くと、作者が僕のようになってしまいますが、このあたりは嘘と現実を曖昧にしています。
その彼女、とにかくメールの返事が激遅で、数か月後に返事が来ることも珍しくありませんでした。それが、LINEになるわけですから、リアルタイムで進む会話に、ただただビックリでした。

ただ、LINEでは、その場の勢いで送ったりしてしまうことがあり、それが原因でケンカになったこともありました。
実はそのケンカが今でも尾を引いており、しばらく、LINE上で会話は出来ていません。でも不思議なもので、会話は出来ていないものの、とあるゲームの“クロ-バー”のやり取りは続いています。僕のことを気にしてくれている・・・というより、そのゲームをしている人が他にいないため、止む無くと言った印象がありますwまぁ、何とか首の皮一枚で繋がっています。

考えようによってはかなり薄い関係を長く続けられる方が幸せなのかもしれません。この記事を書いている時にもクローバーが送られてきましたよ。
Jt553
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[No.1225-2]ド根性

No.1225-2

「2ヶ月間、水も無しに?」
「そうね、基本無しね」

途中、何度も雨は降った。
でも、プランターは雨が届かない位置に置いてある。

「土はカラカラなのに」
「それでも生きてるんだよね」

例の果物は、場所が場所だけど条件は良い。
雨の恵みも受けられる。

「ド根性のレベルならうちの子の勝ちだよ!」
「うちの子ってw」

勢い余ってつい、口が滑ってしまった。
まぁ、悪いことではないけれど。

「言わば、2か月間も飲み食いなしだもんね」

確かにそうだ。
肥料どころか、雨の恵みもない。

「もちろん、水なんてあげてないからね」
「・・・だからビックリしたよ」

そして今も生きている。

「今も!?」
「こんなに寒いのに・・・」

夏の野菜だけに、寒さは天敵だ。
それにも負けずと言うか耐えているというか。

「これからどうするの?」

自然の摂理に任せるには少し気が引ける自分が居る。
J1225
(No.1225完)
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[No.1225-1]ド根性

No.1225-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
時々、“ド根性○○”と言うニュースを耳にする。
つい最近も・・・。

「凄いよね、生命力と言うか」
「ほんと」

道路の中央分離帯に果物が育っていた。
それも意外な果物が。

「でも、どうしてこんな話を?」
「実は・・・」

その“ド根性”が私の所でも起きた。

「私の所?」
「そう、ベランダでねw」

毎年、ベランダのプランターでゴーヤを育てている。
そのゴーヤを2か月ほど前、刈り取った。

「シーズンを過ぎて」
「枯れ始めたからね」

特別な作業じゃない。
毎年のことだ。

「ただ、根っこの部分は残してたの」
「もっと枯れてから抜こうと思って」

そして、2か月が経ったある日のこと。
ふと、プランダーを見た時だった。

「もしかして・・・」
「そう!そのもしかして」

枯れるどころか、新しい葉が生えていた。
とても小さいものだけど。

(No.1225-2へ続く)

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[No.1224-2]秋祭り

No.1224-2

「・・・」
「後ろから?」

そう言われると確かに後ろから聞こえてくる。
正確には後ろの建物の上の方から。

「・・・ほんとだ」
「でしょ?」

姿は見えないけど聞こえてくる。
野太い男性の声が。

「もしかして・・・」
「だろうねw」

後ろの建物の三階にはイベントスペースがある。
どうやらそこから聞こえているようだ。

「なるほどw」
「誰か来てるのね」

男性の声に混じって女性の歌声も聞こえている。
不思議とそれには気付かなかった、今まで。

「声援が凄いからよ」
「ほら、今でも」

野太い声にかき消され始めた。

「アイドルかな?」
「声優とかもあり得るね」

ある意味、男性にとっては祭りなのだろう。
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[No.1224-1]秋祭り

No.1224-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「あれ・・・」
「どうしたの?」

叫び声のようなものが聞こえる。
それも大勢の。

「祭りやってたっけ?」
「祭り?」

確かにそんな季節にはなってきた。

「ほら、野太い声が聞こえない?」
「・・・ほんとだ」

雑踏に負けないくらいの大きさだ。
でも、どこから聞こえてるのだろう・・・。

「祭り・・・やってなさそうだけど」
「そうなんだよね」

周りを見渡してもそれらしき姿がない。
人の神輿も。

「神輿?!」
「だって、担いでる声でしょ?!」

でも、見当たらない。
何度、見渡しても。

「どうなってるのかな・・・」
「・・・ちょっと待って」

友人が冷静に声がする方向を探し始めた。

(No.1224-2へ続く)

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ホタル通信 No.552

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.640 おいしいオナラ
実話度:★★★★☆(80%)
語り手:女性

小説では、納屋や看板が“今でもある”ことになっていますが、今から5年位前に、残念ながら無くなってしまいました。

その納屋は、実家から歩いて数分の所にありました。大きさ的には四畳半くらいでしょうか?多分、農作業の道具などを収納していたと思います。周辺が畑だったので。ちなみに、今はその場所には普通に家が建っています。
さて、この話、ほぼ実話なんですが、超重要な部分に脚色をしています。小説では、“米”の文字が消えて読めなくなっていたので“おなら”になってしまった・・・というエピソードになっていますが、実はそうではありません。

この看板が設置されたのが、私が小学生になる前だったこともあって、“米”という漢字を読めなかったことが“おなら”になった原因です。
漢字を読めない近所の子供たちの間で、瞬く間に広がっていきました。多分、大人や高学年の子供らには、私たちが何に対して、ザワザワしていたのか、それほど気付いていなかったと思います。とにかく、子供は好きですよね。おならとウンチとかw

納屋や看板が無くなった時は、楽しかった思い出まで無くなった気がしました。看板を指さしながら“おいしいおなら~!”とバカ丸出しだったあの頃が懐かしくもあり、恥ずかしくもあり・・・です。
J552
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[No.1223-2]金のスプーン

No.1223-2

「贅沢な時間だったな」

子供ながらに“金のスプーン”は自慢だった。
さりげなく友達にも自慢した。

「そのスプーンは何本かあったんだよな」
「なんかお金持ちになった気分だったよ」

ただ、ある日を境にそのテンションは消え去った。
あることに気付いたからだ。

「・・・多分、あれよね?」
「気付いてた?」

彼女が小さくうなづく。
それを知りながら僕に話を合わせてくれていたようだ。

「金メッキだったんでしょ?」
「正解!」

不注意でスプーンを傷付けてしまった。
すると・・・。

「銀色が見えたんだよね・・・」

全てが金で出来ていたと思っていた。
今なら、そんなことは思わないが・・・。

「子供の頃ならそう思うわよ」
「全部金で出来てるって」

僕が勝手にそう思い込んでいただけだった。

「そのスプーン、今はどうなってるの?」

僕が就職する時に持たせてくれた。
今では金のスプーンの面影しか残っていないけれど。
J1223
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[No.1223-1]金のスプーン

No.1223-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
子供の頃、実家に特別な食器があった。
優雅な花模様のティーカップと皿のセットだ。

「それともうひとつ」
「もうひとつ?」

それに負けないスプーンもセットになっていた。

「特別なの?それも」
「あぁ、特別」

そもそもは来客用として用意されていたと思う。
でも、特別な日にはそれを使ってくれた。

「誕生日とか」
「俺、紅茶が好きだから」

子供の頃から紅茶好きだった。
なぜ、好きになったのか、理由は分からないが。

「大人だったのねw」
「だなw」

だから特別な日にそれを使って紅茶を入れてくれた。
母親が。

「それでどんなスプーンなの?」
「金のスプーンだよ」

装飾は控えめだが、黄金に輝く・・・。
まさに金のスプーンだった。

「それは凄いね!」
「だろ!」

紅茶がより美味しく感じた。
琥珀色の紅茶と黄金が相まって。

(No.1223-2へ続く)

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[No.1222-2]みな

No.1222-2

「魚介類?」
「そうだよ!」

それでも答えられないはずだ。
魚介類だって、範囲は広い。

「・・・そうだね・・・貝でしょ、それ?」
「えっ!?」

当てずっぽうだとしても、突然の正解だ。

「サザエの小型版みたいな貝でしょ?」
「そこまで知ってるの?!」

・・・やられた。
最初から知っていたんだ、友人は。

「知ってたんだ?」
「ごめんw」

ということは、私が知らなかった事実がある。

「もしかして、九州・・・」
「祖父母が長崎に居て」

私と同じだった。
今まであえて聞いたことがなかった。

「そうだったんだ・・・ビックリしたよ」
「みな、美味しいよね!」

それからというもの、みなと長崎の話で持ち切りだった。

「爪楊枝で、プリっとね!」
「そうそう!プルンととれるのよねw」
J1222
(No.1222完)
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[No.1222-1]みな

No.1222-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
昨日、かなり久しぶりにある言葉を聞いた。
まさか、全国ネットのテレビで流れるとは・・・。

「ねぇ、“みな”って知ってる?」
「・・・みな?」

聞いてはみたものの、多分知らないと思う。
よほどその地方の人ではない限り。

「K-POPアイドル?」
「それともバーチャル?」

違ってはいるが、なかなか的を得た答えだ。
一般的にはこう来るだろう。

「どっちでもないよ」
「じゃあ、アニメか漫画の?」

それもなかなかの答えだ。
アイドルじゃなければ、そう来るのが普通だ。

「残念!人の名前じゃなくて」
「物の名前なんだよね」

とは言え、それなら範囲が無限になってしまう。
さすがに意地悪なヒントだ、我ながら。

「物と言うより、食べ物ね」
「いや、食べ物なんだけど・・・」

その前に生き物でもある。

「生き物?」

もう少し範囲を狭めると魚介類だ。

(No.1222-2へ続く)

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ホタル通信 No.551

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.693 変な習慣
実話度:★★★☆☆(60%)
語り手:女性

この習慣は今でも続いています。もし、お金持ちになって足を完全に伸ばすことができるお風呂を作ったとしても、体育座りをするんでしょうねw

確かに小さい頃の習慣が抜けていないとは思っていますが、それだけでもないような気もしています。多分、それほどお風呂が好きではないことも影響しているのではないでしょうか?毎日、お風呂には入るものの、何となく義務感で入っており、面倒臭さ全開ですw
だからと言って、清潔にはしておきたいので、その葛藤もあってか、いまひとつ、お風呂を楽しめていません。

今でも足を伸ばすことはほとんどなく、体育座りをして、ボケっとしています。でも、リラックスしているわけではないんですよねw
もし、人に見られたとしたら、「隣に誰か居るの?」とさながらホラーのような展開になってしまいそうです。それほど、スペースを有効活用していません。
私が言うのも変ですが、居ますよね、こんな人。へんに狭い所が好きとか、まるで前世が猫だったような人が。そうそう!秘密基地的なものも好きでしたね。家の近くの空き地でそんなものを作っていた記憶もあります。

「隣に誰か居るの?」と冗談交じりのことを書きましたが、それでも昔は隣に母や父が居たんですよね。もしかしたら、習慣ではなく、今でもその影を見ているのかもしれません。もう会うことができないふたりの影を。
J551
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[No.1221-2]超能力に憧れる

No.1221-2

「ただ憧れてるだけよ」
「その力をどうこうしようと考えてない」

時々、友人の考えが分からなくなる。
まぁ、不思議ちゃんではあるけれど。

「そうなんだ・・・」
「そうよ」

でも、何だかスッキリしない。
それは私ではなく、彼女がそう見える。

「ねぇ、ほんとは相談したいことあるんじゃない?」
「・・・」

返事はないが、“うん”と顔に書いてある。

「良ければ聞くわよ?」
「なら、当ててみて」

一瞬、その言葉の意味を見失った。

「それって・・・」
「だから憧れるでしょ?超能力って」

ここに来て高等な話になっているのに気付いた。
今までの話はもしかして・・・。

「私が気付けって・・・こと?」
「あなたの悩みごとに・・・」

何とも身勝手な考え方だ。
けど、確かに超能力があったとしたら・・・。
J1221
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