[No.1213-2]いつもと違う夕焼け
No.1213-2
「ちょ、ちょっと待って!」
「その涙の意味は・・・」
あまりの綺麗さに感極まったのか、それとも・・・。
何かしら思い出してしまったのか。
「あら、ほんとだ」
「涙が出てる」
私の動揺をよそに、至って冷静だ。
このギャップは何なのだろうか・・・。
「泣いてたよね?」
「そうみたいだけど、意識してなかったよ」
感激してたわけでも感傷に浸ってたわけでもなさそうだ。
それなら、その涙は一体・・・。
「その涙のわけは?」
「・・・さぁ~」
表情からすれば嘘をついているようには見えない。
それにからかわれているわけでもなさそうだ。
「さぁ~・・・って言われても」
「意味もなく?」
同僚が小さくうなづく。
特に意味もなく、涙が流れたらしい。
「・・・じゃ、もう聞かないよ?」
「うん!心配させてごめんね」
そんなこともあるだろう・・・そういうことにする。
今回の出来事は。
「さっきから言えなかったんだけど」
「あなたも、泣いてたわよ」
(No.1213完)
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